センスとは才能ではない プリンシパルだ

突然ですが、デザインのセンスって何でしょう。「センスに自信がありますか?」と誰かに訊ねてみると「いやいや~」と、大抵自信なさげな返事が返ってきます。そこから感じるのは、まるでセンスは神から与えられた才能で、自分には関係ない、という感覚です。かつては僕もそう思っていました。しかし断言します。センスは才能ではなく、少しの気づきで練習できるものです。

ここでセンスがないおじさんを想像してみてください。だぼだぼのワイシャツからタンクトップが透けている銀行員の鈴木さん(仮)。鈴木さんから「どうしてもセンスが良くなりたい」と僕が頼まれたらどうするかをお話ししましょう。

まず最初に、なりたいイメージを共有します。「仕事ができる感じを出したい」とか「モテたい」とか、彼の話をじっくり聞きます。イメージを共有できたら、次にこんな提案をするでしょう。「想像してください。ロンドンの金融街シティに勤めるジョン(仮)。ジョンは銀行史上最年少で副頭取になった、オシャレで身の振る舞いも洗練されているナイスガイです。親切で男女問わず頼りにされ、当然モテる。どうですか?」いかにも実在しそうですね。もしジョンのイメージに鈴木さんが共感できるようであれば、次にこう伝えます。「では、明日からジョンが選ばない持ちものや服を全て捨て、ジョンが身に着けそうなものだけで身を固めてください」

大変です。鈴木さんはほぼ全ての服を捨てることになるでしょう。しかしそれを徹底できれば、あっという間にセンスが良いと思われるでしょう。彼がセンスを身に着けるために必要だったのは才能ではなく、ジョンという守るべきプリンシパル(規範)に気づくことと、それを徹底する努力だけです。

規範を守ることは大変です。世の中はジョンが選ばないものばかりなのですから。そんなノイズの中で安易な選択に流されず、定めたプリンシパルを徹底する美意識。これがセンスの正体であり、デザインブランディングの本質でもあります。

Photo :+B(2015)
横浜DeNAベイスターズによる横浜スタジアム内のショップ。
昔からの野球ファンだけでなく、多くの人に野球に振り向いてもらうため、生活に少し野球の要素を入れるライフスタイルのブランディング。
Client : 株式会社横浜DeNAベイスターズ

https://bit.ly/2Fcihat

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NOSIGNER

social design for evolution\1ソーシャルデザイン。デザインで社会変革をどんどん実験して、もうちょいマシな未来にしたい。\2進化思考。生物進化のプロセスから発想する方法を伝えて、村に1人(1/2000人)は社会を進化させる変革者になってる状況を作りたい。

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