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タイトル説明  何故「座標軸」というタイトルをつけたか。(2)4つの価値基準

 若い頃の私は、価値基準というものはひとつだと思っていた。ひとつでなければならないと思っていた。倫理観の強い私は、犯罪が許せなかった。犯罪者を描いた小説や映画はそれだけで価値がないと思った。戦争などなおさらである。 
 しかし実際の世の中には、いくつもの価値基準が存在するかのように感じた。それならそれで、価値基準に優劣をつけて、どの価値基準が一番優れた価値基準なのかを決めるべきだと思っていた。資本主義と社会主義、ふたつの経済学があるのはおかしい、どちらか優れている方だけにすべきだと思った。それでずっと悩んでいた。
 でもそうではないことがだんだんわかってきた。価値基準はひとつではない。ひとつに絞る必要もないということが少しずつわかってきた。すなわち、価値基準は人の性格によって違う、違っていいんだ、ということがわかってきた。現実主義があれば、理想主義があってもいい。ロマン主義があってもいいということがわかってきた。
 しかし人の性格は人それぞれ違うわけだから、価値基準は人の数だけあるということになって、それだけ多いとなると、それはもはや基準とは言えないのではないか、と、またしても悩んだ。
 そこで性格の数を絞る方向に考え方を変えた。価値基準と同じように、あまり多すぎては意味がない。そして最終的に辿り着いたのが、あの有名な血液型による性格分類であった。わずか4分類である。これぐらいの方が覚えやすくていいのである。(そういう便宜的な理由だけでなく、もっと本源的な理由もあるが、今回はしないでおく。)
 科学的根拠がないという話は承知している。だから私は「A型の性格」とは呼ばずに、「A型的性格」と呼ぶようにしている。世間で一般的に「A型の性格」として周知されている性格という意味である。それでも、4つではあまりにも大雑把なので、私はそれを座標面上に配置することにした。座標面を4つに分け、一番右にA型的性格、真ん中にO型的性格、一番左にB型的性格を置く。さらにこの座標面は右と左がぐるっと回って、後ろでくっついている、つまり円筒形をしていて、そのくっついた部分がAB型になる。なぜそんなことにしたかというと、AB型をどこに置くかということのほかに、極端なA型的性格と極端なB型的性格は似てくるということを表現するためである。
 座標面を4分割したそれぞれに価値基準が存在する。A型的人間の価値基準とB型的人間の価値基準は違う。さらに同じA型的性格でも程度の差が現れるが、その微妙な差は座標面上の位置によって表現される。Oに近いAとか、社会的地位の高いAと低いAの差などが表現できる。
 文字だけでの説明では、甚だわかりにくいと思うので、また違う方法で説明したいと思うが、とにかく私はこの4つの価値基準を持つ座標軸を手に入れたことで、一気に視野が広がった。何でも来い、という気になった。すべての人間、歴史、文化をこの座標面上に配置し、説明してみせるという気になった。
 ご批判も多いであろうことは想像できるが、少しでも興味を持たれた方がいたら、今後もう少しお付き合いいただきたいと思う。広く視野を持つという点では役に立つと思う。追々、具体例を挙げて説明していきたいと思っている。


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