ここが気になる王道トーナメント一回戦

王道トーナメントとは

王道トーナメントとは全日本プロレスにおいて例年夏から秋頃にかけて開催されており、春のチャンピオンカーニバル、年末の世界最強タッグ決定リーグ戦に並ぶ人気シリーズの1つである。

今年は他団体からの参加選手も多くチャンピオンカーニバルのようなお祭り感が非常に楽しく、そこでまずは一回戦における気になる組み合わせについて少し触れておきたい。

注目カード① 宮原健斗対TARU(8.7後楽園)

2022年7月18日の大阪大会で諏訪魔&TARU組に敗れた宮原健斗は彼らからVMへの加入を呼びかけられている。

宮原が2013年にVMから離脱した際には制裁もされずTARUからエールを送られており、前哨戦となった今回の大阪大会後にも「VMに生まれし者はVMに帰れ」という言葉を告げられている。

宮原の再加入に対するTARUの並々ならぬ意欲や想いが感じられ、ただでは済まない試合展開になりそうで期待感が膨らんでいる。

注目カード② 石川修司対サイラス(8.11名古屋)

ベイダーやビガロを思わせるルックスとスタイルのサイラスに大巨人石川が立ちはだかる。コロナ禍等により永らく全日本から失われていた大型外国人選手の参戦が少しずつ復活してきている事は団体にとっても非常に大きなプラスとなるだろう。7月18日の大阪大会で見せてくれた石川とサイラスのぶつかり合いを見る限り、トーナメント戦においてもシンプルで言葉の要らない迫力満点の戦いを魅せてくれる事だろう。

注目カード③ 青柳優馬対野村直矢(8.7後楽園)

現在抗争中の二人。全日本を退団した野村に青柳が団体へのカムバックを呼びかけた事がきっかけで二人の抗争が開始している。片方の退団によって二人のストーリーが再始動する中々稀有な例だろう。

野村直矢は相棒の渡瀬瑞基と共に全日本マットに侵攻し荒々しくも思い切りの良いファイトで注目を集めている。
シングルマッチでは大森北斗を、タッグマッチでは青柳亮生をマットに沈めており「標的は宮原とジェイク」とする旨を語っている。

勿論青柳優馬も野村直矢が在籍時に果たせなかったチャンピオンカーニバルの最年少覇者であり、2021年の12月に行われた野村との壮行試合では彼に勝利をしている。

一度離脱した結果再び全日本プロレスのトップ戦線に近付いている野村と、彼の存在も全日本プロレスに必要と言い放ち戦いの舞台を整えた青柳。二人のドラマが対立からどのように展開していくのかが非常に見どころである。

注目カード④永田裕志対ヨシタツ(8.11名古屋)

かつては世界タッグ王座やGAORATV王座を獲得したヨシタツ。自身の名を冠したヨシタツファンタジー等の必殺技を編み出し全日本プロレスで立ち位置とファイトスタイルを確立させてきた。

一方で自身のユニットであるヨシタツキングダムのメンバーをリング上に集めビンタをする姿はかつての猪木劇場のパロディのようであり、全日本のスローガンとして用いられる『王道』にわざわざ新日本の『ストロングスタイル』を組み合わせて掲げたりとどこか新日本プロレスに気持ちを引きずられている姿が散見された。

勿論古巣に対する拘りや愛着がある事は想像に難くない上に『元新日本所属』というキャラクター性によって全日本での立ち位置を確保しているのかもしれない。

しかしながら全日本プロレスの一員として戦いシングルとタッグの王座を奪取するまで躍進をしたからこそファンが彼に声援を送っているのもまた事実である。

ミスターIWGPと言われた永田裕志と対戦する事でヨシタツ自身がそろそろストロングスタイルの呪縛を振り払ってくれるかどうかに着目している。


まとめ

絶対的ベビーフェイスである『最高男』が悪に染まってしまうのか、宮原健斗対TARU。

これぞ全日本プロレスと呼べる大型選手同士の対決、石川修司対サイラス。

かつての相棒であり後輩と先輩であり互いの存在を必要としていながらもマットの上では向かい合う、青柳優馬対野村直矢。

ミスターIWGPを相手に新日本時代のパッションで立ち向かうのか、それとも全日本の門番としての戦いを見せてくれるのか、永田裕志対ヨシタツ。

一回戦からバラエティ豊かな組み合わせの多い今年の王道トーナメントも非常に楽しみである。

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