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絵描き/こだまのてざわり

飛べなかったはねと


走れなかったあしで絵を描いてる


歌えなかった口と


見れなかった目でやっぱり絵を描いてる


握りかえせなかった手と


連れていけなかった星の上で


ずっと絵を描いてる







にせものだけど ほんとだよ






こだまが今日を生かす

いつか答えた問のこだま それを


復唱する声が 連れていけなかった星の

血を巡らせて 鈍く鼓動する


きこえるかエバーグリーン おまえの

腕にかけたねがいが風化して

読めなくなった頃


季節を巡った数だけ 感光した景色が

壁になって まぶしさに白く飛ぶ季節の

そこかしこに潜んでいる


行き来する問とその答え

はね返るたびに懐かしくなって

百年にいちどの拍子ではあるが

わたしはたしかに呼吸する

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