『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想

映画"機動戦士ガンダム SEED FREEDOM"を初日と3日目の舞台挨拶中継付きで2回見てきました。

正直、「劇場版ガンダムSEEDを見た」とこの言葉を言える日が来るとは思ってなかったのです。公開日は朝からそわそわしながら在宅勤務していたのですが、そわそわしてたのが伝わったのか妻に「そんなに見たいなら仕事休んで朝から見に行けばいいのに」と言われる始末でした。仕事後に最寄りの劇場ダッシュしました。

そんなこんなありましたがとりあえず見た、2回も見た。
まぁ、言いたいことは色々あります。それこそ中学生だった自分とSEEDシリーズの馴れ初めから書いて行きたいですが、今回は本劇場版の感想に絞って書きたいと思います。

良かった点、悪かった点、小ネタ・メタネタ、舞台挨拶の4点について書いて行きます。たぶん長いですがよろしくお願いします。7,000字超えてます。


◇良かった点

最初は良かった点から、身も蓋もないですがまず公開されたのが良かったです。最初にも書きましたが見れると思ってなかったってのが正直なところです。

雰囲気

この三つ巴か、四つ巴かわからん感じ。ほんと軽率に大量殺戮兵器を市民に向ける感じはSEEDっぽい雰囲気がありましたね。
オッペンハイマー?これがOKなら余裕で行けるでしょって感じです。
ストーリーとしてごちゃっとしてツッコミどころはあるのだけどこのあたりも含めてSEEDだなって感じです。嫌いではないです。


音楽

SEEDシリーズ = T.M.Revolution(西川貴教)はガンダムファン以外にも浸透していることだと思います。今回は楽曲制作が"機動戦士ガンダム 逆襲のシャア"のテーマを担当した小室哲哉とあってその期待値は爆上がり状態だった。アバンの戦闘にコンパスのMSが介入するシーンにイントロが流れて、タイトルそこから戦闘と共に流れますがこれが滅茶苦茶良かったですね。


EDはSee-Saw石川智晶と梶浦由記のユニットでこちらもディスコグラフィを見てわかる通りSEEDと共にあったといってもいいグループだと思います。今回の去り際のロマンティクスは、機動戦士ガンダムSEED DESTINYのED君は僕に似ている以来約19年振りのシングルになった。この約20年間で梶浦さんは日本でも指折りの劇伴作曲家/作詞家となり、石川さんもソロ活動で数々のアニメタイアップを歌ってきた。
2019年頃からSee-Sawとしてだったり、梶浦さんの楽曲に石川さんが参加するなどといった活動が見られてはいたもののここで新曲を引っ提げての大復活には正直驚いた。


他にもSEEDではOP、DESTINYではEDを務めた玉置成実もサポータソングとして起用したり、サプライズとして中島美嘉と小室哲哉のコラボでの挿入歌と音楽周りの力の入れようにはかなりの気合いを感じた。
特に後者は小室哲哉がOP製作終了後にもう1曲ラクスのために作りたい、別に劇中で使わなくてもいいから作りたいと申し出があったと舞台挨拶で明かされていました。
先日、フジテレビのミュージックフェアに中島美嘉が出ていて事前に"FIND THE WAY"を歌うと告知されれていたのでもしかするとシークレット楽曲があるかもと睨んではいたが大正解だった。


劇伴

音楽と言えば音楽なのだが長くなりそうなので一応劇伴は別の章にしておく、本作の劇伴はTVシリーズから引き続き佐橋俊彦が務めた。個人的には多分人生で一番最初に劇伴作曲家として認識した一人だと思います。電童SEEDの音楽が同じ人が作ってると認識したのが中2の時でした。

みなさん今回の劇伴はどうでしたか?個人的になかなり良かったです。

ラクスのシーンのモチーフとして使われる静かな夜に、ちょっとアップテンポになるとミーアのQuiet Night C.E.73のようにも聞こえる。最初のキラを思うシーンから最後の出撃まで一貫してこのアレンジで通し切ったのが良かった。

その他にも既存曲のアレンジは抜群に良かった。"出撃!インパルス"がちょっと重めにアレンジされた"出撃!デスティニー"。SNSで「サントラにネタバレあり」と騒がれてるのは主にこれだと思います。一応デスティニーが登場すること、シンが載ることは伏せられてたので……タイトルが直接過ぎましたね。
4日目となって機体は一気に公開されたのでもう問題ないでしょう。

"熾烈な戦い"は"戦闘態勢""後方支援"のアレンジになっていたり、"対決の刻""翔べ!フリーダム""覚醒シン・アスカ""新たなる力と正義"のメドレーのようなアレンジがされているのもよかった。

"総力戦"にはSEEDの"アイキャッチ2"の音が入ってる。このアイキャッチ2はラクスがクルクル回るあれのシーンです(通じるはず)。正直SEED本編よりラクスを見るシーンと言って良いしラクスの曲と言っていいと思う、佐橋さんはこのほかにも電童やフルメタルパニックなどで象徴的なアイキャッチを作っていて、本当にアイキャッチ職人だなと思う。

紹介した楽曲はSpotifyのプレイリスとにまとめているので聞き比べてほしい。


新キャラ

新キャラは結構みんな良かった。
新キャラに対してはいろいろと説明不足感はあるがそこは後で書きます。

新キャラで好きなのはもちろんアルバート・ハインラインさんですね。
ずっと早口のキャラで一言目を発したときは倍速になった?映写機トラブルか?と耳を疑った。(鑑賞した劇場で一度映写機トラブルにあってたので…)

新キャストについては桑島さん以外はあまり把握してなかったけど聞いたら一発でわかる福山潤ボイス。この人はコードギアスの終盤のように感情むき出しの演技も最高だが、感情を殺せば殺すほど生きてくる部分もある。コンピュータのような無機質なしゃべり最高でしたね。
年齢は30オーバーとムウさんと同世代…「お前は3年間何やってたんだ!?」、SEEDとDESTINYの間どこでその才能を腐らせてたんだよ…と言いたくなった。バックボーン的な話があれば是非見てみたい。


MS

MS(モビルスーツ)も良かった。これは本当に全部良かった。

ストライクフリーダムかっこよかった。
実剣とか必要性よくわかんないけどかっこいいからまあいいです。アストレイとつながりあるのかなとちょっと考えたりもする。ディスラプター謎の雷も外連味あってよかった。

ズゴック、ジャスティスは1回目見た時は目が光るとこが理解出来て無くてあんまわかってなかった。2回目で分かった。
そもそもズゴックから角生えてるのに気が付かずに見てた。

デスティニーも良かった。機体を見て目を光らせてるシンを含め良かった。
デスティニーからインパルスへのデュートリオンビーム照射も見れたのが良かった。あれは命を繋ぐための人工呼吸でもあるし実質キスシーンと言っても過言ではない。

アカツキも出番少なかったがレクイエムのリングを破壊してビームを跳ね返す大活躍。あの謎の新武装、プラモ出ませんか???

デュエルがブリッツの武装付けてるのも最高だった。ランサーダートだけじゃなくグレイプニールを使う姿も見たかったよ。バスター+ミーティアもグレートでした。

ゲルググメーナスも好き、バリュート付きとか大気圏外脱出のブースター付きをキット化して欲しい。どっちも10秒くらいしか出番ないけど好きすぎる。



◇悪かった点

ここまで良かった点を書いてきましたが悪い点、気になる点もあったのでざっと書いていきます。まあこの辺りの要素で作品として嫌いになるとかは今のところ無いですね。

ストーリーの粗の目立ち方

ストーリーの展開とかは贔屓目に見ても粗が目立つかなと思います。

地球でのシュラ対キラの対決。
アスランの介入によりシュラはアグネスを連れて撤退しますが、致命傷を負わせてもない高機動ズゴックを置いて、核を撃ち込んだから勝ったと思ってるあたりとか流石にイヤイヤちょっと待てと思ってしまう。

キラの行動もなかなかビックリする。一時撤退後、オーブの地下基地に体操服(体操服では無い)で現れたかと思うと、オルフェの宣戦布告の中継中はクソダサ私服に着替え砂浜を歩いたり、教会に足を運んだりしてる。呼び戻されるセリフっぽいのがあったので回想シーンでもなければ、心象風景でもない。
洗脳下にあったとはいえ問題の火種となったのは確かだしフリーにしすぎだろ、というかキラはちゃんと中継見ろ!!!!


気になるところ(メカ)

ファウンデーションが宇宙に退避するシーンが怪しい、あのシャトル単機で宇宙行けちゃうんだ?コンパスの連中は結構大変そうですよ??

ちょっと気になってSEED TVシリーズのオーブから宇宙へのところを見返しましたが、クサナギはマスドライバーを使って、アークエンジェルはローエングリンによるポジトロニックインターフェアランスを使ってどうにか宇宙へでしたね。

今回もポジトロニックインターフェアランスは健在でしたね(見返すまで忘れてたけど)。しかもアークエンジェルとミレニアムの2回も見れちゃって。
特にアークエンジェルが4機のMSを宇宙に送り出すとこは良かった。ライジングフリーダムとイモータルジャスティスは推進力ありすぎだろ


あと気になるのはストライクフリーダム弐式が複座な事かな。
ラクスが乗っていたプラウドディフェンダーは冒頭からライジングフリーダムと並行開発が進められていたようなのでライジングフリーダムが複座なのはわかる。しかしオーブの地下基地に保管されていたフリーダムガンダム弐式(旧ストライクフリーダム)は、劇中でエリカが言ったようにこういった事態を想定してメンテされていたわけでは無いので普通にコックピットは複座では無いと思う。
最終盤で使われたマイティーストライクフリーダムガンダム収束重核子ビーム砲ディスラプターはプラウドディフェンダーありきの装備らしい。一体どっちベースで開発すすめていたんだ……ターミナルが秘密裏にガチャガチャしてたっぽいのは分かるが、コンパス側は戦えるMSが無いとまで言ってたわけで、あの段階からストライクフリーダム弐式をマイティーストライクフリーダム突貫で仕上げたのならアルバートとエリカさんが良い仕事しすぎてる。こういう細かい描写とか欲しかったですね。

細かい描写で言うとSEEDでクサナギをマスドライバーで打ち上げる際のフリーダムとジャスティスが手を繋ぐとことかどこか人間臭く好きだった。
ああいうMSの描写がツボだったので、今回MSがほぼCGになってしまったのはちょっとロボット味が増したなと思います。まぁロボットなんですがね…人型の巨大ロボにもやっぱり人間味みたいなのをちょっと求めてしまうようです。


気になるところ(キャラ)

キャラとしてはアグネスはちょっと説明不足感が否めなかった。
基本的にはSEED、DESTINYを視聴した人に対する続編なのでフレイがどんな存在か、メタ的にはCV桑島法子が今までどんな顛末を迎えてきたかを知った上での鑑賞なら分かったくれるだろう、これを知った上でのアグネスであるって感じですかね。髪型から見るにキャラクターのイメージとしては逆襲のシャアクェスの系譜も継いでいると思う。パイロットですしこっちの要素多めかな、どのみち戦死してしまうキャラって感じで、まぁずっと嫌な予感鹿してなかった。
登場からやばそうと思っていたが結局キラに振られてシュラから「君が月光のワルキューレか!」だけで口説き落とされるという、ほぼクェスと同じ道。
前述のいろんな要素を知らんと結構やばめの女である。知ってっても結構やばい女ですがね。

私は桑島さん大好きっこなのでまぁ全然いいんですけどね!!!!
今回は生き残ったしさ!ありがとう。桑島さん時間あったら舞台挨拶にも出てー!!!!

あとブラックナイツはシンプルに多すぎたと思う。
基本的には敵より自分たちが多い状態での戦闘が多く一人一人の力は見えない。終盤の多いときはシンに対して1対4くらいになるし、弱いやつが群れてかかってきてるようにしか見えない。ネタのような分身にやられるし多かったな…オルフェ、シュラ、イングリット、グリフィンの4人でもどうにかなったと思う。あとの3人はいなくてもどうにか話は成立する。2回見ても名前も覚えられない...…キャラ紹介を読むとアコードたちに姉妹設定とかあるっぽいが全く活きた感じもしない。むしろ直接的な絡みすらなかったように感じる。

あと何かシーンによって喋んないキャラ多いですよね?
エリカさんもミリィもセリフはあるっちゃあるけどその場にいて一言も発しないみたいなシーンが多い。カズィは引きで斜め上から1カットだけだったけどサイはずっと立ってる人になってしまったのはちょっともったいなかったな。分散収録だと言ってたしキャストを集めるのにも苦労したのだろう。




◇小ネタ

小ネタと舞台挨拶まで小見出しを付けると目次がごちゃごちゃしそうなのでここからは太字で対応します。
どこまで意識されてるか分かりませんがここからは完全に想像込みの小ネタ集です。

ちょっとだけスパロボのような声優ネタ的にも捉えられる人がいたかなと思います。全体的にはSEED以降のサンライズ20年史というかロボットアニメ20年史みたいな印象です。年史というと大げさだが要は良いとこの詰め合わせ的な感じだろうか。まぁごちゃごちゃしてるともいえる。

・鈴村夫妻
もはやこれは避けることは出来ないと思っていた。TVシリーズ見てた時はこの2人が結婚するなんて思ってもいなかったし、劇場版はポシャったから夫妻としてシンとルナマリアを演じることは無いものだと思ってた。
なんすかあれ???掛け合いは宅録ですか?家の廊下で撮りましたか???あの雰囲気めっちゃ好きです。2月のFF7Rのエアリスとザックスでも見せてください。ブレイバーンには…真綾さん出てこないよね?
声優ネタだとシュラ(中村悠一)とアグネス(桑島法子)はCLANNADで岡崎朋也と坂上智代でしたね、朋也が智代口説き落とした。


・ルルーシュみたいなメカニック
スパロボでは蜃気楼に乗ってください、はい。ルルーシュと二人で力を合わせれば絶対守護領域の計算も相手の攻撃前に終わらせてくれ。
ブラックナイツ(直訳で黒の騎士達(団))をセリフに入れたのも意図的かなと思う。ここはちょっと笑ってしまった。


・旧MSの名称
コードギアスつながりで言うとフリーダムとジャスティスの改修機の名称は○○弐式、デスティニーとインパルスの改修機の名称は○○SpecⅡとなっていました。前者はコードギアスの紅蓮、後者はエウレカセブンのニルヴァーシュを意識してるのかなと思いました。前者はルルーシュでしっかりとつながりを感じてますが後者は完全な妄想です。


・宰相に使えるCV上坂すみれ
クロスアンジュでアンジュに仕えてたモモカが近いのかな。モモカは侍女だったのでもっと仕えてる感じが出てたけどなんか似てると感じた。福田監督はクロスアンジュ→本作と続投キャストが多くすみぺは"グレンダイザーU"でも弓さやかを演じる予定です。


・王国を持った田村ゆかり
ゆかり王国はSEEDの世界にあったのですね。はい、以上です。


・ヒルダ・ハーケン
これはどちらかというとDESTINYからクロスアンジュに持ち込まれたキャラなのかなと思う。共通してヒルダというレズビアンのキャラがいる。
SEED:ヒルダ(根谷美智子)→ラクス(田中理恵)
クロスアンジュ:ヒルダ(田村ゆかり)→ゾーラ(根谷美智子)
根谷さん働き者だな…電童にも出てたし、グレンダイザーUにも敵役とかで出てきそう。




◇舞台挨拶

私が見たのは上映後舞台挨拶の回です。ネタバレOKなので見るなら基本こっちがいいですよね。登壇者は保志総一朗、石田彰、田中理恵、上坂すみれ、西川貴教、森崎ウィン、福田監督でした。

金曜の深夜に行われた最速上映では監督の舞台挨拶があったようですがキャスト陣が公の場でネタバレありトークが解禁になったこともあり話はかなり弾んでました。特にすみぺは初舞台挨拶とのことだったので滅茶苦茶飛ばしてましたね。ちなみにこの初はガンダム作品としてだと思います。

ずっと「キラとラクスのドッキングがうらやましい」「ドッキング」「ドッキング」と連呼してました。西川さんに「小さいお子さんも来てるので」と制止されていました。
その後もオルフェへのディスが止まらなく、「イングリットはオルフェのどこが好きなんですかね」「オルフェって操縦してるんですね、コックピットの前で騒いでる人だと思いました」とかずっとそんな感じ。下野さん怒りますよ…ちなみに下野さんは進撃の巨人イベントの方に出てたみたいで欠席でした。

シンエヴァの時に比べて石田さんはかなり饒舌だったなと思います。初めの挨拶から「今日は18禁の話もするかー」で始まるとは思ってなかった。

ネタバレトークありとのことでそのほかにも小室さんがもう1曲つくったこと、アスランとカガリの話など聞けて良かった話が多かった。

舞台挨拶上がってないのでインタビュー上げときます。




◇まとめ

いやー、書きましたね。めっちゃ書いた。1万字書くと言ったが7500字弱、あとで追記したら1万字行きそうです。
拾えてない部分は多々あると思うし、何よりTVシリーズの再履修をさぼってスペシャルエディションの流し見程度に済ませたのは不味かったなと思ってる。ここまでの作品ならちゃんと向き合うべきだった…

悪かった点もたくさん書いたように100点からの原点方式なら赤点になるかもしれない、上限無しの加点方式なら数百点になるそんな映画だと思った。
20年かかって完成させてくれたことに感謝しかない。
今までスパロボで語られてたIFがこの20年間でC.E.で2年分前に進んだことによって新しい話も出てくると思う。まだ数日とは言えここまでヒットになると前日譚としてさらっと語られた「フリーダム強奪事件」だとか続編にも期待してしまう。
個人的に不沈艦アークエンジェルが沈んでしまったのでここで一区切りかと思う。続きがあるのならいつでもウェルカムですがとりあえずはスパロボですね、出来ればコンシューマー版のスパロボですね。


はい、一旦終わりです!!!!3回目見たら書きます。アスラン、エッチな妄想も程々にな(書くの忘れてた)

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