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「商品メッセージ」は状況を3つに分けて考える 〈その3〉

今回は、「商品メッセージ」は状況を3つに分けて考える〈その3〉です。

3つの状況とは、
商品は知っているが、
①買いたいけど、買えない = I want but I can't
②買いたいけど、必要ない = I want but I don't need
③買いたいと思わない = I don't want

前回のコラムでは、①と②の理由を持つ方にどのようなメッセージが必要かを書きました。
今回は、③買いたいと思わない = I don't wantの方をどのように振り向かせるかという話です。

※いい商品であること、ターゲティングができていることを前提に話を進めています。そのことについては、以前のコラムでまとめています。
「いい商品の定義を見直す」
「ターゲットの定義を見直す」

「買いたいと思わない」理由はただ一つ。

「知っているけど、買いたいと思わない」理由は唯一つ。
それは「信用できないから」です。
この商品を買っても幸せにしてくれそうにない。
この商品を買っても美味しそうじゃない。
このサービスを受けても便利にならない。
ここのメーカー信用できない。
そう判断されているからです。

経済活動において、売上や利益はあくまで結果です。
購入するというお金の提供は信用の対価です。
時間を割くという時間の提供も信用の対価です。

あなたの商品やサービスに、お金と時間を費やすほどの信用があるかどうか。そこを判断されています。

信用してもらうためには、相手のメリットになることを伝える。

自分のことばかり話す人。
自慢話ばかりする人。
人の話を聞かない人。
自分の価値観ばかり押し付けてくる人。
自分のために嘘をついている人。
話を理解してもらおうとしない人。

こういう人って信用できませんよね。

これは商品メッセージにも当てはまります。
一度自社商品のメッセージを見返してみてください。

①商品自慢になっていませんか?

ここがすごい!、こんなにこだわってる!、●秒に●個売れている!などなど。
こういう広告、昔よくありました。自分のことを必死でアピールしてる感じです。こういう表現は、信用されません。
自分のことばかり、自慢話ばかりをいう人ですね。
相手のメリットになることを伝えることで、振り向いてくれやすくなります。

②主役が商品になっていませんか?

●肌をぷるぷるにする化粧水。
●土壌からこだわってつくった野菜のピクルス。
●スキルアップにつながるクラスです。
これらは一見信用を得そうですが、主役がお客さんでなく商品が主役です。
自分のことばかり話す人です。
ちょっと書き換えてみると、

●この化粧水なら肌をぷるぷるにしてくれる。
●ピクルスを家族みんなで楽しんでほしいから、土壌からこだわりました。
●このクラスならあなたのスキルアップにつながります。

ちょっとした書き方の違いですが、主役がお客さんになります。
こういう伝え方をするだけで、良さそうという信用度が上がります。
あくまで、あなたのためにつくった商品であることを伝える意識を持ちます。

③弱みをごまかしていないか?

 消費者が商品に対してネガティブに感じていることを、無視してはいけません。人の話を聞かない人になります。
 とてもわかりやすいのが、昔のキューサイの青汁のCM。
だいぶ古いので、知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、80年代当時の青汁は「まずい」「飲みにくい」というのが一般的でした。
当時青汁を売っていた多くの企業は栄養が豊富だ、国産だ、無農薬だと伝えていたのですが、味のことは触れないでいたんですね。
 
 そんなとき、キューサイのCMで青汁を飲んで「まずい!もう一杯!」と強面の俳優さんが言い放ちました。
 そこで「まずい!」と大きく言い放ったことで共感を得て、売上が飛躍的に伸びました。
 
 弱みをそのまま出すのは勇気がいることです。ただ、みんなが思っていることを認めることで、かえって共感を得ることもあるのです。
 
 また視点をずらす方法で、言い換えることはできます。カップヌードルに入っているキューブ状の肉。「謎肉」として売り出し、面白がられることで、共感を得ましたよね。ネガティブな部分に対して上手に視点を変えれば、それは武器になるのです。

④数字やグラフを重視しすぎていないか?

 商品メッセージに数字を入れると良いって言われていますが、よく吟味する必要があります。
人は比較ができない数字は、ピンとこないからです。
例えば「糖度10%のすいか」。書いているからきっと甘いんだろうけど、どれくらい甘いか分からないですよね。
 「食べたら口の周りがべたべたするほど甘いスイカ」としたら、「はちみつと同じ糖度のすいか」とされたら、「めっちゃ甘そう!」「食べてみたい!」となりやすいです。
他にも、商品によく30%増量と貼ってあるラベルなどを見ますが、正直どれくらいお得なのかわからないんです。リアルに感じられません。例えば1ヶ月で使い切る予定の化粧品なら「約10日間分増えました」と書かれた方が、お得感が増しますよね。

数字に頼らず、それがどのような状態なのか、どんなメリットがあるのかが伝わるように、噛み砕くことが大切です。
自分だけが理解するのではなく、相手が理解しやすいように話をすることも心がけたいものです。

まとめ
「商品は知っているけど、買いたいと思わない方」への商品メッセージで気をつけることは、
①商品自慢をしないこと
②主語を消費者に
③弱みを隠さないこと
④相手が理解しやすい言葉を使うこと

これらを気をつけるだけでも、ぐっと振り向いてくれる可能性が増しますよ。

 
 
 
 
 

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