人生の知恵袋 二刀流、二筋道を歩む人が…
尾上右近さんが日曜日の初耳学に出ていたのを観て、とても刺激を受けたので書き残そうと思います
2代目尾上右近といえば歌舞伎役者と歌舞伎の唄い手の清元の二刀流として活躍されている注目の方です。
この2つをやっているのは歌舞伎の400年の歴史でも初めての事だそうです。
尾上右近さんは1992年生まれ、元々歌舞伎の伴奏音楽を担当する清元の家系に生まれました。
3歳の時、曽祖父である六代目尾上菊五郎さんの歌舞伎の「鏡獅子」の映像を見て歌舞伎が大好きになったといいます。
清元の家系だとそのまま清元を継いでいくものなのですが、あまりな歌舞伎が好きな姿を見て、中村勘三郎さんが「舞台にあげてみようよ」と言ってくれたのがきっかけで7歳で歌舞伎の舞台に立つことができたとおっしゃっていました。
その後※世襲制の為、歌舞伎を取るか、清元を取るかどちらか選ばなくてはいけなくなりました。
※ (特定の血統に属する者だけが,特定の地位につくことができる制度)
当時はその様な制度があることを知らなかった尾上右近さんが迷っている中、尾上菊五郎さんが「役者としてやっていくなら、わたしが面倒見るよ」「好きだと思ったことをやればいい」と言ってくれたそうです。
唄い手『清元 7代目栄寿太夫』を襲名の際、師匠である尾上菊五郎が客前で語った本音が尾上右近さんの心の支えになっているといいます。
「(右近に)清元もやると相談された時どうかなと思いました。
二刀流、二筋道を歩む人が認められてもいい世の中だと思う。そういう意味では彼は僕がみる限り役者として一生懸命やっているその姿を認めることができるから清元を継いで栄寿太夫としてやっていいという僕は判断をしました。」
その時、始めて師匠の心の中を伺ったんでこういう事がいつも僕を見てくださってるんだな。
どうやったらこんなに大きな存在になれるんだろうと尾上右近さんは思ったそうです。
歌舞伎の道というのは、その家系に生まれたらその道筋に沿っていかないというのは大変だなと私は思っていました。
しかし、今回番組を見て
「舞台に立つのが大好きで、楽屋では大人たちを子供をものすごく可愛がってくれて、学校に行くより楽しかった。天国なんですよ!」という言葉を聞いて
こうやって歌舞伎の世界、400年という歴史は沢山の人が関わって一人前に育て上げ、守られてきたのだと感じました。
険しい道、誰もがやったことがない事を成し遂げようと皆からはバカにされそうな道だとしても、応援してくれる人がいるだけで突き進めるんですね。
歌舞伎界の人と人との素敵な繋がり、伝統芸能の一面を聞けた貴重な番組でした。
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