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今日の気になる言葉123

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2020年8月の記事一覧

「乱心。」

なる題名の交換日記を小6当時の高樹のぶ子氏は先生と重ねた(昨日の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』)。意地悪や持ち物を壊されたりする度、心乱れる少女に先生は「よく耐えて頑張ったね」と返す。書く行為に作家魂の萌芽があったが題名も恐るべしだ。

「調和の幻想。」

の題でコレージュ・ド・フランスにて講演した杉本博司氏(先日の『日本経済新聞』朝刊)。自然との調和は崩れ、当初の理念から遠く儲け主義に陥った五輪は途上国で他国が支援し開催すべきと。誠に同感。世界の岐路は感染拡大の今ではなく遥か前であったと言いたい。

「物語爆弾。」

とは、生まれてから今まで見聞きした童話・小説・ドラマ・映画に感動したのと同様のパターンの作品に起爆する仕組みで井上荒野氏が示した(先月の『日本経済新聞』朝刊)。小説を書く際に筋書きをスルスル思いつくときはこの爆弾を疑えと助言。氏は全部捨てるとか。

「駆け込み傘。」

とは駆け込み乗車する際に傘先を閉まりかけのドアに差し込む行為(先日の『グッド!モーニング』)。「体に刺さるかと思った」とは乗客で当然危険だが、多くの人は傘の先を振り上げて歩き、濡れた傘を他人の服にあてる。人に優しくと言うならまず隣人に配慮すべき。

「願わぬ夢は、叶わない。」

そんな言葉を、大学入試前日に先生から送られたという投稿を紹介した先日の「SkyrocketCompany」。キットカットにこの言葉を書いた主がアトランタ五輪ウェイトリフティング代表というドラマ。自身がその言葉の実践者であるとは、何と心強いことか。

世の中は段々と厳しく激しい。

と聞けば日本の現状のようだが「魯山人味道」に収録の北大路魯山人、55年前後の随筆の一節だ。続けて「なにもかも押し流される」とあり、60年以上前、既に社会的ストレスを感じていたと分かる。ならば外食文化そのものが滅びようとする現在をどう憂えたろうか。

正直者は勝たにゃいけんのお。 高校野球の名門、広島の広陵高校で3年間、補欠だった後藤奨貴君が最終戦で本塁打を放った後、中井哲之監督はこう言い小さく拍手した(昨日の『S-PARK』)。日頃からチームを支える裏方を黙々とこなした彼の行動も併せて称賛したのだ。無名の球児の夏が行く。

脳は肉体のストレスを優先する。

だから肉体に負荷をかけると神経がそちらに向くので心のストレスが軽くなる、と言ったのは54歳のグラフィックデザイナー(先週の『ドキュメント72時間』)。苦手な得意先に出向く前にワークアウトするのはそれも理由らしい。私は散歩だけだが心がスッキリする。

小説は楽譜で読者が演奏家。

という恩師・宮原昭夫氏の言葉を紹介した村田沙耶香氏(今週の『INNOVATION WORLD ERA』)。音楽も「発表の瞬間から聴き手のもの」とよく言われる。確かに受け手の自由は奪えない。「賛否が分かれる小説がいい」も宮原氏だが、村田氏の作品もかな。

「自分ていうのは世界初。」

とマンボウやしろ氏(先日の『SkyrocketCompany』)。「代表作のラーメンを作りたい」という自営業のリスナー投稿に答え「自分は何者でどんな人間かをちゃんと追求できたらそれがオリジナル」と喝破。この男、しれっと金言を放つので油断できない。

「自由!」

米大統領選で民主党副大統領候補に指名されたカマラ・ハリスは幼い頃、泣きじゃくる自分に「何がほしいの?」と訊ねた母にこう叫んだ(先日の『日本経済新聞』朝刊)。彼女の起用で党が一枚岩になり前回の敗因を払拭するか。自由の共通の敵・中国の封じ込めに期待。

「ベラルーシの家庭料理。」

を提供する東京・麻布台の「ミンスクの台所」を紹介した「朝日新聞」先週夕刊。肉にも野菜を練り込むほど野菜豊富なメニューだが、大統領選の不正疑惑に抗議する市民を数千人も逮捕し拷問にかけるこの国の政治との乖離に憤る。市民と政治との乖離はどの国も同じか。

ひとりじゃないよプロジェクト
発起人の小島慶子氏は、一人親男性の半分の年収で5割が貧困に陥るシングルマザー家庭への支援を呼びかけた(今週の『ACROSS THE SKY』)。昨年の「ジェンダー・ギャップ指数」で日本は総合121位、性差別に起因する不祥事消えず男女平等よなぜ進まぬ。

「飯があれば世界は一つ。」 とタイ料理店でナムトックムー(ローストポークのサラダ)にジャスミンライスを注文した井之頭五郎(先日の『孤独のグルメ』Season8/6話)。どんな世界の料理であれ、ご飯があればおかずになる、という意味だが、そんな簡単に世界が一つになる物があれば。