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有機牛乳や有機ヨーグルトの「有機」とは?

こんにちは。ノースプレインファームの広報関連を担当している松本です。

ノースプレインファームの馬「秋悠(しゅうゆう)」です

先月、久しぶりにノースプレインファームとして催事に出店しました。こちらの催事は年に1回、帯広と札幌で行われます。

札幌の丸井今井で毎年1月に開催される「ミルク&ナチュラルチーズフェア」

ブースとして出店するのは札幌のみでしたが、直接お客さまとお話しができる貴重な場として、私たちも大切にしている催事の一つです。

今年は色々な事情があり、ご提供できるチーズの数が少なくご不便をおかけしたのですが、その代わりに、チーズ以外の商品をご説明する機会も沢山いただけました。

その中で、商品名にもある有機牛乳や有機ヨーグルトの「有機」とはどういう意味ですか?

と、いうお声をいくつかいただきましたので、今回は乳製品の「有機」についてお話しします。


そもそも有機とは?

有機って何となく聞く言葉だけどどういう意味?
体によさそうな感じがするけど…。

催事などで初めて私たちの商品を知ったお客さまから、そうしたお声をよくいただいております。

日本では、食品に「有機」や「オーガニック」と表示するには、一定のルールがあります。

言葉そのものの意味としては、使う時や場所、物などによって変わりますので、ここでは有機認証制度でのお話になりますが、「有機」を商品名やパッケージに使用するには下記の条件が必要です。

  1. 有機農法で栽培された農産物、畜産物などであることが認証されたもの

  2. 有機JASの認証を受けた場所で加工、小分けされた有機製品であること

認証は、有機食品のJAS(日本農林規格)に適合した生産が行われていることの検査を国に登録された認証機関が行います。その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。

この「有機JASマーク」がない農産物、畜産物及び加工食品に「有機」、「オーガニック」などの表示をすることは法律で禁止されています。

「有機農業」とは、法律での定義は次のとおりです。

  1. 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない

  2. 遺伝子組換え技術を利用しない

  3. 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する

これらの方法を用いて行われる農業です。

「有機農産物」は、有機栽培された野菜や果物です。国の有機JAS規格を満たした、有機JASマークが付いた野菜です。スーパーで見かけたことのある方もいらっしゃると思います。

有機JASマークが付いてる玉ねぎ

「有機農産物」は、基本的に私たちが食べる食品です。

ノースプレインファームの牛たちが食べている牧草などは「有機飼料」ですが、有機農業で栽培されたものです。私たちの牧場では、化学的に合成された農薬や肥料は使用せず、牛の糞尿はすべて肥料にして牧草地に戻しています。

牧草は堆肥で育てます

有機飼料や、規格基準で許された条件で育てた牛から搾った生乳は、「有機畜産物」として認証されます。
有機畜産物である有機生乳を自社の有機JAS認証工場で加工し、有機牛乳、有機ヨーグルトなどができます。この、加工されたものを「有機加工食品」と呼びます。

有機畜産物の認証とは?

私たちが有機牛乳、有機ヨーグルトで使用してる原料の生乳は、その生産工程の検査を受けて「有機畜産物」として認証を受けています。

有機畜産物とは、肉、卵、乳などの生産を、できるかぎり自然に近い方法で生産される食品のことです。その目的は、農業の自然循環機能の維持増進を図ること。

その方法 は、

  1.  環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を給与することを基本とする

  2.  動物用医薬品の使用を避けることを基本とする。

  3.  動物の生理学的及び行動学的要求に配慮して飼養する。

ということ。あたりまえのようで、なかなか難しそうでしょう。

言葉だけだと曖昧で分かりにくいと思うのですが、下記のガイドラインが設けられています。

原則として有機飼料を摂取。遺伝子組み換えや遺伝子操作された飼料の使用も制限。また、抗生物質や成長促進剤の使用も規制され、動物たちにとって過ごしやすい飼育環境も重視。

牛たちが過ごしすい環境であることも大切

牛の場合、一般的に使用が認められている動物用医薬品も、有機畜産物の認証を受けている場合は、治療の目的以外は安易に使用することができません。

有機の飼料がないと、有機畜産物の生産ができず、有機畜産物である生乳の生産ができてようやく、有機の乳製品が作れます。

ノースプレインファームでは、当初3つの有機JAS認証を取得しました。その後、有機飼料が有機畜産物に含まれるようになりましたので、今は2つの認証があります。

1.有機畜産物(有機飼料を含む)
…自社の畑で有機の牧草やコーンの栽培
 それらを与えて育てた牛から搾ったミルク(生乳)

2.有機加工食品
…自社の工場で作った牛乳、チーズ、バター、ヨーグルトなど

牧場の有機認証の取得が国の政策もあり増えてきましたが、2013年の取得時ではまだ全国でも少ない事例でした。

最初から有機を目指したのでなく
結果的に有機に

これまで少し難しい有機の話をしておいてなんですが、私たちは初めから有機商品を作りたかったのではなく、結果的に有機にたどり着いたという流れがあります。

先日のつららさんの記事でもお伝えした通り、私たちには「自然にも、自分たちの心にも誠実にものを作りたい」という想いがあります。

また、大好きなおこっぺの土地や地域を大切にしたい。

自然環境への負荷をできるだけ少なくしながら酪農を続け、この土地の自然体系を上手に利用した循環的な方法で酪農をしたいという意思があります。

その想いと意思を、どのように形にしていったらよいのか。自分たちで考え、試行錯誤し、たどり着いた先に「有機認証」という形がありました。
商品を直接お届けできれば、認証が無くても当社の取り組みの説明ができますが、直接お話ができない方に食べていただくには、有機に関しては認証があればそのマークが説明をしてくれます。

牛たちが無理なくのびのびとすごしていける環境づくりや、土壌に過度な負担をかけずに牛たちが食べる牧草を収穫していくということ。

そして、有機という認証を受けるためには、一定の(けっこう厳しい)基準をクリアする必要があります。その結果、皆さんに全てのものを包み隠さずお伝えし、お見せしていくという形ができ上がりました。

私たちは自然や自分たちの心だけではなく、皆さまにも誠実にお伝えしていきたいと思ってます。様々な商品があり、色々な選択肢があり、それが皆さまの生活を豊かにしていく。というのが私たちの考えです。

また、有機だから安全、おいしい、栄養がある、体にいいとは必ずしも言えません。有機認証はその育て方、作り方の規格基準で、味や成分を保証するものではありません。

ですから、大切なことは当社の製造理念にもある、

安全安心、おいしさ、ごまかさない。

これらをベースにして、「有機」という価値が加わればと考えています。
有機という言葉にはそのような想いがこめられています。

おこっぺ有機牛乳
おこっぺ有機ヨーグルト
ナチュラルチーズ【有機JAS認証】
オホーツクおこっぺ有機醗酵バター 有塩
オホーツクおこっぺ有機醗酵バター 食塩不使用

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