商品の戻し方

俺はスーパーで商品を元のところに戻す時、投げるように戻す奴が許せない。
そんなことでイライラするなんて、俺はほんと気が小せぇなぁ。
でも許せないんです。
精肉コーナーの前でおばさんが肉を手に取ってじっくりと眺めています。
でも自分の希望とは違ったのでしょう。
それを棚に戻すわけですが、その時にバサっと投げるように戻すのです。
実にガサツです。
投げているからガサツになるのは当然ですが、でもせめてキチッと置かれるように投げてください。
まるで縁日の輪投げのように、きちんと棒に掛かるように至極丁寧に投げて欲しいのです。
それが当たりを引くための最良の方法ではないですか。
いや、投げないでください。
肉を仕入れて切ってパックに詰めてラップをして値札を貼って店頭に並べてくれた商品を、そんな無碍に吐き捨てるように棚に投げ戻さないでください。
失礼です。
もっと言えばそのお肉の生産者にもお肉自身にも失礼であります。
おばさん、それはそこに愛がないのです。
その商品を買えるのは、それをあなたの為に用意してくれている人がいるからなのです。
だからそこに愛を持って欲しい、私はそう思います。

同じく精肉コーナーに、うら若き女性が立っております。
年の頃は20代前半。
ご自身のご夕食でしょうか、それともご家族の分をお探しなのでしょうか。
豚肉の細切れを手に取りました。
私は心の中で「あらあら、どうせなら塊で買ったほうが安いわよ。それをちょっと手間だけど、家で細切れにするばお金を節約できるわ。」などと、余計な親切心をこぼし、彼女を見守っておりました。
するとどうでしょう。
彼女はお肉を先程のババアと同様、棚にバサッと投げ戻したのです。
戻すべき場所が棚の一番下で戻しづらいからといった理由ではございません。
仮にそうであっても、そんなものはちょっと膝を曲げてそっと戻せば済む話です。
私はその娘の本性を見た気がしました。
身綺麗できちんと施されたメイク。
体裁を装ってはおりますが、そのお肉の戻し方一つに彼女の本性を見た気がしました。
きっと彼女のお部屋は汚いに違いない。
私はそこに彼女のガサツさを見つけてしまったのでした。

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ごめんなさいね〜サポートなんかしていただいちゃって〜。恐縮だわぁ〜。