見出し画像

ヨーロッパナガミミズのコンポスト(1)

2018 年 9 月末に週末農業と生ゴミ処理の一環でミミズコンポストを始めた。

育ち盛りの二人の息子が果物と生野菜をよく食べ、私も毎日料理するので、大量の生ゴミが出る。長年罪悪感に苛まれていたが、コンポストについて知り、調べているうちに、都市部ではミミズコンポストが最も効果的に思えた。

命を預かるわけだから、しばらく考えた後、好奇心が勝り、またハンガリーでは釣りの餌としてしか販売されていないようなので、人工的な環境ながら少しでも長生きできるならと多少こじつけて、試してみることにした。

ミミズの種類

ミミズは近くの小さい釣具店で購入した。店主は学名を知らず、ハンガリー語で「giliszta」と呼ぶだけ。少なくとも Canadian night crawler ではないことは確認した(地中深くに潜り込むためコンポストに向かない)。ミミズの種類はシマミミズ(Eisenia fetida)だと思っていたが、2019 年 1 月末に動画サイトにたまたま表示されていた動画を見て、European night crawler(Eisenia hortensis/Dendrobaena veneta)であることを確信した。

この European night crawler、日本語の情報がネットでは一切見つからない。Wikipedia によると和名もないようなので、勝手に「ヨーロッパナガミミズ」と命名した。ナガミミズ目(Haplotaxida)に属するからである。略称は英語から拝借して「ユーロ」とする。

水平式ミミズコンポスト vs 垂直式ミミズコンポスト

ミミズコンポストは欧米と比べて日本ではあまり普及していないようで、動画サイトで英語での情報の収集を試みた。水平式は庭や畑、地下室、❝工場❞などで飼うのに向いている。これは都市部の狭いアパートには向かないので、垂直式にすることにした。

最初は失敗した場合を考えて小さいタッパーウェアで始めたが、これだと逆に失敗の確率が高いのではないかと思い、すぐに大きめのプラスチック製の鉢に移し替えた。だが、一番下の水受けにミミズが落ちると、救出するには中身を全て出さなければならないことに後で気づいた。丁度そのときにフロースルーシステムのことを知った。

フロースルーシステム

フロースルーシステムとは、上から生ゴミ等を投入し、下からキャスティング(ミミズの糞)を収穫する垂直式の一種で、一般的な垂直式では下のトレイに溜めてから収穫するが、フロースルーでは随時収穫する。

市販されている一般的な垂直式の容器の多くが高価で嵩張る。動画サイトに公開されている DIY のフロースルーの容器は製作方法が複雑で、キャスティングの収穫場所が汚れやすく掃除しにくい。

そこである方法を思い付いた。場所を取らず、秋冬に狭いアパートの屋内に設置するには最も理想的だと思った。ホームセンターに行き、バケツ 2 つとその蓋 1 つ、そして金属製の円形の鍋敷きを買った。合計で 1,000 円ほどだった。

(1)1 つのバケツの底を切り抜き、もう 1 つのバケツ(キャッチャー)の上に重ね、穴の部分に鍋敷きを置く。
(2)その上に裏紙として取っておいたA4の紙を数枚重ね、枯葉を敷き、土をかけ、失敗第 2 弾(上記のプラスチック製の鉢)の中身を投入する。
(3)最後に、穴を多数あけた蓋を閉める。

失敗第 2 弾よりも居心地ははるかに良さそうに思えた。だが、慣れない環境だからか、特に小さいミミズが蓋をすり抜けて脱出し、15 匹ほどが落命した。そこで、ガーゼよりも厚みはあるが通気性の良さそうな掃除用の布巾を髪の毛用のゴムで止めることにした。これが大成功。最初の 2 か月ほどは順調に進行しているように思えた。


- - - - - - 関 連 記 事 - - - - - -

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?