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片付く仕組みができると家事が素早くラクになる

みなさんは探し物に1日どれくらいの時間を使っていますか?

もし探し物に10分使っているとしたら、1カ月で約5時間1年で約60時間も探し物をしていることになります。片付く仕組みをつくり、探し物をする生活がなくなれば、それだけ自分の時間が増えるのです。

片付けが苦手と話す人のほとんどは、実は片付けができる人。片付けができない原因は「片付けのやり方を知らないから」であって、決して「センスがないから」でも「面倒くさがりだから」でもありません。

これはラク家事にも通じること。片付けの仕組みができると、家事の時短につながります。では、ラク家事にはどのような工夫が必要なのでしょうか?

片付けの土台は「整理」にあり

片付けの定義は「使ったモノを元に戻すこと」であって、整理や収納をした後におこなう作業です。片付け・整頓ができて、掃除にたどり着きます。

つまり土台である「整理」ができていないと「片付け・整頓」「掃除」までできません。どんなに片付けてもリバウンドすると話す人がいますが、ほとんどの場合は「収納」「片付け」にスポットを当てて「整理」ができていないことが原因です。

「整理」において不必要なモノを取り除き、使いやすい「収納」をして、ようやく使ったモノを元に戻す「片付け」ができます。この仕組みができると生活動線がスムーズになり、料理・洗濯・掃除などの家事が時短できてラク家事が実現するのです。

ラク家事は手抜きではない

「ラク家事」と聞くと、家事を手抜きしているだけでは?と感じる人もいるようですが、それは大きな誤解です。ラク家事とは、家事を手早く済ませるための暮らしのアイデアであって、決して手抜きすることではありません。ですから、ラク家事を積極的に取り入れて自由な時間を増やしてほしいと思っています。

そのためにも「自分の理想の部屋は?」「どんな暮らしがしたいか?」を想像してみてください。片付けができることがゴールではなく、その先の理想の暮らしがゴールです。ゴールを目指すには、まず土台である整理から始めましょう。
整理とは不必要なモノを取り除くこと。必要なモノと不必要なモノがごちゃまぜになっていると、それだけで探し物に時間がかかります。モノを要不要に分けて、必要なモノだけが出し入れしやすい場所に収納されていることがラク家事への第一歩です。

家事動線を短くするための収納の工夫

整理ができたら、使いやすい場所に収納していきます。家事動線を短くするために大切なのは「使う場所に使うモノがあること」「出し入れに必要な動作の数(アクション数)を減らすこと」の2つです。三大家事「料理・洗濯・掃除」で具体的に考えてみましょう。

①料理

料理は電子レンジや便利な調理家電を利用して料理の工程を短くすることだけが「時短料理」と思われがちですが、家事動線を短くすることも時短につながります。キッチン内ではなるべく動かずにモノを出し入れできる「コックピット収納」が理想です。

たとえば鍋とフライパン。どちらも同じ場所に収納している人が多いです。でも、よく考えてみてください。フライパンは直接コンロに火をかけて使い、鍋はたいてい水を入れてから使いませんか?そう考えると、鍋はシンク下、フライパンはコンロ下に収納しておくほうが使いやすくなります。さらに言えば、フライパンは油を敷いて使うことが多いため、油もフライパンと同じ場所に収納してあるとすぐに出し入れできて便利です。

②洗濯

洗濯はもっとも工程の多い家事です。「洗濯物を仕分ける→洗う→洗濯物を運んで干す→取り込む→たたむ→各部屋に収納する」とやることがとても多いですよね。つまり時短するためのポイントは「移動を減らす」「工程を省く」ことです。
1階に洗濯機があり、2階のベランダに干している家庭の場合、わざわざ階段を上り下りしなければなりません。それならば1階に物干しスペースを設けたり、これから家を建てるなら2階に洗濯動線を集約させた間取りにしたりといった工夫をすると一気に洗濯の時短が進みます。
たたんで収納するのに時間がかかるなら、洗濯ハンガーで干したものはそのままクローゼットにかけられるようにするとたたむ手間が省けます。また、タオルや下着類は干さずに乾燥機にかけてしまえば、乾燥後にそのまま洗面所の棚にたたんで収納するだけ。干す手間は必要ありません。

③掃除

掃除は家全体のあちこちでおこなうもの。掃除道具が1箇所にまとめてあると持ち運ぶだけでも時間がかかります。掃除をラクにするポイントは「掃除する場所に掃除道具を置くこと」です。
たとえばテレビ番組を観ているときにテレビボードの汚れに気づいたとします。汚れを落とすためには掃除道具が必要です。その場に道具があれば移動せずにテレビを観ながら掃除してしまえます。ですが、掃除道具を取りに行かなければならない場合は、その場を離れてまで掃除しようと思う人はなかなかいません。後回しにして、結局掃除するのを忘れてしまうことも。
「ながら掃除」「ついで掃除」の習慣をつけるためにも、掃除道具はすぐに手に取れる場所に収納しておくことが大切です。元に戻すのも簡単なので、出しっぱなしも防げます。

また、水回りの掃除をラクにするには、バスルームや洗面所のグッズはなるべく「浮かす収納」にすることを心がけてみてください。グッズを置いたままにしておくとなかなか乾かず、カビの原因になってしまいます。床や洗面台に直接モノを置かなければ、モノを動かして掃除する手間が省け、カビやぬめりを防げます。

動作・動線を考えた片付けの仕組みづくりを

このように動作・動線を考えながら収納していくと家事動線が短くなります。どの動作もほんの数分の時短にしかならないかもしれません。ですが、1日のトータルの家事時間を考えると数十分~1時間にもなるのです。時短できた分を自分の自由な時間家族と過ごす時間に充てられると、気持ちにも余裕ができます。

ラク家事は小さな時短の積み重ね。片付く仕組みをつくり、ラク家事を実現させてくださいね。

【プロフィール】
藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。家事は「素早くラクに」がモットー。生活動線を短くして楽家事となる仕組みづくりを考えるのが得意。個人・企業向けに片付けのコンサルティングも手がけている。フランス語の翻訳家としても活動し、翻訳本には『feel FRANCE100〜写真と言葉で感じるフランスの暮らしとスタイル』などがある。神奈川県横浜市在住、夫と息子の3人暮らし。

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