見出し画像

月影とhappinesses

入試問題を通じて新たな視点に気付かされる、ということがある。

今年にはいって、高校入試の模試の問題から「へえ」と思ったことがふたつあったのでメモしておきます。

**
1.月影

国語の問題文から。
要約すると、
・「月影=つきかげ」というのは月の光のことを指す
・日本では光と影を同じもの、一体化したものとして捉えてきたフシがある。
・「輝く=かがやく」も「影=かげ」「陰る=かげる」という読みとのつながりがある。
というような内容でした。
へー。

画像1

エッシャーの描く白と黒の世界が好きで、
白い天使と黒い悪魔がもつれながら遠くで境目を失う絵に心が吸い込まれてしまう私としては、
光と影とが一体化してるというお話にはとても感銘を受けました。

画像2

陽の中に陰があり、陰の中に陽がある、みたいな、道教の太極図も思い出しながら。

転じると、物事の悪い面ばかりをみることも、良い面ばかりをみることも、どちらも本質ではない、
みたいなことも考えました。

**
2.happinesses

英語の問題文から。
引退したジジイが日々のルーティンワーク(散歩や読書)に喜びを見出すお話で、
要約すると、
・ルーティンは退屈なものだと思われがちだが、私は楽しんでいる。
・ちいさなことの中に発見があり、喜びがある
・そういうちいさな喜びをたくさんあつめることが、本当の「しあわせ」ではないだろうか
というようなお話。
最初はジジイの朝起きてから寝るまでの平凡な日常を紹介するようなお話で、
つまんねー、と思いながら読んでたのですが、
だんだんと「しあわせ」とはなにか?というお話となり、
一般にはしあわせとは、ビッグなゴールへと至ること、というイメージがあるが、
実はスモールなハピネスの積み重ねがしあわせの本質ではないか、というところにはとても共感した。

人はしあわせか、ふしあわせか、
という二択じゃないってことやね。

ほんで、このジジイ曰く、
「英語ではhappinessは不可算名詞(数えられないもの)だが、私は違うと思う」
「私にとってしあわせとは日々の小さなハピネスを集めた"happinesses"なのだ」
ということだそうで。

英語がしあわせを個数でカウントしないものと扱っているのは、言われてみればそうで。
へー、なるほどねえ。
と思いました。

人を好きになるのも似てるような気がしていて、
ビッグななにか一つでズシンと好きになるというよりは
ちいさな「この人いいなあ」という気分の積み重ねが、いつの間にかその人に恋していることになっているのではないか、
などと思う次第です。

サザンの『栞のテーマ』の歌い出しは

彼女が髪を指で 分けただけ それがしびれる仕草

でして、
そういうことだろ、ジャン
と、どぶろっく風に思うわけであります。

[2020.02.12 facebookから]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?