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"生命体(human)"という名に至るまで

絶対恋愛関係にならないファンタジーの領域という前提でいえば、天然で、可愛くて、スキルフルな男性が大好きだ。

小学生時代までは、普通に、クラスで一番目立ってやんちゃで足の速い男の子が好きだった。その嗜好を急旋回させたのが、何度でもいうがTHE YELLOW MONKEYのギタリスト・菊地英昭だ。
彼は可愛い。
笑ったときの八重歯がかわいい。
何を言っているかよくわからない舌足らずさで、「ちょっと何言ってるかわかんない」発言をするところが可愛い。
アヒル口が可愛い。
そして華奢であごのラインがとても綺麗だ。

吉井和哉というフロントマンの才能とカリスマ性、そして完全に女にだらしない青年期を過ごしていた(であろう、と一応書く)感じがTHE YELLOW MONKEYの中核を担っていることは百も承知の上で、正直アイドル的に菊地英昭を「推して」いた。
冒頭”絶対恋愛関係にならないファンタジーの領域”と書いたが、中学生時代は本気で彼と結婚したいと思っていたし、1日も早く東京の大学に進学して彼と出会わなければならない、と思っていた。何せ23歳も年齢差があるので。

無事東京の私大に進学したものの、そのころにはTHE YELLOW MONKEYも解散し、私の音楽的嗜好が変化したことや、現実に恋愛をする、ということを知ったので、もう菊地英昭を「推す」ことはなくなった。
とは言え彼は59歳の今でも可愛いが。

現実世界で、「天然で可愛い男性」というのは相当稀有な存在だと思う。少なくとも、私は遭遇したことはない。
推測に過ぎないけれど、「天然で可愛い男性」と「気が強くたくましい男性」だったら、圧倒的に後者の方が男社会で生きていきやすいと思う。そして私が恋愛市場にいた時代は、体感的に社会=男社会だった。
「天然で可愛い男性」は、マッチョイズムの中である程度擬態するか、性格改変するかしてたんじゃないか、と思う。単に私がそういう男性が居るコミュニティに居なかっただけかもしれないけど。

「天然で可愛い男性」に少し近い、「穏やかで容姿が中性的な男性」は結構出会ったし、そういう男性が好み、というところに落ち着きかけた。
が、上京してわかった。
地元に居る時とは違い、私は東京の中では相対的に顔がキツく濃い、という事実。
加えて見た目同様に性格もキツい。今でこそだいぶ丸くなった(と思ってる)が、大学時代は遅く来た反抗期なのか元々の性根が曲がっているのか知らないが、キツいというか性格が悪かった。
そして、「穏やかで容姿が中性的な男性」は、絶対そういう女を好きにはならないという事実。
追い込まれた私は「求ム!容姿も性格もキツい女が好きな男性(そちら様の性格・容姿は問いません)」という看板を掲げて恋愛市場を渡り歩いていた。
意外と、こういう女が好きなニッチな男性が一定数居た。

持論だが、どんな人間でも、必ず愛すべき点はある。そしてある程度の期間を共にすれば、互いの関係性というか世界が構築され、その中でそこそこ幸せに過ごすことができる。という訳で、「性格・容姿問わず」の看板を掲げたものの、お付き合いした方は皆チャーミングな部分が必ずあり、お互い幸せに過ごせた時期もあり、それぞれ理由あってお別れする、という非常に普通の、ありふれた恋愛をした。

ちなみにこの持論の例外が夫で、彼だけはもう完全に愛すべき点が異常値を叩き出していて、唯一無二である。全く憚ることなく、夫が大好きであるということは常に主張していきたい。初デートでオードリーANN4時間流す男、ラブリーすぎ。

そして時は一気に10年ほど流れる。
私たち夫婦は平日は全くテレビを観ず、週末だけTVerで「あちこちオードリー」「ゴッドタン」だけを観る、という生活をここ3年ぐらい過ごしている。要は、TVプロデューサーの佐久間宣行氏のファンだということだ。
そういうTVライフの中に、スポット的に加わった番組があった。
これも佐久間宣行氏が手掛けた12話限定番組「黄金の定食」だ。
「黄金の定食」は、シソンヌの長谷川氏と某かんさい男子のOハシ君が、定食屋でひたすらメニューに迷い、最後に決断した定食を食べるという、ただそれだけの番組である。
これがやたら面白かった。
魅力的なメニューの数々、1週間かけてその店の全メニューを食べた番組スタッフによるプレゼン、常連さんのお気に入りメニューと、畳みかけるように2人を惑わす。コロコロ変わる2人の判断と、最後の「苦渋の決断」という表情。
供される定食にがっつく2人の幸せそうな表情。
メニューに悩む、という行為をここまで面白いエンターテイメントに仕立て上げる佐久間氏の辣腕は素晴らしかった。

この番組を観るまで、私はほぼOハシ君の存在を認知していなかった。し、番組開始以降数回は、彼はなかなかに緊張していて、「分かります!」「そうなんですよね~」を多用していた。しかし、徐々に番組内での立ち位置や求められていることを掴んでいき、目に見えてイキイキしていった。
そして、第10話。彼が思い出深いパンチラインを放った。

お店のメニューを見ながら「これ、”お線香”ってありますよ」

お新香(おしんこ) ですね。
内心(えっえっ薄々気づいてたけどこの子天然じゃん!?)と沸いた。
それだけではなかった。

「『いわ~フライ』って何ですか?」

縦書きにした、「いわしフライ」(フォント的に、”し”が”~”に見えなくはないが…)ですね。
興奮が止まらなかった。ついにやってくれた。Oハシくんが尻尾出しおった、と。
番組を観た後、急激にOハシ君への興味が高まった私は、当時の最新シングル「初心L〇VE」のMVを観た。そして愕然とした。

やばい、こいつスキルメンだ

こいつって言ってゴメンね。でも、どう見ても歌もダンスもグループ内でずば抜けてレベルが高く、彼の存在がグループのパフォーマンスを一段引き上げていると思った。ご飯を頬張った時の嬉しそうな笑顔とも違う、きゅるきゅるのアイドルスマイルも、プロフェッショナルぶりを感じた。
天然、可愛い、スキルフル。揃ってはならないカードが揃い、沼のロイヤルストレートフラッシュが完成してしまった。

それまでの人生でJのアイドルにハマったことがなかったのだが、どうやらJオタのファンダムはX上で交流しているらしいことに気づいた。

ここから、表題の名前の件にようやく入っていく。
Jオタのファンダムに入るために私が取った手段が、「Oハシカズヤのあるあるbot」(人力)という存在になる、ということだった。
とにかく、自我を出さず、ネタだけで交流の場に入っていきたいと思っていた。
そしてあるあるネタをやるからには、と思ってレイザーラモンRG氏の顔写真をアイコンにしていた。
そのユーザー名とアイコンで、フォロワー0人の状態でたまにあるあるネタを投下しつつ、唐突に全然知らない人の少人数のスペース(音声チャット)にリスナーとして参加する。
当然、場は
「えっ何この人wwwヤバwwww」
「こわwwww」
と騒然となる。スゴスゴと退散する、というのを不定期に繰り返した。

そして、いつものように(いつものように)知らない人のスペースに突撃したところ、案の定「何この人wwww」となったが、「ちょっと喋ってみてくださいwww!」と言われた。
めちゃくちゃ緊張したが、「…こんにちは」と言うと、
「普通の人じゃん!!」「女の人じゃん!!!」とめちゃくちゃびっくりされた。
運よくその人たちがすごくフレンドリーでコミュ力が高く、優しかったため、FFの関係になることができた。
2度目に彼女たちとスペースで会話したとき、
「あるあるbotさん、って言いづらいんだけど」「他に呼び方ないの?」と言われ、
「あ、じゃあぼっさんで」と答えた。
もうあるあるネタを考えるのが怠くなったこともあり、ユーザーネームを”ぼっさん”に変えて、普通に自我を出してXに生息していた。
ちなみに彼女たちとは、日本各地から集合し泊りで富士急ハイランドまで行く、というくらい仲良くなった。

そのうち、WWTのような経緯で現推しにハマったが、依然ユーザーネームはぼっさんのままだった。一方で、WWTを書くために作ったnoteのアカウント名は、
「もはやここまで自分のことを書くなら、完全にbotではなくなったな」
ということで、not bot とした。

WWTが拡散されていったが、その過程で、自分に通知が来ないがWWTのリンクを貼ってツイートしている人がいる、ということに気が付いた。
自意識過剰読んで読んでマンの私は、そういう情報も逃したくなかったのでパブサするようになったが、徐々に”not bot”というユーザーネームが馬鹿みたいにパブサしづらい、ということにも気が付いた。日本語ツイートを探すのすら困難なのだ。

”not bot”に何かしら日本語を付け加えたほうがいい、と思った。しかし相変わらず名前だけでも自我を消したかったので、ものすごく大きな括りの単語を付けたかった。オタクよりも、人間よりも、もっと広いもの…生物?
いったん”生物”でX上を検索したが、これもやはり、日本語ツイートに限定はできたものの、ヒット数が多すぎてパブサしづらかった。
そこで、ようやく生命体(not bot)という、「少なくとも命はあります、botではないです」という名前に到達した。

このアカウントは、「推しと離れて個人的なことを書く」という目的で作った。全然離れられてないけど。だが少なくとも、「○○担ってこういう人なんだ」というバイアスが推しにかかってしまうことを避けるために、アカウントを分けるべきだ、と思った。

アカウントを作るにあたり、「個人的なことを書くのであれば、もう完全に1人の人間という看板を掲げたほうがいいな」ということで、生命体のあとのカッコ内をhumanに変え、”生命体(human)”に辿り着いた、という訳である。

Oハシカズヤのあるあるbot」時代が黒歴史すぎる上に、100%Oハシ君推しだった時代のFFも、その事実を多分忘れていると思う。今更なんで掘り起こすんだよ…と思ってはいるが、数年前のお題企画で #名前の由来  というものがあったことを知った。
当然本名の由来を書く訳にはいかないし、子供たちの名前の由来も熟考して付けたが公表できるわけもないので、この、最も新しい 生命体(human)に辿り着くまでの変遷を書いてみた。
この変遷の中に、自分のルーツとリアルな生活とJ界隈との出会いと、そして黒歴史が詰まっているので、まあまあ文章として成立するかも、と思い書き始めたが、ここまで長くなるとは。
こんなに長々書くことじゃなかった。
まぁいいんだよ、週末の夜に書くことなんてこんなもんで。





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