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漂流する機嫌

多分僕は機嫌の安定が苦手だ。少し大きな声を出して「イヤー!あーーっ!!」とびびったり、嫌なときは「えー!!いややいやや!!無理無理無理!!」と子供が駄々をこねるように声を荒げたくなる。だから普段は心をシャットアウトして何も感じないようにしている。だけど体はしっかり感じ取っているので後から猛烈なしんどさがやってくる。また鈍感でいることをを続けすぎて自分の本心まで分からなくなった。敏感でいても鈍感でいても辛い。せめて自分が安心できる場所では敏感でいたいのだ。また、この気持ちをどうやって身近な人に伝えれば良いのか分からない。ああ苦しい。なんか変なことがしたい。今喫茶店にいるのだがいっそ変顔しながら店を出て家に帰ったら楽だろうか。会計の時に店員はどんな反応をするんだろうか。怖すぎてスルーするだろうか。向こうがびびって会計が滅茶苦茶早く終わったらおもろいな。でも変顔しながら家まで帰ったら顔がつりそう。だったら白目の方が現実的か。いや前見えへんやないかい。そもそも白目上手くないって妹に言われた気が…。いや、自分のために白目向くねん。せやろ!?白目は誰かのために向くんちゃうねん、自分のために向くねん。人の数だけ白目はあるねん。てか白目って字ばっかみてると気持ち悪なるな。白目ってほんまに"しろめ"って読むんか?なんか違う字に見えてきた。

っとここまで書くと気分の熱が急にフェードアウトしていく。なんか気持ちが良いというか清々しい気分になった気がする。少しだけ。こんな自分を受け入れてくれる人はいるのだろうかと、少しセンセーショナルな気持ちが浮かび上がりそうなところでとなりの席から漂ってきたピザの匂いに書き消された。

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