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韓国Samsungのグローバル戦略が日本と違いすぎる

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:
サムソンのすぐれた戦略性、チップ製造の現状、企業投資ポートフォリオ論。国家と経済の関係についての考察。日韓論。

どこかおかしい日本企業の国際マーケティング

僕らはもういい加減、韓国を下に見るような考えはやめるべきだと思うんですよ。

今日これから、サムソンの戦略について話しますが、日本にはサムソンのような文字通りワールドワイドなコングロマリット(複合企業)は存在しない。日本企業は、サムソンに比べると世界の競争に勝つんだという気概も戦略もまるでない、そう思います。

韓国企業は、日本企業に比べてグローバルなマーケティングがうまい、とは言われていました。

例えば、みなさんが最近ヨーロッパに行ったならば気がついたでしょう。ホテルのテレビはほぼ全部LG電子製です。

シャープやソニーのほうがはるかに品質がいい、トリニトロンやら液晶やらで。しかし、テレビに必要以上にきれいに見えるなどという付加価値はそもそもいらない。8Kって・・・

国内ならともなく、海外でのマーケティングにおいて、ターゲット客が何を欲しているかの本質さえ外しているのが日本企業なのです。

それは僕は「品質信仰」が強すぎるせいだと思うんです。客のニーズは常に変化します。そこを捉えてない。

サムソンは、逆にそこをすごく意識しています。そして、グループ企業全体で相乗効果を高めるということを常に考えています。

The Wall Street Journal2021年8月25日号は、サムソンが半導体増産に乗り出したことに触れ、同社の戦略について報じています。例によって以下ポイントをまとめます。

チップ製造だけじゃない、世界で勝つサムソンの企業戦略

1.サムソングループの最強、つまり最も収益を上げている企業はサムソン・エレクトロニクス(Samsung Electronics)で、世界最大のメモリーチップメーカーにしてグローバルな半導体(チップ)メーカーのメインプレイヤーである。

2.サムソンは800億ドルのキャッシュフローで、Samson Electronics Co.を拡大しテキサス、アリゾナ、ニューヨークに工場を建設する

3.チップ製造は現在台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturingがリーダー。インテルも再びこの分野に参戦。サムソンもガチンコ勝負をかける

4.サムソン傘下のサムソン・バイオロジクス(Samsung Biologics)はモデルナのコロナワクチン数億回分に対するフィル・アンド・フィニッシュ(充填および最終製剤化)契約を締結した。

5.バイオ後続薬品ビジネスも強化する。この分野はサムソン・バイオエピス(Samsung Bioepis)が行う

6.サムソンはM&Aも強化する。目的はテクノロジーの強化と業界一位へのこだわり

7.サムソンが今度投資を強化する業種は以下。AI、5Gネットワーク、自動車テクノロジー。

8.サムソンはバッテリー分野にも近く進出。

分析:国家あげてサムソンを応援しているんじゃ?

サムソンは各事業への投資割り振りの詳細については明らかにしていませんが、とにかく、世界がいま、これから本当に必要としているものをターゲットにして創る能力を持っている。それも競争に勝てる準備をして戦いに臨んでいるというところが、日本企業にないすごいところ、つまり戦略性です。

読者の皆様も、韓国歌謡、K―Popの躍進についてはご存知ですよね、その理由は国家がエンタテイメントを国家プロジェクトとして支援しているからです。

韓国は、人口5000万の小国が生きるには真のグローバル化しかない、との国家的覚悟があるし、人々の競争意識も日本より遥かに高いですよね。個人的にはあのグループは好きじゃないですが、日本語を覚える必死さに彼ら、彼女らのグローバルで競争する、という意識が見えますね。

国家経済戦略はどこへ行った
ワクチンの国内製造がなくて、僕ら困ったわけじゃないですか。チップも同じですよね。いま、チップ不足で日本が何が困っているかって言えば、コロナの酸素吸入器が造れないことです。

食料自給率もひどいことになっていますよね。世界の食料危機が来たらどうするつもりなのか。

日本って、政府と企業との連携がゼロですよね。

経済の為に罪人を仮釈放する国

サムソンは、グループの李在鎔(イ・ジェヨンが前韓国大統領への贈賄罪で有罪判決を受け1月から服役していたが、8月13日仮釈放されました。その理由が「経済的要因」だと言うのです。(The Wall Street Journal2021年8月25日号)国家も経済を利すれば罪人も釈放するのかも知れません。

なぜ韓国みたいに、罪人を釈放してでも国の経済をなんとかしようという、根性がないのか。危機意識がたりなさすぎますよ、日本は。縦割り行政とか言うけれど、役人と政治家が自分の保身しか考えてないだけでしょ。

この記事を見てくださっている皆さん、衆院選に立候補してくださいよ。

なんとか今日は記事を造れたようです。

サムソンのように、読者のニーズのあるものを作っていかないと(笑)

コロナには皆様くれぐれもお気をつけ下さい。

                          野呂 一郎

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