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ぼっち在宅介護 夜な夜な

浮腫んで浮腫んでツラい父は、どんどん水嚢のように重たくなっていて、これまでのようにはベッドの上で動かせない。
介護4年目になり、当初に買ったTシャツはベッドのヘッドボードに当たるらしく、どれも穴が空きはじめた。

今日、久しぶりに様子を見にきた看護師さんが、浮腫んで重くなった体を見て「ぁぁぁぁ、Fさん…」といった。
今日は二人で来てくれた。私は休んでいいと。
浮腫んで膨らんだ体は…オムツをM寸から「Lに変えた方がいいかも…」と言われた。
買ってあるのになぁ…と思った。

92%まで上がったspo2(血中酸素)が、看護師さんに吸引をしていただいたら、また60台まで下がってしまった…はぁぁぁぁぁ
今日の看護師さんは「うまく測れてないだけ」と言った…そうかもなぁーと思っていたら、70台に上がってきて…何が正解かはわからなかった。
通常、吸引をすると、酸素が吸いやすくなり%は上がるそうだが、何故か父は激しく下がる。


昨夜、喉の近くにある痰がゴロゴロするため、「吸引をしよう」とチューブを入れようとしたが、口を一文字にして入れさせてくれなかった。「その痰が喉の気道を塞ぐんだよぉ」と言っても聞かない。
頭に来たわけではないけれど、前日のドタバタでこちらも疲れてきていて、もう穏やかに話しかける余裕がなかった。
「じゃ、もういいよ。私寝るよ」と声をかけたら、寝たふりをしたのでそのまま部屋を出た。夜中の1時、軽い喧嘩をした。


その前、
夜中24時頃、様子を見にいくと、
息苦しい中、
「まぁ…」?
「ま…」?
「ばっ」と言われて…

「何?」
「飯?」頷く
「晩飯?」大きく頷いた。

「え〜、わかったよ、なんか食べるかぁ!待ってて」と言って、お粥と介護用牛丼の素と味噌汁とヨーグルトを用意して。
完食は無理だったけど、ちょこちょこだいぶ食べてくれて。間に咽せたり、なんやしながら、痒がる頭を拭いたりして。

その後の喧嘩だった。
父は父でしんどいのだが、こちらも寝る時間がはちゃめちゃになっているので…二人してとてもご機嫌斜めだった。


今朝見にいくと、夜眠れなかったらしく、この世かあの世かわからないような顔で、ベッドでゴソゴソしていて、ちょっとせん妄になりかけていた感じがした。

「おぉ〜、どうした?どうした?しんどくなった?大丈夫、まだ生きてる。死んでないから。」なんとも直接的な声がけをしてしまったなぁ…とは思ったけれど、今までもそうしてきたし、急に腫れものに触る感じもどうかとも思ったし。
なんとか正気に戻ろうとする父、軽めの朝食はとれた。


で、今日の訪看の吸引で、またサチュレーションが下がってしまった…今日は顔も白くなり、唇の色も悪くなってしまって、なかなか戻れなかった。看護師さんが帰っても、酸素70%台からなかなか上がらなくて、息も苦しそうだった。

よほど吸引が好みじゃないのか…技術力の問題か…父の気道の問題か…見えないところでわからないけど、しないのもくるしいし…

ヤバい…と感じた。
この冬こえられるのかな…とか思った。
喧嘩なんかしなければよかったかなぁ…とか思った。ま、仕方ない。まだここにいる。


どうも左の肺が元気がないらしく、右肺で呼吸したいとかで元気な方を上にして横向きになることをせがむ。そうなんだ…とか思い、水嚢みたいな父を少し傾けた。少しうつらうつらしはじめて、よかったぁぁぁぁと、タオルやら洗濯物を片付けながら、ふと、寝顔をみたら、口から血の塊が見えて驚いた…

とりあえず訪看に連絡をした。

が、落ち着いて見てみると傾いた上側の口角にあとがついていた。内臓からの出血ならば重力によって下側になってる口角から垂れる。
そっちからはリハ最後に飲んだほうじ茶ゼリーが垂れていた。
あー口内を噛んだんだ…

看護師さんが来てくれて…ま、口内かなぁ…ってことで。ふわっと帰っていただいた。


もう、父も私も疲れ果てて眠かった。

泥のようにお互い数時間眠った。

スッキリした。

で、父を見にいくと、目が覚めてアタフタしていた。

「大丈夫。まだ生きてるよ。」

そういうと今までで一番ホッとした顔で私を見た。顔色も少し戻っていた。

「大丈夫、顔色もよくなった。唇もきれいな色に戻ってる。びっくりしたなー、しんどかったねー。私もしんどすぎて寝てきたよ。」

「なんか飲む?」頷いて飲んだ。

「ヨーグルトとか食べてみる?」首を振る。

あとのことには答えない。
父が食べ物を拒否するのは初めてだ…
食べれない…
喉に詰まりそう…
まだ死にたくない…
そういうことなんかなぁ…

両足の浮腫をさすったり、手指を揉んだりさすったりしながら、

「息苦しいね…来週、辛かったら、酸素も相談しようか。楽になる人もいるんだって。もう少し眠れそうならゆっくり眠りなよ。ちゃんと起こすから、大丈夫」というと、また、眠りはじめた。


眠ると目が覚めないかも…と思ってしまっているみたいだ。
うわー、これ、どういう状況なんだろうか…
とか思いながら…
今夜も夜な夜な散らかったリビングや台所をちょっとだけ片付けてみる…
全然片付かないけど…手の届くとこだけでも。

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