今期最注目だったアニメ『SPY×FAMILY』(以下、スパイファミリー)の勢いがすごい、ある程度のヒットは予想していたがその予想をはるかに上回る。特にサブスクリプションサービスでの人気が高く、土曜深夜に放送されその後すぐに配信、日曜のデイリーランキングが発表されると当たり前のようにどのサービスでも1位を取る状態になっている。

・Netflixでの爆発的なヒット

日本のNetflixのTVランキングは独占配信の韓国ドラマがかなり強く日本の作品がランクインするケースが映画に比べるとかなり少ない。そのため日本の作品が1位を取ることは少なく、また長期ランクインも極めて少ない状態です。

2021年7月から2022年4月までに1位を取れた作品は以下のとおりです。

共通して言えるのは完結していて全話一挙配信していることです。例外として東京リベンジャーズが1位を取ったのは2クール目の途中あたりですがストックが15話近くあり、実写劇場版公開タイミングだったためちょっと例外です。ワンピースは各パートで分割されているため完結扱いとしています。

一挙配信のメリットはビンジウォッチング(複数話まとめて視聴)出来ることです。Netflixのランキングは視聴時間をベースにしているので話数のストックがあればあるほどその作品の視聴時間が伸びる傾向にあります。
そのため毎週更新されるリアルタイムで放送されるアニメはストックの少なく上位に食い込むことが難しくなります。この例として鬼滅の刃遊郭編は毎週ランクインしたものの3～5位あたりで停滞し、その間に全話配信していた金魚妻や呪術廻戦(全話放送済み)が1位を取りました。

またアニメ作品は複数サービスで配信されることが多いためサービス利用の傾向によって視聴者が分散してあまりいい成績が出ないのではないかと思っています。ちなみにスパイファミリーは20サービスで見放題配信されていますが私が加入してるdアニメ、Hulu、Amazonプライムすべてで1位を取っている状況です。

話をスパイファミリーのNetflixランキングに戻します。スパイファミリーは現在5話まで配信済みで、ランキングに反映されているのは4話配信時点のものです。

3話配信時点で1位を取り、そのまま2週連続で1位となりました。3話時点では総再生時間が1時間強程度しかないにも関わらず全話一挙配信している1クールのドラマの視聴時間を超えたことになります。放送中の作品では『盾の勇者の成り上がり』の2期が1話放送から2週ほどランクインしましたが3週目以降は圏外となりました。全クールの進撃の巨人ですらこのような状況だったため放送中のアニメが2週連続で1位を取るのはかなり異例なことです。

これ以降は話のストックがたまっていくので新しい視聴者が増えたり、時間が空いた時に1話から見返したりする人も増えると思うと長期間にわたり上位に入るような気がします。

・海外人気の高さ

海外での人気も高くこちらも注目なのでデータを見てみます。

・Netflix

3週目以降アジア各国でTop10入りしています。
現時点で台湾、香港、フィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシアの6ヶ国でランクインしてます。今後も期待できそうです。国によってはNetflix以外のサービスで見られてると思うので一概にアジアのみで人気とも言えないです。

・MyAnimeList

ここからは海外に人気を見るために毎度おなじみのMALの情報を見てみます。2022年の春アニメの情報は以下のページにまとまってます。

数字は5/11時点のものになります。

メンバー数

スコア

視聴者、視聴予定者を表すメンバー数、スコア共に今期トップです。メンバー数は人気作の続編より上位に位置しています。
スコアは現時点で前クールの進撃の巨人の9.08を超えて歴代2位とかなりの高評価を得ています。

アニメ5話で原作6話とかなりじっくりと作りこまれている印象ですが、決してテンポが悪いことは無く、合格発表のお祝いで城に行くシーンなど上手くアニメオリジナル要素が入れて話を膨らませていて良い演出でした。
今後も楽しみな春アニメのひとつです。