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ソウルと東京の違い ソウル,韓国

ソウルにあって東京にないもの。
それは大きな川である。

ソウルには漢江(ハンガン)という大きな川がある。
これくらいデカい川が東京にもあるという情報は、福岡県出身の私には今のところ入ってきていない。

川に水があり、水は流れを作る。

流れを見ると落ち着く。心が豊かになるような気がする。

漢江は流れ続ける。
その川を見に多くの人が流れてくる。
その人たちもまた川に沿って歩き、流れを作る。
川に架かる橋を見るとたくさんの車の流れが見える。
空を見上げると月が見え、その月も半日かけて東から西へ流れる。
雲も風と一緒に流れている。

流れるべきものが流れている様子を見ると、今日も世界がスムーズに動いているようで心地が良い。

自分の生活さえも順風満帆にいっているのではないかと錯覚してしまう。


だけど、その流れが止まってしまったらどうだろう。
水の流れが止まり、川はまるで湖。
月が止まったら、太陽は一生見れない。
太陽で止まったら、月は一生見れない。

何もかもが止まってしまったら、それは恐怖以外の何者でもない。


流れは僕たちの生活の中にもある。

朝起きて、夜寝るまでの生活。
授業ごとに進んでいく教科書のページ。
止まらないインスタのストーリー。
毎日のように続く誰かとのLINE。

そういった流れでも、止まってしまったら不快や不安を感じることがある。
これからも続いて欲しい流れや、自分にとって必要不可欠である流れは特に。


もしかしたら誰かは僕との会話を望んでいたかもしれない。
でも、僕はそれを怠惰に感じて既読だけつけて終わらせたとする。

この先も会話が続くことを願う相手にとって、これは不快を与える行為だろう。

逆に自然な消え方をする会話の終わらせ方は、ネガティブな感情になりにくいのではないか。「おやすみ」で終わらせたり、「適当なスタンプ」で終わらせたり。

太陽が沈んで見えなくなったり、氷が溶けてなくなったりするように、自然な流れを意識しないといけない。

川や空の流れは物理的に目に見えるから理解しやすいが、人間関係においては断片的な事実や現象から流れを汲み取らないといけない。

もしかしたらあなたは誰かにとって希望の流れだったりする。
そのことに気づいたときは流れ続けてあげるか、自然な消え方をしてあげるのが、その人のためになると思う。

一方で、僕にとっての希望の流れがいたとする。
どうしたら流れ続けてもらえるかを考える必要がある。自然な消え方さえも惜しいのなら、流れ続けてもらうために何かが必要である。

そんなことを考えさせられたソウル。

ソウルには漢江がある。
東京には何がある?

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