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【気になる生態】 #26 もう一人の自分を作り出す 「ジュウイチ」

新しく鳥の生態を知ると面白いなあ、不思議だなあと感心することが多いのですが、久しぶりにこいつはやばいという鳥を知りました。

托卵でお馴染みのカッコウの仲間のジュウイチという鳥なのですが、一味も二味も他の鳥と違うのです。カッコウよりも一回り以上小さく一見可愛らしい姿をしていますが、個人的には鳥類界で一番ずる賢い生態だと思っています。

カッコウ類特有の托卵だけでも変わった生態ですが、それをも超える最先端の生態です。

ジュウイチはそこまでメジャーな鳥ではないために写真や資料があまりありません。それでもみなさんにこの鳥の凄さを伝えたくて、今回記事にさせていただきました。

托卵はもちろんなのですが、ジュウイチのすごいところは孵化したあとです。

ジュウイチのヒナは托卵された宿主よりも大きくなる傾向があり、本来の宿主のヒナよりも餌を食べなければなりません。

一般的な鳥のヒナは親が餌を巣に持ち帰ってきた時に口を大きく開けて、餌をねだります。

数羽がそうすると親はもっと餌を運ばなければならないと考えます。

ただジュウイチは托卵後の習性によって、生まれてすぐに他の卵を巣から落とすので、自分しかいません。

そこで進化した結果、たくさんヒナがいるように見せようとする工夫をしだします。

ジュウイチは口の中が黄色いのですが、羽の内側も黄色くなっていて、それを震わせることで口のように見せて自分の他にヒナがいるように見せます。

まさに架空のヒナを作り出す影分身。

いないはずのヒナを作り出すことで、十分な餌を確保しているのです。本能的にこういった特殊能力が備わっていることに毎度驚かされます。

宿主側からすればせっせと働いて2〜3匹分の餌を持ってきても実際は1羽しか育たないし、何より自分の子ではないというのがなんとも悲しい話です。宿主にはなんのメリットもありません。使われるだけ使われるという悲しい運命ですが、これが自然の摂理なのです。

これも一つの弱肉強食と言えます。

しかしカッコウの記事でも紹介しましたが、宿主も見破る力をつけてきたので托卵の成功率はそこまで高くありません。托卵成功率が100%になってしまうと宿主の種が絶滅してしまい托卵できなくなってしまいます。

この絶妙なバランスで托卵する側とされる側は現代まで生き残ってきたのです。

まだまだ解明されていないカッコウの仲間たちの生態。

これも最近知ったのですが、実は食性も他の鳥とは違いました。

まさか毛虫が大好きとは。。

胃のなかを毛だらけまでにして毛虫を食べる理由が気になりますね。

総じてジュウイチなどのカッコウの仲間たちに思うことは、生活スタイルが基本的にアウトローなんですよね。

ただ、やばい鳥だとは思いつつ新たな情報が出てくることが個人的には楽しみです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!








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