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【投資詐欺】家族が振り込め詐欺にあったときにやること



このnoteの概要と目的

このnoteは、家族が振り込め詐欺にあった方、もしくはあっているのではないかと考えている方に向けて書いています。
私は家族が振り込め詐欺被害に遭い、精神的にも金銭的にもダメージを受けました。同じようなことが、全国の高齢者を狙って発生しています。
どうか、一人でも詐欺被害に遭う方が減るよう、詐欺被害がわかったらやるべきこと、そして被害にあったご本人への接し方について記載していきます。

また、詐欺にあっているかどうかわからないという場合も、高齢の家族が急に「投資を始めた」と言い始めたら、どうか聞き流さずに詳しく聞いてみてください。「本当は秘密なんだけど」「〇〇さんが教えてくれる」「投資の勉強会」などと言い始めたら、確実に詐欺にあっています。そして、すでに詐欺犯との信頼関係ができあがっており、カルトにハマってしまったように資産がどんどんと吸い上げられていきます。
これ以上、ご家族の資産を詐欺犯に吸い上げられることがないよう、なるべく早い段階で気がついて、対策をしてください。まあ大丈夫でしょ、などと思わないでください。

1. 詐欺被害がわかったら、すぐやること

振り込め詐欺にあったことがわかった場合、いち早く銀行へ連絡し、警察に相談を行いましょう。

振込先銀行への連絡

詐欺被害がわかったら、一刻も早く詐欺口座を銀行が凍結できるよう、銀行に詐欺連絡をしましょう。その際、必要になるのが以下の情報です。
焦らず、被害にあった家族から以下の情報を聞き出して、銀行に連絡しましょう。
振込先の支店・口座番号・口座名義
振込元の金融機関・支店・依頼人名、振込金額、振込日

以下、代表的な銀行のコールセンターと検索先です。
・みずほ銀行 振り込め詐欺資金返還コールセンター 0120–233–862
・三菱東京UFJ銀行 振り込め詐欺救済法照会ダイヤル 0120-860-413
・三井住友銀行 振り込め詐欺資金返還ホットライン 0120-950-136
・PayPay銀行 振り込め詐欺被害受け受けフォーム
その他銀行はこちらから検索できます → 一般社団法人全国銀行協会

この電話をすることにより、銀行は口座を凍結することができ、被害者は振り込め詐欺救済法により、詐欺口座に1,000円以上の預金が残っている場合は、詐欺被害の被害者の数と振り込んだ金額に応じて返金を受け取るための手続きを開始することができます。
振り込め詐欺救済法のわかりやすい説明はこちら
振り込め詐欺救済法に基づく公告はこちら

家族の住む地元警察署への連絡

銀行に連絡した後は、地元警察署に連絡をしましょう。
私は家族の住む家から110番するようにと言われて帰れる距離だったので帰りましたが、遠方で実家にすぐ帰れず、親はまだ詐欺を信じていないので警察への連絡をしない、という場合もあると思います。その場合は、実家の最寄りの警察署に電話連絡してみることをお勧めします。
もしくは、あなたの近くの交番でもいいのでまずは相談をしてみてください。

2. 被害を受けた家族への接し方

詐欺被害を認める前

頭ごなしに否定をしてもいいことはありません。ご家族は「せっかく儲かっているのに理解してくれない」と思い、より頑固になり、被害を食い止めるための振り込み銀行や振り込み詳細などを入手することができなくなります。あなたが詐欺であると確信しても、叱ったり無理に取引をやめさせようとしてもうまくいかない可能性があります。まずは、家族の話を聞いて、被害を最低限に食い止めるべく、情報入手を第一に行動しましょう。

詐欺グループには、あなたの家族と信頼関係を構築するための担当者がいます。あなたの家族の不安を全てを聞いて、理解し、投資のやり方を1から教えてくれる”私も投資初心者でした”という、手が届きそうな”先輩”です。
この詐欺は一度コミュニティに入ると、投資していることを口外しないようにいわれていることもあり、家族にも投資していることを言わない可能性もあります。
離れて暮らしている方は、様子を確認する電話(「最近、お父さん・お母さんの年代でも投資とか流行ってるみたいだけど、なんかしてる?」など)をしてみてはいかがでしょうか。
一緒に暮らしている方は、しきりに携帯を確認する、毎日決まった時間に携帯・PCで何かやっている様子はありませんか?何かおかしいな、と思ったら、声をかけてみてください。

詐欺被害を認知した後

詐欺被害を受けたことにより、一番ショックを受けているのは当事者であるご家族、その人です。決して責めたりせず、いつもどおり接し、本人が楽しめるもの(Netflix、映画、読書など)を勧めましょう。
ぱーっと気晴らしなどしたくなるかもしれませんが、本人はショックを受けて茫然自失の状態です。まずはただそばにいること、離れて住んでいる場合は、毎日電話するなどして、「あなたは一人ではない」というメッセージを感じてもらうことが重要です。
また、あなた自身も気を張っていますがショックを受けているはずです。家族を責めたくなってしまう気持ちも自然な感情であると認めた上で、一息深呼吸をして、コミュニケーションを取るようにしましょう。
そして、自分自身の休息も忘れないように、どうぞご自愛ください。

3. 事例

私の家族は当初詐欺であることを信じておらず、「本当は他の人に伝えてはいけない内容である」ということで、警察へ連絡することもかなり躊躇っていました。
数日後、出金申請したにもかかわらず、入金がないことから、詐欺である旨を理解したようです。
この投資詐欺はカルト的な部分があります。
仲間内で著名人から教えを受けて投資をしているという優越感、グループ全員で同じタイミングで買い付け・売却を行うというチーム感、確実に投資がうまくいってどんどん資産が増えていくことへの高揚感、今お金を投資をしないと機会を逃してしまうという焦燥感がうまく組み合わされており、ハマったら一人で抜け出すことは困難です。
どうか、ひとりでもハマる人が出ないよう、そしてハマってしまった人の被害が小さく収まるように願っています。
犯人は地獄に堕ちろ

2月某日 (木) 22:00

家族からのLINEで怪しげな投資を行なっていることを把握。電話・LINEで詳細(投資金額、投資手段、投資を行うプラットフォームのスクリーンショット)を確認し、詐欺であることを確信。

翌日 10:00

振込先を確認し、振込先銀行のコールセンターに連絡。銀行で調査の上、詐欺口座と分かり、千円以上の残高がある場合は返還となる可能性があるが、半年程度時間がかかることを説明される。

同日 11:00

自宅最寄りの交番に相談にいく。そこで警察官より、私と家族は異なる都道府県に住んでいるため、私ではなく、家族の住む住所を管轄する警察署が捜査を行うため、実家から110番し、状況を説明するのが一番である、ということを教えてもらう

同日 12:00-14:00

実家へ急行。
移動中に、これまでの経緯をiPhoneのメモ帳に詳細に入力

同日 14:00

詐欺だと思うので110番してよいか家族に確認。了承を得て、実家より通報。状況を説明し、警察署に赴くこととなる。

同日 15:30

警察署にて、改めて詐欺状況を伝える。このとき、移動中に作っておいたiPhoneのメモ帳をそのまま見せることで時間短縮ができた。
※状況説明の際、担当の警察官の方に「家族とは別でお話しできますか?」と聞いたが、一緒に聞きます!と言われ、家族も一緒でいいと主張したため、家族の目の前で私が状況を説明することになりました。
※※これも仕方がない部分ではありますが、警察の方は、私に対しては敬語、高齢の家族に対してはタメ口で、遠慮なくスマホの中を見て(「LINEみるよ〜」といい、家族が良いという前に見ていた)、家族は傷ついただろうと思い、心が痛くなりました。
※※※しかし同時に、「LINEの中にいろいろな投資グループなどがあるので、注意して全てブロックしてください」と私にアドバイスくれました。その行動がなければ、私は家族のLINEの中身を見てブロックしなければならないとまでは考えなかったと思います。そのため、警察の遠慮のない行動は必要なことだったんだと納得しています。

同日16:30

警察署を出てカフェへ。
家族に警察署で不快な思いをさせてしまったことを謝罪し、LINEで不要なものをBlockさせてもらえるかを確認。了承を得て、不要なグループのBlock作業を行うが、投資詐欺グループのグループLINE(〇〇投資戦略)、投資学習のグループLINE、コミュニケーション担当の女性(個人名)、著名人(堀江貴文やひろゆきを名乗る)のLINEはBlockしたくないとのことでブロックできず。

翌々日

家族より「詐欺だったんだと思う」と連絡が来たので、再度実家に急行し、詐欺関連のグループ・個人をBLOCK。

4. おわりに

冒頭に書いた通り、このnoteの目的はひとりでも多くの方が被害に遭わないように、そして被害にあっている方の被害総額がなるべく小さく収まることです。
忙しくて家族とコミュニケーションを取らないのは、いまの社会ではふつうですが、どうかこのnoteを読んだら、2分でいいので高齢のご家族に電話をしてください。LINEでもいいです。
あなたの家族の資産と尊厳を奪われないために、一歩だけ踏み出してください。

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