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日銀はなぜFRBと協議をしないのか。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:日銀がいくら金融緩和をやっても、国際情勢を考えないと独り相撲になるという警告。FRBに文句も言えず、交渉もできない、政府、日銀の政治外交力のなさを嘆く。日銀は金融緩和の他にやるべきことがあるだろ、という疑問。

アベノミクスは無意味だった

日銀・黒田総裁が勇退です。10年もお勤めになって、ごくろうさまでした。

「やったことに後悔はない」とおっしゃるのは、わかります。

金融緩和を自画自賛https://qr.quel.jp/pv.php?b=43znpNU  

誰だって花道は、自分をほめてやりたい気持ちが勝るものです。

黒田さんはアベノミクスを守ったわけですよね、いわゆる金融緩和で長期金利をほぼゼロにして、市場をお金でじゃぶじゃぶにすれば、経済活動が上向く、というスタンス理論を守り続けたわけです。

しかし、”日銀経済学”は、はたして正しかったのでしょうか。

いいえ。

金利を安くすれば、企業が金を借りて、個人が住宅ローンを使ってお家を建て、金利が安いから貯金せずに支出に回し、結果景気が良くなる、なんてリクツは嘘だったんです。

理論的にはそうでも、現実は違いました、そうなりませんでした。

金利なんか関係なく、企業はお金があっても成長分野がないから、お金を借りて投資なんかしませんでした。

庶民は住宅を建てませんでした、タンス預金は増えたけど、支出は増えませんでした。

広義では、日銀は物価や生活の安定に寄与し、そういう環境を整えるのが仕事です。

だから根本的な、日本のしくみを変えて、需要を喚起する政策を取るべきでした。

例えば各省庁が無理やり使っている予算を、余ったらファンドとして運営し、教育の機会均等に役立てるとか、新テクノロジーの研究は申請しただけで1億円補助するとか。

もちろん政治にも責任があります。なぜアメリカのようにITと半導体を今後の戦略的基幹分野ととらえ、国家戦略と位置づける決定力がないのか。

少子高齢化もそうですが、まず戦略を建てて、目標を設置し、その進捗状況と国民に報告するという、透明性のある計画がゼロですよね。

国際的な行動力が足りない日銀

日銀って、世界の動き、とりわけアメリカの動きに無頓着なんですかね。

FRB(米連邦準備委員会)が急激に金利を上げれば、円がドルに流れることくらいわかっているはずです。

アメリカの金利が上がれば、円を売り、ドル買いの流れが加速し、円安を招き、輸入品が高くなって、物価高騰するのは小学生でもわかります。

問題は、FRBと日銀の間のパイプがないことです。

僕が日銀総裁だったら、「金利を上げないでくれよな。日本のことも考えてくれよ。えっ4.4%に一気に上げるの?俺の首が飛ぶからよしてよ」みたいな人間関係、両銀行のコミュニケーションのパイプをまず作りますね。

えっ?実は隠れてやってる?

だめですよ、そういうのは歌舞伎の見得を切る如く、マスコミにアピールして、両者が笑顔で握手するような画をつくらないと。

そういう茶目っ気がアナウンス効果を生むということも、わからないんだよなあ、頭のいい、経済官僚は。

僕は経済って、理論じゃなくて、行動力だと思うんですよ。

なぜならば、経済を動かすのは政治だから、です。

政治って人間関係のことだから、いくらでも割って入って、それに影響を与えることができる。そうしたら、経済だって変わるんです。

経済とは行動力のこと

前のブログでも話したけれど、今回のFRBの急激な金利上げって、アメリカ与党民主党の選挙戦略ですよ。

金利を上げれば、価値がなくなる米国債をたくさん持っているシリコンバレー銀行が潰れたり、各国通貨の下落が起こったりと、たくさんの副作用があるのはわかっている。

でも、とにかくいまインフレを消し止めないと、今度の大統領二期目の選挙勝てないんです、民主党は。

だからFRBに利上げをさせた。

岸田さんは、バイデンのところにすぐ飛ぶべきだったし、黒田さんは利上げの前にFRBに陳情すべきでした。

え?そんな慣行やルールはないから、ダメだ、って?

それが日本人のダメなところなんですよ。

英語ができるできないとかの問題じゃないんです。

話し合いをする、という姿勢があるかないか、という問題なのです。

僕らはなーんでも、忖度したり、気を回したり、して
外部からの圧力を唯唯諾諾と飲んでしまう国民性があります。

今日も授業で学生たちに言ったんだけれど、
「日本人は積極性がない」んだよなあ。

それは150年教育が変わっておらず、個人を大事にせず、発言をなるべくしないで、先生や教科書のいうことを素直に聞くべし、というやり方で
”洗脳”されてきたから、に他なりません。

チャットGPTが思いやられるよなあ。

ますます学生たちが、今度は先生じゃなくて、チャットGPTのいうことだけ聞くようになる。

積極性なんて、もう化石になるね。

さて、話を戻して

グローバル時代ってのは、政策を決めても無意味だってことです。

外国の影響一つで、アベノミクスなんか、結局実質粉々ですよ。

でも、経済学者たちって、変化ってものを、つまり外国の影響ってものを頭に入れてないから、ずっとそのまま押し通そうとする。

そうじゃなくて、海外からの圧力、変化を押し付けられそうになったら、
そこで物を言い、交渉しなくてはなりません。

官僚は前例主義だから、それはできない。

政治家がやらないと。

統一地方選だとか、再来年かなんかの衆院選の前哨戦の様子を見ていると、どの党も候補者も、グローバルな視野なんか持ち合わせてないですね。

コロナで戦争で、反グローバリゼーションだ、とかいう人がいますけれど、もはや時計の針は戻らないんです。

でも、日本は今だにグローバリゼーションでもなんでもないんですよ、少なくとも意識の点で、ね。

ああ、また愚痴ってしまった。

でも僕にも一つ考えがあります。

意識の高い政治家と、高度の専門性を持った官僚がタッグを組めば、日本は面白くなりますよ、経済は復活するよ。

馳浩知事と武藤敬司のタッグhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3KPmT6O

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。

野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー


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