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終演と卒業〜離婚生活と夫婦生活の終わりの日に〜

取り急ぎご報告。

2024年1月12日。ついに元妻・水流苑まちが逃亡生活をスタートさせ、5年ぶりとなる一人暮らしがはじまりました。

既に新しいパートナーがいる関係で、一人暮らし期間は大して長くないのですが、帰ってきて誰の気配もない3LDKというものはなかなかに孤独を噛み締めるのにいい機会だと思っています。

最終日となった今日、午前中に残置物で使わないものを車に乗せて清掃センターに運び込み、出発を祝うための最後の晩餐(という名のランチ)をつくり、引っ越しを手伝ってくれる人と共に彼女を見送りました。

早いもので、僕たちが夫婦終了宣言をしたのが一昨年の9月。約1ヶ月半の離婚生活を今日終えることになりました。

離婚生活に至る経緯など

思えば、僕たちの夫婦生活は全てが自分たちで作る物語のようなもので、自分たちの恋文をnoteを使って交換日記のように書くわ、結婚の概念から考えて手作り結婚式をするわ、なんだったら毎年結婚式を挙げ始めるわ、そのたびにプロポーズの言葉や結婚式の演出を考えるわ、喧嘩?という名のお互いのトラウマの解消の記録をnoteで書いてるわとかなり異質な夫婦生活を送っておりました


結婚式(1回目)

夫婦喧嘩?の中で生まれた記事の中の個人的なお気に入り記事

夫婦生活3年半、離婚生活1年半の5年間を共に過ごしてきました。

離婚会見や離婚noteでも書いた通り、彼女と結婚したことについて一切の後悔はなく、むしろここまで育ててくれたことへの感謝しかなく、最後に出発前にハグをしたときにも涙を流しながらそれを語っていました。

結婚をし、二人でいることを周りから祝福されて、共に過去のトラウマを乗り越えて成長できました。

今日という日を迎え、非常に美しく愛のある見送りができたので、良い物語を自分の思い出の中に刻めた気がしています。結婚、そして夫婦生活に離婚生活という人生を賭けた創作を満足のいく形で終わらせられたことが嬉しいです。

「追い出さなくちゃ…」

去年の彼女のタイ旅行以降、生活をおざなりにし、ひたすらにあそびまくる彼女を見て、これははやいとこ追い出さなければ彼女のお世話を一生続ける羽目になるなと思い、本格的に彼女を追い出そうと決心し、あまりやりたくないことをやってきました。

彼女を追い詰めることで家から出ていってもらおうと考えているために彼女に冷たい態度を取っている一方で、ここまで酷いことをされているのに、彼女を嫌いになりきれずにいました。

もう、嫌いでもないのに嫌い続けるのも疲れてきたなと思い始め、「もう普通に仲良くするか〜」と諦めた去年の8月。その直後に念願の新しいパートナーができたことによって状況がさらに一変。

いよいよ、僕たちの物語が次の段階に進み始めたようでした。

あいかわらず僕は彼女のことを愛していたので、自分の物語を進めつつ、彼女も助けられるような道を模索していましたが、あまりいい道が見つかりませんでした。もういっそ相手のパートナーとこっちのパートナーと四人で暮らしてみるか〜なんて言っていた時期もありました

テーマが決まる

一体、どうなってしまうのだろう?とか早く追い出さなきゃとかいろいろなプレッシャーに挟まれつつも、まずはちゃんと生きていくこと考えていかなきゃ!と思いながら仕事に打ち込んでいたところ、ついに彼女が「逃亡生活」というキーワードを発見したようです。

こちらはこちらで、離婚後はポリアモリーをやろうなんて言い出したりしていましたが、実際に新しいパートナーができてみて、「ポリアモリーをするほど恋愛に関心があるわけではない」ってことがわかったために、改めて「生きる!!!!」ってのをメインテーマに設定。

タイミングのズレはあったものの、それぞれが次の自分の物語のテーマを見つけ、そこに向かって歩み始める。

彼女の断捨離と出発準備は着々と進み、ついに年末に出発の期限を1月12日と設定されることになりました。

大晦日からの休戦と平和な日常と出発前夜

出発日程が決まって一安心したのか、最後の畳みかけとばかりのバチバチの戦闘モードを引っ込ませ、大晦日なのを良いことに、それまで押さえていた「仲良く楽しく日々を過ごしたい」を前面に出していきました。

そのため、2024年になってからの我が家は非常におだやかかつ平和そのもの。1/4からは18きっぷ遠足のために全国各地から子供たちが我が家に集まり翌日の朝に出発。18きっぷ遠足終了後には新しいパートナーさんの両親に顔を見せるべく四国に行っていました。(18きっぷ遠足の記事はまた今度書きます。)

そんな大冒険を終えての帰宅した翌日に出発なもんですから、前日の夜にあたる1/11の段階で全く彼女が出発することに実感がない。それは彼女も同じのようでした。

別れの気配

本格的にその気配を感じたのは出発の3時間前。清掃センターに残置物を出しに行き、彼女の荷物を運んでくれる人が予想よりもかなり早く我が家に来ることがわかってからでした。

ああ、いよいよ終わるんだ。そんなことを思いながら最後の食事を作り始める。

メニューはハローデイで買った輸入サグカレーの素を使ったチキンザグカレー。そして、ブリの幼魚であるツボスをつかった胡麻鯖風のツボス漬け。

時間があまりなかったので簡単なものではあったけれども、カレーは彼女を喜ばせようと思って去年の2月に買っていたもので、あの日からのわだかまりを解放するにはピッタリのメニューでした。

運んでくれる人が家に来て、その人にも食事を振舞ったのですが、その人が席を立ってどこかに行くたびにいよいよこの生活の終わりを感じ、涙ながらに優しいハグをしていました。

「これは卒業だ」

出発の前に御神酒の容器にいれたお湯を吉野杉のおちょこに注いで酒がわりにみんなで飲む

大好きだって言えなかった後悔はない。どんな状況だってそれを伝え続けていたから。愛してるって言葉も同じ。

あのときああすればよかったもない。なぜなら、あのときああしたおかげで、新しい道が開けたのだから。

悲しみもなく、怒りもない。この涙の正体は卒業式で流す涙のようなものだと考えた。

卒業式で泣いたことはなかった。しばらく会えなくなるだけだし、本当に仲がいい友達であればまた連絡を取って会えると思っていたからだ。

しかし、28歳の今日気づく。その涙はこれまで積み上げてきた日常が終わり、新しい生活が始まることへの涙だったと。

「こんなになっても、またこうやって心から愛しあえるなんて」
「これまでずっと愛していたし、これからもずっと愛してるよ」

彼女と話していたときに出てきた言葉。もう最後だから意地になる必要もない。思っていることを素直に口に出してしまえばいいだろう。

個人的には、何度も口に出していただけに、やっと気づいてくれたのかって思いで涙が止まらなかった。

しかし、これはあくまで卒業だ。

一緒に過ごすこと、一緒にいることで学べたこと、感じられたことを人生の糧に、新しいステージに進むための大事な儀式。


出発


朝、朝日が空を赤く染めるほどに雲が少なかったと思えば、突然の曇り空に雨模様。しかし、出発するときには嘘みたいに青空が広がっていた。

過去4回の結婚式を挙げた日のように祝福してくれるような空の下、ついに彼女は出発する。


これにて、キタマチの物語はおしまい。

これから寂しくなる。それがわかっているから、あとでウンと泣く。後悔のないようにしっかり泣く。


新しい日常を始めるためにいつものように水を汲みに宇陀の方に行く。

今日の空はなんとなく春の風が吹いているかのような暖かい色をした空だった。



P.S



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