縄polca2

性欲だけがいじめられているのはおかしい。〜SMのpolcaを立ててみてわかったこと〜

「北くん、ちょっと電話しない?」

「男性の抑圧された性欲を引き出すことについて興味をもってきたの!」

そうやって声をかけられた僕はあの日のことを思い出していた。

彼女を叩いたあの日。

どうにもこうにも、あの日はとても思い出深い日で、僕の中の押し殺していた何かが目を覚ました日でもあった。

そんな話をふとその相談者にしたときに、相談者である女性は何かキラキラした目でこちらをみていた。

新たなる性の境地に立ちたい彼女は、その野望を叶えるべく、和光にやってくるらしい。

そして、僕は彼女を縛ることになった。縛り方も知らないのに

緊縛をやるために何が必要なのか?

緊縛という言葉を知ったのはついこの間。

一緒に名古屋を旅した18歳の女の子にナナとカオルという漫画を紹介されたときだった。

青年向けの漫画だったけれども、彼女も僕もそれを「純愛だ」と思った。

お互いがお互いの、泥のように醜く、形にするのも躊躇ってしまうそれを形作るように縛る緊縛に心を奪われてしまったのだ。

言ってしまえば、少女漫画を見た少女が白馬の王子さまに憧れるように、ナナとカオルを見た僕はお互いの汚い欲を認めていくようなパートナーのような関係に恋をしてしまったのだ

今回、僕はSになる。ノブリスオブリージュの精神をもち、女奴隷がより女性としての魅力を高め、幸福感に包まれることを目指すご主人様を演じていくのだ。

いざ、polca!しかし、支援が集まらない!!

集まらない!!!!

ちなみに1日目で13ウォッチなので、まあまあ拡散されていた方だった。

なのに、支援が一つも来なかった。

ネタは面白がられているはずなのに....やっぱり入れにくいのだろうか....

そんなことを考えていたpolca初日。

僕はアヤノヤに足を運んでいた。

特に用事はなかったけれども、今治からやってきた和光の住民にアヤノヤを紹介したかったこともあって、来店。

テキトーにダラダラとお話ししていたとき、このpolcaの話題が出てきた。

「北くん、これもうちょっと面白くしようぜ!」

とアヤノヤの彩乃さんから。

彩乃さんは僕にクラウドファンディングの手取足取りを教えてくれた言わばクラウドファンディングの師匠のような人。アルコール度数60度の何かいろいろ焼けるお酒を飲んでいたため、なんだか朦朧としている中、彩乃さんからアドバイスを受ける。

・画像は縄の画像がいい。もう、キモいくらいに文字が埋め尽くされている方がいい

・とにかく、この縄じゃないと、僕が縛らないとダメなんだ!と言わんばかりの熱量のこもった文章を書こう

・リターンを徹底的に焦らしていこう

どうせ、このアドバイスも一晩寝たら忘れてしまう。

僕はおもむろにパソコンを取り出し、新しい画像と新しいpolcaを作ったのだ。

その結果、polcaはこうなった。

ある人に見せたら、狂気と言われた。

彩乃さんにみせたら画像が微妙に見切れていると言われた。

滑り出しは順調。

立ち上げたpolcaのウォッチ数はたった1、2時間ほどで以前のpolcaを超えていった。

なんと、1日目で25%を達成!しかも入れてくれた人が両方とも女性というのが笑える。

その後も色々な方からご支援があった。

なぜか高校生二人から支援されているし!!!いいのか...?いいのか...?

さらに、別のところでは「縄の人」として名が通ってしまっている謎。

たしかに.....。

アンチの到来。そして....。

伸びるウォッチ数、増える勇気ある投げ銭によって、このpolcaはあと二人で達成というところまできた。

しかし、ここで一つ事件が起こる。

通報...?

しかしながら、無邪気な僕には自分がやったことの何が悪質なのかがよくわからないので聞いてみる。

ちなみにどさくさに紛れてもう一人通報しているし!!!

めんどくさ!!!!

と思ったけれども、彼らが何を思って、これらを悪質だと思ったのかには興味があったので、きいてみる。

北:どの部分が悪質でしたか?
アンチ:文脈の中にある「元中学生」という表現が、まず不要だと思います。
北:そうですね。たしかに不要ですね。
しかし、それが悪質ということにはならないと考えますが、いかがでしょうか?もし、他に悪質であると思われる点があれば教えていただいてもよろしいでしょうか?
アンチ:個人の性的趣味に口出しはしませんが、若い女性に危害がありそうな表現は不快で悪質です。
北:私が縛るのは30歳の女性であって、18歳の女の子に関しては私に素晴らしいSMの漫画を教えてくれ、さらに緊縛の教室にも通っているような方です。さらに元中学生の方はパトロンになった&RTしてくださっただけで、私が緊縛されている写真を送る以外のことはしないのですが。どの女性にどのような危害が?
アンチ:彼女はまだ若く自分が消費されている事に気づいていないのです。それに付け込んでいるあなたは悪質で卑怯です。
北:具体的に、どのようなところに彼女が若さを消費している要素があって、どういった点で私が彼女の若さにつけこんでいるのかだけ教えていただいてもよろしいですか?

というところで会話は途切れた。

どうやら、Hカップ元中学生(現在高校生)永遠さんの取り上げ方に怒りを持っているらしい。

別に彼女は無知じゃないし、クラウドファンディングだって僕よりも集めているし、Twitterマーケティングもめちゃめちゃ詳しい上に、おそらく僕以上に悪い大人に対するリテラシーがあるから、僕ごときがつけ込めるはずがない。彼女とは実際に会って話したことがあることもあって、その覚悟を決めた表情は本物だと思ったからこそ、余計にそう思う。

にもかかわらず、彼女のことを無知とかいろいろ言っている。

ここの時点で、かなり腹が立っていたけれども、念のためさらに聞いてみることにした。

は....?

いや、面倒臭くなってRT&ミュートで逃げんなよ...!

そして、お前もか!!!!お前に関してはなんなんだよ!!!!!!

これはもう激オコである。

アンチの後に...

なんか無駄に傷ついてしまった後、携帯が震える。

それは炎上の大先輩・川ソムリエこと石垣くんだった。

そもそも、彼はツーブロック専門の無免許美容師として一世を風靡?していた

僕以上に日本語の通じない人たちとやりとりしてきただろうし、その炎上で得た経験値はきっととてつもないだろうから、このタイミングでの彼からの支援は本当に嬉しいことこの上ない!!!!

なんてことをつぶやいていたら

達成してしまった!!!!!!

もう、みんなには感謝しかない!!!!

polcaのコメント欄でもおめでとうの声が.....!!!

ああ....なんとうれしい...!

SMのためのPolcaを終えて。

人生で初めてアンチに絡まれてしまい、いろいろ思うことはあったけれども、やっぱりやってよかったなと思う。

とりあえず、僕にSMを教えてくれた女の子からOKはもらっていて、七月の上旬にレクチャーを受けることになった。

例のお姉さんを大阪で縛るか東京で縛るかはわからない。

今回のpolca達成にあたり、ふと2年前に書いた記事のことを思い出した。

これは僕が初めて自分で会場を借りて主催した「性」について語る哲学対話をやるきっかけになった文章だ。

ただ、やはり女子にとっては性に関わる話は極力話したくないでしょう。むしろ、話したいと思っても世間のせいでそれがNG!みたいになってしまっているから、ゲス話をするだけで犯罪者のような扱いを受けることを恐れているのかもしれません。男子にとっても、女子にどこまで通じるのかがわからないし、そもそも女子は知っているのかという不安もありますよね。(でも、だいたい知ってるんだよね)そもそも、女性経験に乏しい人にとっては女子との距離感がわからないことが多いです。そして、両性に共通し、下ネタを話す上での最大の不安は「ひかれないかどうか」でしょう。
実際に赤裸々に自分の性体験を語ってくれた女性はビッチと揶揄され、人間でないかの扱いを受けているのをたまに見ます。
男に関してもその気はなくても、レイプ魔のような扱いを受けてしまうこともあるでしょう。

世の中には実にピュアな男子たちが多く、自分が一度抱いてしまった恋心、もしかしたら性欲のようなものを恨んでしまって、相手との関係にギクシャクしてしまうのかもしれない。

そんな感じで、どこか性に開放的な人たちを何か恨んでしまって、他の人が性にかかわることを言えないような世の中になってしまっていないかと思ったときに書いた文章だった。

男だけでなく、女の子だってきっと性については無知じゃない。

むしろ、話したこともないような人たちを無知であると決めつけて世の中の「常識」と呼ばれるもので押さえ込み、自分が決めたわけでもない倫理によって人を裁くほうがよっぽど無知で罪深い。

一人一人が、自分の欲と向かい合い、それを肯定していけること。

そうやって、誰もがやりたいことを実現できるような世の中になっていくのではないか。

このpolcaの成功はかなり大きい。

きっと、世の中にはSMがしたいとかそんなことよりもよっぽど言い出しづらい夢や欲があるはずだ。

そして、SMであったとして、世の中にはこうやってお金を入れてまで応援をしてくれる人たちが存在している。

ここで支援してくれた人たちは本当に勇気のある人だと思ったし、「面白い」と思ったものにきちんと自分で価値をつけることができる非常に優れた価値観を持った人たちだ。

だからこそ、本当に今回支援してくれた人たちはとても素敵な人たちだと思う。

そして、何よりも本当に感謝している。

このきっと10年後に見たら恥ずかしく、だけどもやってよかったと思えるpolcaによって、より多くの人が自分のやりたいことで声を上げられるような世の中になればいいなと僕は思う。

このきっと10年後に見たら恥ずかしく、だけどもやってよかったと思えるpolcaによって、より多くの人が自分のやりたいことで声を上げられるような世の中になればいいなと僕は思う。

最後まで読んでくださってありがとうございました! サポートもらえると、テンション上がって更新ペースが上がるかもしれません。