「感動をありがとう」
膳所高校ラグビー部との出会いは2年前
湖畔をサイクリングしていたら、ラグビーボールを横において自重のスクワットをしてる高校生を見つけて話しかけたのがきっかけ
当時はちょうどコロナが流行り出した頃で全体練習ができない状況だった
あれから2年。
今年の秋季大会5日前、練習へ行ったときグラウンドにいたのはたったの7名、部員の約半数がコロナに感染していた
2年前も現在も最大の敵は、花園常連校でも、フィジカルが強い外国人留学生でも、足が速くて止められない高校日本代表候補でもなく、見えないウイルスだ。
そんな中でも時は待つことなく過ぎ迎えた秋季大会
部員の半数が病み上がりのなか1回戦を戦い完勝
そして迎えた今日の準決勝。
結果は10-71で完敗
だけど、ずっとトライが取れなかった相手に
大きな大きな価値のある“1トライ”をもぎ取った。
苦しいチーム状況の中、もぎ取った1トライ。
母校ではないのに目頭が熱くなった。
彼らのユニホームには【What are we playing rugby for?】という文字が刻まれている。これはラグビーをプレーする中で、きっかけもさまざまであるように、モチベーションもさまざまで良いのではないかという意味が込められているらしい。ただ、その先にはチームを思う気持ちは全員同じだ、チームのためにチームメイトのためにプレーする、という共通の想いも込められているのだとか。
彼らは全国有数の進学校に通いながら、汚くて臭くて女からも大してモテないラグビーをしている。全体練習が終わったあとも、ほとんどの部員が自主練習をしてから帰る。勉強が青春と話すキャプテンは、自主練習を終えると着替えて、参考書を開きながら帰る。
彼らのその真面目さは試合にも顕著に現れていた。今日の試合を観ていてもディシプリンの部分が徹底されていて、無駄なプレーがひとつもなかった。
ディシプリンを徹底できるのは「集中力」と「メンタル」が強いからだと思う。ここでいうメンタルとは負けん気の強さのような感情的なものではなく、どんな時でも高い集中力を保ち、作戦を遂行できるメンタルの強さである。
それが彼らの最大の武器だと感じた。
正直、技術では相手の方が何倍も上回っていた。だけど、作戦を遂行するためのメンタルだけでは負けていなかった。今日の1トライもメンタルの強さで取れたものだと僕は確信している。
ラストミーティングのとき、監督は「トライを取れたことはもちろんだけど、それ以上に試合ができたことが本当によかった」と涙を浮かべながら話していた。
本当にその通りだ。彼らは秋季大会5日前に部員の半数がコロナに感染していたのだ。棄権でもおかしくない状況で新たな感染者が出ることなく、感染した部員も大会1、2日前に戻ってきて、1回戦を勝ち抜き、新チームになって以降トライを取ったことなかった相手からトライをもぎとったのだ。
彼らの顔を覗くと充実した表情を浮かべていた。きっと、部員一人ひとりがラグビーを通じてそれぞれの目的を果たせたのだろう。
部員のひとりが「前言ってた子いるじゃないですか。今日スタンドに応援きてるんですよ。」と嬉しそうに話してくれた。
ラグビーにも、勉強にも、そして恋愛にも真面目で実直な彼らの協力をこれからもしていきたい。
【What are we playing rugby for?】彼のモチベーションは、スタンドで応援してくれていた女の子なのかもしれない。
恋が実りますように。
〈追伸〉
北の桃太郎は今回、カメラマンとして彼らの活躍を写真や動画に収めた。撮った動画は部の公式Instagram、公式サイトに載せていただき、部員にも喜んでもらえた。もしよかったら、下記のリンクから彼らのトライを観てください!!
感動をありがとう
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