#4 セレナーデ号と夏の海の夢
夏の機運高まる7月下旬、
スウェーデンのストックホルムからフィンランドのヘルシンキまで向かうのに、巨大客船セレナーデ号に乗船した。
出発時刻ぎりぎりに乗り込むとそこは1つの巨大立体都市のようだった。
ゲートをくぐると空を仰ぐ吹抜のロビーがある。
下層は店舗になっていて、ムーミンのマグカップやぬいぐるみが売られている土産屋、カフェやカジノもある。
上層には客室の窓が立ち並び、楽し気な子どもが貼りついている。
デッキに出ると船は知らぬ間に出発していた。
岸は近付いては離れてい