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今日の気になる言葉123

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#個性

「ダルちゃん。」
は資生堂の季刊誌「花椿」ウェブ版で連載中のはるな檸檬氏作の漫画(先日の『日本経済新聞』朝刊)。ダルダル星人“ダルちゃんは“世の中のふつう” に合わせつつ他人に振り回されない自分を見出す。選択肢の多さに悩む20代女性に人気と言うが自分探しは廃れない。

「クロスドミナンス。」
とは動作によって利き手が変化する人(先日の『ONE MORNING』)。ハサミは右手だが箸は左手、鉛筆は右手で歯ブラシは左手というように左右どちらか利き手か分からず、何でも両手でできる両利きとも異なる。左利きを右利きに躾けられてなる場合もあるとか。

「世の中みんな一色化していく」
と東京の街の個性喪失を憂えた矢野誠一氏(先日の『日本経済新聞』朝刊)。東京に山の手と下町の鮮明な文化圏があった子供時代を振り返り世の中も東京も固有の情緒がなくなったと嘆く。私は、音もなく広がる精神の危機と味わいなき街の変貌は無縁でないと確信する。

前例がないと誰もやらない。
と冒険しない周囲を嘆く祖父江 慎氏(先日の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』)。「こういうのは今までない」と否定されるとか。挙句の果てに「普通にしてください」という指示に「大丈夫なんだろうか」と首を傾げる。ブックデザインの場でなぜと呆れる。

「みんなちがって、みんないい。」
で有名な金子みすゞの詩を掲げ、滅亡を防ぐため同じ種でも別々の個性が必要と説いた佐治晴夫・美宙天文台台長(『サルース』8月号)。他者を気にするなら新しい自分づくりに力を注げと語る。仏陀の言葉にある「自灯明・法灯明」は自分を拠り所に周囲と調和する事。

本気で多様性なんか考えていない。
と養老孟司氏(先日の『日本経済新聞』朝刊)。「一元化に向かっているから逆に個性や多様性だのと言う」と語るが、だからと言って多様化を肯定はしない。もちろん商品は多様化しているが、生き方は寄らば大樹の傾向に戻り、考え方は保守に収斂しているように思う。

「村上春樹が唯一先生と呼んだ。」 その人は河合隼雄氏(昨日の『yes!~明日への便り』)。臨床心理学の普及に努めた氏は現代人に「何かをしなければと思い過ぎている」と言い「人間は一人ひとり個性が違うのだから自由に(自分の)物語を作っていい」と説いた。自分らしくを、自分が認める、か。

「同じ教科書をみんなで読む。」
教育に中学生の坂口安吾は悩んだ(先日の『yes!~明日への便り』)。「一人ひとり違う」という安吾が主張した理由に驚くが「人と同じようにしたって人と同じになるだけだ」という卓見は現代にも通ずる。故郷の碑文の「ふるさとは語ることなし」に示された反骨。

周りにうまい人がいるおかげ。

と謙遜したヨシタケシンスケ氏と梅佳代氏(先日の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』)。順に「だから珍しい枠として見てもらえる」「うまいのはうまい人にどうぞ」と口を揃えるが、王道ではない作法に個性を見出したからこその存在価値。それこそ憧れだ。

Warm Blue Day.

とは東ちづる氏による世界自閉症啓発デーのPR活動(『生活と自治』5月号)。「不特定多数が集うとパニックを起こす」と心配されたが9年目でそんなトラブルは一度もないとか。個性を活かす意味の「まぜご飯のような社会」に共感しつつ、遠いなと思う昨今の有様。

「自分ていうのは世界初。」

とマンボウやしろ氏(先日の『SkyrocketCompany』)。「代表作のラーメンを作りたい」という自営業のリスナー投稿に答え「自分は何者でどんな人間かをちゃんと追求できたらそれがオリジナル」と喝破。この男、しれっと金言を放つので油断できない。

白い紙に最初に色を塗る人。

春に先生になる視聴者に向け彼は教職をこう定義した(『2021新春生放送! 年の初めはさだまさし』)。これに「一度塗られた色に違う色を塗る人」と付け加えたい。小学4年の私は「そのままで」という転校時の高田美紀子先生の一言で成績が上がり足も速くなった。

人生で今が一番ストレスがない

と言ったのは“ひとり出版社”つまり一人で版元となるスタイルで出版業を営む百万年書房の北尾修一氏 (先日の『日本経済新聞』朝刊)。出版不況のなかでも増加中の業態らしいが、「自分で全て決められる」ものの「売れなければつぶれる」真剣勝負に挑む姿勢に敬服。