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アメリカの認知症事情『ルイ・セローが見た 認知症 家族の苦悩と愛』

ジャーナリストが認知症患者の施設を取材する。

家族は精神的・経済的負担の厳しさに、どう向き合い接しているのか。

怖くて観るのをためらったが、結果は意外にもわずかに爽快感もあり。

舞台が比較的富裕層の「いい施設」なせいもあるが、ヒューマンチックな生のセリフが心に響いた。
ユーモア。明るさ。こういう言い方ができるって、会話の言語能力は磨いておくべし!と改めて思う。

登場する人物たちの、

ケース1.
頭意外はしっかりしているダンディな男性。妻のことは知り合いと認識しており、なんと施設内で浮気している。
妻はそれを容認、淡々とそれも良しと意に介さない。
しかしやがて、私は彼とは別に生きるとあっさりおさらばしていく。

ケース2.
40代の主婦。娘はまだ9歳だ。症状が進むのも早く、数字もかけない。非常に楽観的で明るい人で夫も単刀直入に病気の話をする。
家族の顔が分からなくなるまであと2年ほど。「そんなーあんまりよね」と笑う。夫は最後までもつのか。経済的問題もあると苦悩を打ち明ける。

ケース3.
上品な婦人。夫が1人で介護する。「死が2人を分かつまでと誓ったんだ。今その時が来た。彼女への気持ちは変わらない。61年間の記憶がある」。「理解している、そう感じる時間があるから一緒に居られる」。
「そのセリフ!素敵じゃない!」と婦人は喜ぶ。怒らないように深呼吸し、どんなだか1人で留守番してみろよと取材者に言いのこして外出する。


「老後は悠々自適」のイメージは崩壊し、長生きすることのリスクだけが大きくなる現在、認知症予防にはもっと心がけなければ!と思わせるドキュメンタリーだった。


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