ラマルティーヌ「秋」(フランス詩を訳してみる 13)

Alphonse de Lamartine, L'Autmmne (1819)

ごきげんよう! わずかに緑の残る林よ、
まばらに黄色くなっていく芝生よ、
最後の美しい日々よ! 喪に服する自然は
傷ついた心に似つかわしく 僕の目を和ませる。

誰もいない小道を 僕は夢見心地で辿っていく、
暗い林の足元を淡い光で照らす
衰えつつあるあの太陽を
最後にもう一度見たくて。

そう、朽ち果てようとしている

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ワーズワースに告ぐ

自然詩人のあなたは知識を悲しんだ
去った存在は二度と戻らないのではないかと

少年の日々、青年の日々、友情、初めての愛が
放つ光は美しい夢のように
消え去り、取り残された
あなたは深く悲しんだ

こうした共通の悲しみを
私も悲しんだ
私の喪失をあなたも感じた
けれどもそれを嘆いたのは私だけだった
以前のあなたは孤独な星だった
冬の真夜中に荒れ狂う海を
すすむ無力な小舟を照らした

あなたは岩を穿

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【MV】Suchmos『FUNNY GOLD』と「オリエンタリズム」

Suchmos『FUNNY COLD』のMVは、同バンドのドラム担当のOKによる初監督作品であり、ワンショットで撮られた映像になっています。

このnoteでは、Suchmos『FUNNY COLD』のMVを、19世紀ヨーロッパでロマン主義とともに高揚した「オリエンタリズム」との関係によって説明することをその目的とします。

1. オリエンタリズム

オリエンタリズムとは、東方趣味/東洋趣味/異国

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ラマルティーヌ「湖」(フランス詩を訳してみる 9)

Alphonse de Lamartine, Le Lac (1820)

日本での知名度は低いですが、フランス・ロマン主義を代表する詩です。全64行と、これまで訳してきた詩よりも大分長いので、読み通しやすいように、いつもより若干意訳の度合いを強くしています。

こうして僕らは 永遠の夜の中 岸から岸へ
絶えず押し流されて行き 後戻りもできない。
この時の海原の上で ほんの一日でも
   錨を下ろ

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ブレンターノ「夕べのセレナーデ」(ドイツ詩を訳してみる 13)

Clemens Brentano, Abendständchen (1802)

ほら また悲しげに笛が鳴っている
冷たい噴水もざわめいている。
金色の音たちが降りてくる
しずかに! 耳を澄ませよう。

つつましい願い 穏やかな望みが
世にも甘やかに心に語りかける。
わたしを包む夜のかなたから
音たちの光がわたしを見つめる。

Hör', es klagt die Flöte wieder,
Un

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小島烏水と自然主義文学、柳田国男、田山花袋

日清・日露戦争勝利から、世界大恐慌までの短い期間でしたが、帝国主義の強国として欧米列強に肩を並べ一等国になった、と日本人が勘違いした時代。

知識人においては個人主義や理想主義が意識され、若者の間では自由恋愛が流行しました。「大正ロマン(モダン)」時代の始まりです。

「山岳会」創立者小島烏水もこの時代に探検的、地理学的な記録を「紀行文学」として文芸雑誌に精力的に発表しました。

ロマン主義文学

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クイズ 当たった人には10万だよー。うそだよー。

本日は、大クイズ大会になります。

さて、クイズ。
冒頭の写真、我が家の二匹目のワンちゃん、ぽん子の主義主張はなんでしょうか?これがクイズとなります。

さ、はい、そこの貴方様、答えは?

えっとー、もしかしてルネサンス?

ルネサンスとは、あのダヴィンチとかミケランジェロが中心となった14世紀イタリアで始まった人間回復運動ですよね。申し訳ございません。ぽん子は人間ではございません。写真からはわか

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ドラクロワとユゴーと

1814年のナポレオン没落後、フランスは王政復古の時代に入る。
24年までをルイ18世が、30年までをシャルル10世が王位に就いた。

この復活したブルボン王朝は、まるでフランス革命など、なかったかのように、貴族や聖職者を優遇し、市民は不満を募らせた。
シャルル10世は国内の不満をそらすため、1830年にアルジェリアへの侵略を開始。それでも不満はおさまることなく、シャルル10世は自由主義者の多かっ

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スカラ座こぼれ話

オペラの殿堂といわれ、その名を世界に知られるミラノのスカラ座。

オーストリア・ハプスブルグ家のマリア・テレジ ア⼥帝の所望によって

建築家ジュゼッペ・ピエルマリ ー⼆がネオ・クラシック様式の

瀟洒な建物(それ以前のドゥカーレ劇場は⽕災によって1776年に崩壊)に

 完成させ、1778年こけら落としとしてアントニオ・サリエリの

『Europa riconosciuta/⾒出されたエウローパ

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アイヒェンドルフ「あこがれ」(ドイツ詩100選を訳してみる 9)

「月夜」(Mondnacht)に続いてアイヒェンドルフの詩の翻訳第2弾。想像の中のイタリアを歌っている詩だという。

Sehnsucht

Es schienen so golden die Sterne,
Am Fenster ich einsam stand
Und hörte aus weiter Ferne
Ein Posthorn im stillen Land.
Das Herz mi

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