見出し画像

ウエイトリフティングを競技としてやるのか、エクササイズとしてやるのか?

この前、#挙活にとある投稿がありそれに対しての返信で
僕の考えを書きました。

「ウエイトリフティングをするのか
ウエイトリフティングの動きを利用してトレーニングするのか」

それに対する僕の考え方はこう↓

それに対して質問が来ました。

競技としてやる時と
エクササイズとしてやるときの違いは何か?という質問

それに対しての返信がこれ↓

なんかうまくまとめられなかったので
noteで記事にしようかなと思いました。

あくまで僕の考え方なので
参考程度に読んでいただければなと思います。
ここはおかしいんじゃない?この意見は賛成!
などご意見などがあれば連絡いただきたいです!

競技か?エクササイズか?

ウエイトリフティング種目をする上で
競技のスキル練習なのか
エクササイズとして取り入れているのか
という点でやり方が変わってくると僕は考えます。

同じことをやっているけどやり方が変わってくる。
特に僕みたいなウエイトリフティング競技出身者だと
ウエイトリフティングのフォームを完璧にして欲しくなる
という気持ちが出てきがちです。

もちろんウエイトリフティング選手のように
挙げた方が効率的に高重量も扱えるし理想でしょう。

しかし、ウエイトリフティング選手になりたいわけではない人が
そこまで完璧にやる必要はあるのでしょうか?

ごっちゃにならないために
競技をするのか、エクササイズをするのかを分けて考えないと
エクササイズの効果を得る前に競技人生が終わってしまうなんてことも
起こりかねません。

ということで少し整理して行きたいと思います。

ウエイトリフティングという競技

まずウエイトリフティングという競技を整理します。
日本ウエイトリフティング協会のHPにウエイトリフティング競技の解説があるので引用します。

ウエイトリフティングは階級制のスポーツで、それぞれの階級で勝敗を競います。
各階級ごとにスナッチ、クリーン&ジャークの順に行い、
それぞれの種目の最高記録による順位と2種目の最高記録の合計で順位が決められます。
成功、失敗の判断は、3人の審判または審判委員により、動きがスムーズか、また体とバーベルが平行か
など細かい判断が下され、ただ重いバーベルを持ち上げれば認められるというものでもありません。

日本ウエイトリフティング協会HP「ウエイトリフティングってどんなスポーツ?(ルール)」より

スナッチとクリーン&ジャークという種目それぞれで
バーベルを持ち上げて最高重量の合計で争う競技です。

簡単にいうと反則動作をせずに
とにかく重たいバーベルを持ち上げた人の勝ちです。

バーベルは床に置かれたところから
一回の動作で止まらずに挙げることもポイントになります。
クリーン&ジャークではクリーンとジャークで区切るので
実質2段階になりますが、それぞれを一回の動作で挙上します。

ハングクリーン、ハングスナッチなどは反則になります。

実際に試合の様子を見た方がわかりやすいので
最近出場した試合の動画をご覧ください。

スナッチ↓

クリーン&ジャーク↓


僕が思う
競技としてのウエイトリフティングは
・床に置かれたバーベルをスナッチ、クリーンする
・クリーンとジャークをセットでやる
・ルールの範囲内でできるだけ高重量を挙上する

練習では
・疲れていても高重量を挙げられるようにすることもある
・個人の体型に合わせてフォームが大きく変わることもある
・試合を想定した練習
・スクワットやデッドリフトなどもスナッチ・クリーンのフォームに合わせる
・競技種目、派生種目、SQ、DLは練習であり筋トレじゃないという考え

ざっくりこんな感じです。
試合でどうやって好成績を残すか?
ということを一番に考えます。

大学生の時には
スナッチだけで10セットやり
続けてクリーン&ジャークを10セット
その後にスクワット、デッドリフトと続くことも普通にありました。

ウエイトリフティングは
トレーニングと競技練習が近い競技なので
競技練習がトレーニングになることもあります。
なのでややこしいですね。

トレーニングと競技練習の関係性のイメージ図(あくまで山城のイメージです)

スクワットとデッドリフトをトレーニングと思ってなかったのは
今になって驚いています。笑

まとめると
大会で結果を出すためのフォームを追求するのが
ウエイトリフティング競技としてのスナッチ、クリーン、ジャークの練習

になります。

エクササイズとしての”ウエイトリフティング”

競技としてのウエイトリフティングは試合で高重量を挙げるための練習をします。
では、エクササイズとして取り入れる場合との違いはどういう部分でしょうか。

ウエイトリフティング系のエクササイズをやる場合に
最も求める効果としては「パワーの向上」でしょう。

スクワットやデッドリフトなどの種目で基礎的な筋力を向上させたら
競技スキルに活かしていくためにクリーンなどで爆発的パワーを向上させていく
ことを目的としてパワークリーンを取り入れている人は多いかと思います。

ウエイトリフティング競技とはやってることは同じでも
求める結果が違うわけですよね。

なのでウエイトリフティング選手と
全く同じことをやる必要はないと考えています。

同じことをやる必要がないということはどういうことなのかというと、
フォームは床からクリーンやスナッチしなくてもいいし、
キャッチが難しいならハイプルでもいい。

つまりやり方の幅を広げてウエイトリフティング種目を使おうということです。

フォームもウエイトリフティング選手のような
フォームを求めすぎることはしません。

これはセット数や回数にも言えます。
先ほどは競技者としてスナッチ、クリーンを10セットやったと書きましたが
トレーニングとして取り入れている人がそんなにやったらそれだけで2時間とか終わります。
他のトレーニングができません。
それだとトレーニングの効果すら出せないですね。

僕はクライアントさんに
ウエイトリフティング種目をやってもらうときは
クリーンかスナッチ、ジャークのどれが1〜2種目くらいしかさせません。
回数も全力が出せるように3回程度、セット数は3〜5セットです。

重くて無理やり挙上しているようなら重量下げます。
本人が軽いと言っていても下げます。

また、クリーンではパワー向上のトレーニングとして
広まっているのでとにかく早く力強く挙げればいいという
フォームに見えてしまう方も時々見ます。

僕はクリーンは
力任せに挙げればいいとは考えていません。
体を上手く使い、効率よくバーベルを挙上することが必要で、
各関節の発揮する力を組み合わせていくことで大きな力を発揮できると
感じています。

トリプルエクステンションは体を上手く使った結果起こります。
高重量を挙げるために少しでも多くの力をバーベルに
伝えきろうとした結果あの形になるんです。

高重量を挙げることだけが目的になると
フォームを無視して今の状態で挙げやすいやり方になるので
クリーンはクリーンでも求めてる効果が出るのかわからない動きになりかねません。

体の使い方は僕の中では大切にしているので
ウエイトリフティング種目を指導する時はいきなりは教えません。

基本的には分習法で教えます。
パーソナルのクライアントさんには
クリーンにたどり着く前にフロントスクワットやRDLなどの
クリーンのベースになる種目を先にやってもらいます。

習得に時間がかかるからこそ伏線を張っておきます。
そうするとエクササイズを組み合わせることで
フォームを作れるので時間を無駄にしませんし、
クライアントさんもストレスなくクリーンをすることができます。

もっというと
クリーンやスナッチだと痛みが出るや
なんか上手くできないといった場合はハイプルでもいいんですよね。

バリエーションがたくさんあるので
いろんなパターンのやり方を考え提供したらいいです。

床から挙げられる人は床からやったらいいし、
始めた手の人はハングからやればいいし、
キャッチが難しい人はハイプルやればいいし、
より素早く力発揮をしたいならハイハングやればいい。
といったようにバリエーションはかなりあります。

クリーンやスナッチのやり方をまとめようとしたら
それぞれで50種目くらいのバリエーションがありました。

それを上手く使えばいいかなど思います。

最終的には
同じことをやっているので
上手くなってくるとウエイトリフティング選手と
変わらないくらい上手く挙げられるようになる人も出てきます。


色々脱線したのでまとめると

<エクササイズとしてのウエイトリフティング>
・ウエイトリフティング選手を完璧に真似しなくていい
・いろんなバリエーションがあるので状況に合わせてやり方を変える
・いきなりやらせると難しいのでその前にやるといいエクササイズがある
・完璧じゃなくてもいいが抑えるべきポイントは抑えるべき

といった感じです。

最後に

トレーニングとして
ウエイトリフティングエクササイズを
突き詰めていくとウエイトリフティング選手と
同じような動きになっていきますが、
選手のようにスナッチやクリーン&ジャークに時間をさく必要はありません。

トレーニングとして取り入れている人は
トレーニングの効果を出すことを優先してください。

スナッチやクリーン、ジャークが上手くなりたい人は
たくさん練習してもいいです!

トレーニング効果を出すためには
ある程度整ったフォームでないといけないということも
意識をしていてほしいです。

完璧でなくてもいいけど
押さえるところはしっかりと押さえておく
そうすることで効果が出てきます。

逆に大事なポイントができていないと
ウエイトリフティング種目っぽいものをやってるだけになるので
お気をつけください。

一番いいのは
しっかりと指導できる人に習うことです!

サポートしていただけると嬉しいです!サポートは記事を書く活動費に使わせていただきます!