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365日書き続けたnue inc 松倉早星さん#noteクリエイターファイル

noteで活躍するクリエイターを紹介する#noteクリエイターファイル。今回はnoteを365日更新し続けたNue incの松倉早星さんをご紹介します。

京都を拠点に、プランナー・プロデューサーとして、イベントやメディアなどさまざまな場づくりを行っている松倉さん。Nue incの代表取締役として、コンセプト立案から、コピーライティング、全体のディレクションまで、企画によって関わる領域もアウトプットもさまざまで、いわく「仕事の説明がとても難しい仕事」をされています。プライベートでは、二児と3匹の猫の父。

そんな松倉さんは、2017年の11月23日勤労感謝の日から1年間、毎日noteを更新し続けてくださいました。アイデアを生み出す仕事のスキルから、家族のことまで、仕事とプライベート境なく、日々考えていることを惜しみなく、出し続けてくださっています。

また、2009年に友人たちとつくった音楽のポータルサイト「your unknown music 」をnoteに移行させて、共同編集で、音楽を集めるマガジンの運営もされています。

ゼロからイチを生み出す仕事。はじまりはいつも酒場

2017年7月に設立されたNue incは、プランニング、リサーチ、クリエイティブに特化した会社。「アイデアを生み出す」ことを軸に、商品や施設、公演など、松倉さんが興味のあることは領域は決めずになんでも取り組んでいるそう。

たとえば、京都で唯一焚き火ができる「崇仁新町」は輪になって語り合える期間限定の屋台村。京都市立芸大の移転先で工事の着工まで空いたスペースを使って何かできないかと相談を受け、リサーチ・ヒアリングをし、コンセプト設計を行いました。

ほかにも、「OKAZAKI LOOPS」という音楽フェスのクリエイティブ統括を担うなかで、夜の京都府立図書館の地下でironomiや青葉市子さんを招いた小さな演奏会「CALM」を開催したり。「greenz.jp」のサイトディレクションをして、PV数やシェア数ではなく「読了数」を表示させる仕組みをつくったり。

「プロジェクトが動き出すまでのプランニングなど、ゼロからイチを生み出す仕事が多いですね。仕事はだいたい酒場で振られます(笑)」

酒場でのつながりが、手がけた仕事が、新たな仕事を呼んで、常時10個ほどのプロジェクトに関わっていると言います。2018年10月に、子育て中の女性を社員として雇うまで、松倉さんがおひとりで、外部の人たちと一緒にチームをつくってさまざまなプロジェクトを動かしていたそう。

「それでももちろんひとりではできないので、デザイナーなどアサインできる人は常に探しています。いいなと思った人には積極的に会いに行って、一緒に仕事ができる仲間を増やしていますね」

松倉さんが外部のパートナーに声をかけてチームをつくるときに心がけているのは、「小さなチームで、大きな仕事をすること」。関わる人が多くなりすぎると、熱量や濃度が薄まっていくので、最低限の人数で、プロジェクトを動かしていると言います。

1日10分、頭のなかを整理するために書く

松倉さんは、Nue incを始める前、2011年末に仲間と3人で立ち上げたovaqe inc.で「CNTR(センター)」という関西のアート情報をまとめるメディアを運営していました。関西で学生時代を送っていたnoteディレクターの平野も読者のひとりでした。

「京都で暮らす学生から、何か新しいことをしたいけど、何をすればいいかわからないという相談を受けることがよくあって。彼らが何かできる場所をつくりたいと思って、学生たちにイベントを企画してもらい、僕はその集客のためのブログを書いていました」

CNTRをクローズした後も、ほかのブログサイト(Medium)で書き続けていましたが、その途中でnoteの存在を知ったそう。

「試しに投稿してみたら、とても書きやすくて、毎日書くのにストレスがなさそうだなというのが所感でした。ある日、毎日更新しようと決めて書き始めて、気づいたら1年が経っていたという感じです」

松倉さんのnoteのルールは、毎日更新することと10分ほどで書くこと。書く内容ありきではなく、電車での移動中や仕事の合間など「隙間時間」を見つけて、スマホやPCなど手元にあるデバイスを開いて書き始めるスタイル。画像は仕事でリサーチする際に見つけた風景や海外のフリー素材などを使い、タイトルは文章を書いたあとに決め、基本的に見直しはしない。

「プランナーとして働いていると、インプットが多くなって、アイデアや情報で頭がパンパンになるんです。だからnoteで、頭から漏れ出たものを整理して書き出していく。自分の頭のなかを整理するために書いています。仕事で言葉を扱う僕にとっては、素振りに近いものですね」

多くの時間を使わず、隙間時間を使って、自分のために書く。気負わないそのスタンスが毎日noteを書き続けるコツなのかもしれません。それでも書き続けていると、読者の反応が気になってくることもあるのでは?

「たくさんのスキをもらえたら、驚くし嬉しいですが、少なくても気にしません。たとえスキが5件だったとしても、5人の人に届いたならよかったなと思えます」

温度感のあるコミュニケーションが励みに

自分のためにnoteを書き続けてきたという松倉さん。それでもやっぱり、noteで書く人や読む人の存在は大きかったと言います。

「noteは使っている人たちも魅力的で、毎日書くモチベーションをもらえました。頻繁に更新している漫画家さんの投稿が励みになったり、読者の方からコメントやサポートをいただいたり、温度感あるコミュニケーションが嬉しかったですね」

酒場で会った人に「note読んでるよ」と言われたり、ラーメン屋さんで「note読んでます!」と突然声をかけられたり。困りごとを書いたら、アドバイスをしてくれる人がいたり。note以外の場所でも、そんな温かなコミュニケーションが生まれていたそう。

365日書き続けた松倉さんはこれから、何かしら新たなハードルを設けてまたnoteを書き始めるつもりだと言います。松倉さんがnoteでこれからどんな投稿をされるのか、楽しみです。

■クリエイターファイル
Subaru Matsukura(松倉 早星)

Nue inc 代表取締役 / コンセプトデザイン / プランナー / 二児と3匹の猫の父 / 仕事の説明がとても難しい仕事
note:@sbr/magazines
Twitter:@sbr_m
読んでいるnote:やじまけんじ(やじま商会)さん
「日常がバタバタしている時に読むと、癒やされます」by松倉さん

text by 徳瑠里香  photo by 平野太一

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