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ぼっち在宅介護 ドラマ『自転しながら公転する』を見て

クリスマスをはさみ年末に向けて、3話で完結するドラマ『自転しながら公転する』を見ました。

松本穂香さんと藤原季節くん


『自転しながら公転する』という本の存在は知っていたけど、読んでいませんで…正直、なかなか本もまさに詰んだ状態になっていて、新たな本に手を出すなど全く無理な状態でして。
ドラマで楽しませていただきました。


ドラマがはじまる前に、ネットニュースか何かで知って、プロデューサーさん?かどなたかがインタビューに答えてらしたのを拝見して、録画見をすることにしました。


ドラマがはじまって、開始13分?かなんかで交際がはじまるそうで、はぁ?と思いました。今流行り(もう流行ってない?)の転生的なやつ?とか世界線がどうのこうの?なヤツ?とか思っていたら…ちょっと違ってまして。

「出会うことも大変だし難しさもあるけれど、出会ってから付き合っていく過程もすごく難しいわけで、それぞれの育った環境や今いる場所、状況からなかなか幸せをつかめない男女が出会って、ただ幸せになってくだけでないくるしさとかいきづらさみたいな、そういう感じを描きたかった、、、」的なことを言われていて、イマイチ意味がわからず録画しておきました。

本当に開始13分くらいで、最悪の出会いから付き合いがはじまるんですが、それもなんか上手く深い色の水彩画のようににじにじと運ばれて、あまり、嫌味ではなくスッと受け入れられました。


主人公の松本穂香さん演じる与野 都は30歳。ひどい更年期の母の介護のため、大好きだった都会のアパレルの会社を辞めて実家のある町の小さな会社で契約で働いています。お父さんも健在ですが、お母さんの介護と仕事、家のローンに悩みを抱えていて疲労困憊。お母さんはどんどん具合が悪くなる一方で。都は、婚活もうまくいかず、自分の幸せ探しと現実の中でつらくなっていました。

もう一人の主人公、藤原季節さん演じる羽島 貫一は、中卒の回転寿司屋のアルバイト。バイト先の態度が悪くて都にキレられて出会います。貫一は、父が病気になり自宅と寿司屋を売らねばならず、高校を断念。中卒で寿司屋に弟子入りをし働くも、偶然見かけた急病人を助けたことで、仕事を数日あけるとクビになってしまい、バイトの身となります。が、そのバイト先も突然閉店され、無職に。でも、人に優しく本好きで物知り。介護施設に預けた家族を支えながら不器用に生きています。


そんな二人が出会い、お互いの家族に会ったり、友人に話したりしながら、運命の相手なのか?と都は自分に問い続けます。
友人の結婚やお付き合いする相手と比べたり、年齢を考えて焦ったり、親の体調や環境の変化から時間も気持ちも余裕がなくなったり…

都の自転と公転にフォーカスはありますが、いろんな不運の中から、貫一の中にある自転や公転に、貫一も都から気付かされます。

そして、
「無理に幸せになろうとしなくていいよ」と、母から告げられて都は気づくことがあるのです。


そんな話。です。

でも、よかったです。
私には子供がいませんから、今の若い人たちがどんな思いでどんな暮らしをしているかはわかりません。
もちろん、甥や姪はいますし、想像はつきますけれど…詳しくはわかりませんが、いろいろあるようです。


親から望まれる子の姿と、自分のままでいたい部分と、友人の中でいたい自分と…があって。
そこに、学校や仕事。学歴や職歴。収入や支出。直接話さなくても聞こえてくる世間のレベルとか友人のポジションとか。

私たちが若い頃以上に、情報も溢れていますから。
人生がうまくいく方法も悪くなる状況も、山の数ほど種類は増えて、全くもって人生がイメージどおりに行かないことが多いのかもしれないなぁと感じましたし。若いとか年寄りとかミドルとか関係なく、自分のことにもつながるような思いで見ることができました。



当たり前の幸せってなんでしょう?

幸せって目に見えねばなりませんか?

親に伝わる幸せってなんだ?

最後に、
都は、
貫一に憧れていたことに気づくのです。

自分にはできないことをサラッとやってのける貫一に憧れていたと言うのです。


『憧れ』

ぁぁぁぁ、ええなぁ!と思いました。

尊敬の思いとか、好きなとこ嫌いなとこも含めて、人としての『憧れ』を持てる人のそばに行きたい!と願う幸せ。

これは、周りの目には何一つ見えませんけれど、もう最上級の幸せではないかと思いました。


人生の中で、いい時、悪い時、皆にあります。
派手目ないい悪いの人もあれば、
地味目ないい悪いの人もあって。
どんなに相性の良い人でもウマの合わない時期はあるし、最悪そうに見えていつまでも一緒にいる人もいます。

ながーい人生の年数で割ったなら、みんな同じ割合の数字になるのかもしれません。


が、人生の一部を切り取って貼り付けると、めっちゃ幸せそうな人が溢れていて、途端に自分が切なくなったりやりきれなくなることあるかと思います。

死が人を分つ時もありますし、生があっても分つ時もあります。
ずっとずっと胸の内にいてくれることもあるし、それを忘れてしまう人もいます。
病気でそうなる人もいるし、健康なのに心が苦しくてなる人もいるし。


もちろん、ドラマだし、小説だし、なんなら、多少の金がなかったらそうはできねぇじゃん!って部分もあるんですけど。

『自転しながら公転する』

このドラマを見れて良かったです。
いい歳したおばちゃんも学ぶことが多かったです。


あと、個人的には、藤原季節くんが良かったです。

NHK の『プリズム』と『海の見える理髪店』で好きになりました。



『自転しながら公転する』 は、
Tverとかで、全話配信してるみたいです。
良ければ、年末年始にどうぞ。

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