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今日の気になる言葉123

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2020年5月の記事一覧

「入社1年目の教科書。」

が巣ごもり消費で好調と「日本経済新聞」本日朝刊。著者はライフネット生命創業者の岩瀬大輔氏で「マナー術はあるが心構えを書いた書はない」が発刊の動機だ。本は速読するな、2紙以上の新聞を紙で読め、とアナログ的発想も重視する。正確な敬語こそ学んでほしい。

「滋味あふれる味わいです。」

と某居酒屋探訪番組で渋谷・のんべえ横丁のある店の「田舎風パテ」をナレーションで紹介。開高健が「『得も言われぬ味』と物書きなら絶対に書くな」と指摘したのと同様で、この常套句だけでは何も伝わってこない。実感に基づき「滋味」の特長を説明してほしかった。

「ほんと暇で。」

と小籔千豊氏(先日の『TOKYO SPEAKEASY』)。「飯食うのが一大イベント」とも言うが、この言葉は“自粛で時間をもて余す”世の風潮に乗ったか。暇である事は人生の貧しさの証であり、生き延びるのに時を費やす人々の存在を知らぬ世間知らずでもある。

「#ミニシアターと私。」

で経営難のミニシアターへの応援コメントを募り基金への寄付を訴える運動がある。ニコラス・ローグ好きだった「私」は、ミニシアターの先駆け「シネマスクエアとうきゅう」で「ジェラシー」を観た。私が選んだ映画を今観ているという実感がミニシアターか、さらに。

流行ってるものは正しい。

としないと変化が激しい時代で生き残れないと箕輪厚介氏(先週の『TOKYO SPEAKEASY』)。YouTubeを胡散臭いと言った人々が自粛生活でその効果を見直す動きを指すようだが、流行りを拒否する選択が仮に正しいと言われてもだから選ぶのではない。

「我以外皆我師。」

を座右の銘に挙げた河村泰貴・(株)吉野家ホールディングス社長(先週の『日本経済新聞』朝刊)。アルバイトから社員になり3年間で6店舗の店長を務めて従業員との関係にストレスを感じた際にこの言葉で心が楽に。27歳で転職した私も当初は後輩に教えを乞うた。

「手紙を書く。」 「オンライン〇〇」ばかり喧伝されるが、今こそ手書きの出番ではないか。写真は昨秋、購入したオーダーTシャツに添えられていた一筆箋を撮影しておいたのだが、こんな一言でも心は温まる。封書でなくてもいい、私は週末、私と妻の父母に近況を記した絵葉書を送る。

どこで何が起こるか分からない。

と自身の巡り合わせを振り返った上原浩治氏(先日の『石橋、薪を焚べる』)。高校通算で6回1/3しか投げなかった控え投手が1年間の浪人生活中のトレーニングで大リーグも注目の成長を遂げる逸話は信じ難い。よく言われる「ピンチはチャンス」は現実に存在する。

「あの家の2階が邪魔になる。」

という黒澤明監督の撮影中の一言で担当者はその民家に交渉し2階を取り払って1日で撮影を済ませ、その家を建てた大工を呼び修復した(先日の『日本経済新聞』朝刊/春秋)。コラム子は「傑作ができる」という信頼感が可能にしたと語る。国民は首相を信頼できない。

Warm Blue Day.

とは東ちづる氏による世界自閉症啓発デーのPR活動(『生活と自治』5月号)。「不特定多数が集うとパニックを起こす」と心配されたが9年目でそんなトラブルは一度もないとか。個性を活かす意味の「まぜご飯のような社会」に共感しつつ、遠いなと思う昨今の有様。

「もの言わずこらえる。」

日本人の強さを、セーヌ川が見える書斎のあるパリから帰国した原田マハ氏は感じた(先日の『おはよう日本』)。入国審査場の無言の列に自らも並び、主張せぬ点を指摘される日本人の気質が非常時では強さになると。であれば卑怯な中傷はせず明日を見つめて堪えよう。

たらこはミディアムレアに限る。

と新宿の人気ストリッパー・マリリンが言う(『深夜食堂』第1話)。惚れた男の好物を真似するという設定だが、そんな女性には会った事がない。「今夜はコの字で」では先輩に酒場の愉しみを教えられるが、私もスコッチばかり頼んでいたのは亡き上司の導きがあった。

「他人の物差し。」

で自分の価値が決まると考えるグラビアアイドル・千鶴(大塚千弘)は、手羽先の唐揚げを食べる姿さえ男に見せない(『深夜食堂』2部4話)。だが神崎(柄本佑)の裏切りに目覚め「見つかりました私の物差し」と笑った。恋愛も仕事もその物差しができて本編開始だ。

不安になる人は生き延びる。 と中野信子氏( 今週の『GOOD NEIGHBORS』)。80年間の調査で、不安がある人の方がない人より長寿という結果が出た。しかも日本人は97%が不安傾向の遺伝子をもち他国より断然高い。森口博子氏が言う通り、あとは勇気さえあれば不安は武器に変わる。