病前のように楽に歩くことを目指す!!![倒立振り子時モデル/ロッカーファンクションから考える自主トレの考え方]
お疲れ様です!はらリハです!
本日は…
脳卒中後遺症後「歩行の効率性を格段に向上させるために考えたい倒立振り子モデルと自主トレの結びつけ」について解説していきます。
当事者に向けての投稿です。
※ 引用書籍
事前に読んでおきたい記事
はじめに
皆さんは脳卒中後遺症に伴う「歩行障害」に対して、どのようなリハビリを取り組んでいますか?
◻︎ ストレッチ
◻︎ 筋トレ
◻︎ 歩く
◻︎ 電気治療
◻︎ エアロバイク など…
人によって様々なメニューを取り組んでいると思いますが、本当にそのリハビリって必要ですか?
☑︎ 自分の課題に関係ないリハビリ
☑︎ やってるリハビリの目的を知らない
☑︎ やってるリハビリを日頃に生かせない
など、
「取り組んでいるリハビリの効果を最大限に発揮できていない方」
or
「そもそも取り組んでいる自主トレが症状に合っていない方」
は非常に多いと思います。
そこを踏まえて、本日は「ロッカーファンクションから考える膝関節への自主トレの結びつけ」を解説します。
難しい内容ですが、ここを知っていると、自分の歩きが数倍変わるので、ぜひ参考にして下さい。
結論
病前のように効率的で楽な歩行を獲得するためには…
「倒立振り子モデル」
と
「ロッカーファンクション」
の活用が必要です。
麻痺を感じない生活を獲得する為の1つの手助けになればと思います。
健常者の歩行から観察される「倒立振り子モデル」について
セラピストが評価/治療の参考にするものとして「正常歩行分析」というものがあります。
簡単に言うと「健常者の歩行を分析し、そこと比較して何が足りていないかを観察し、その足りない部分を評価と治療に取り込む」ことを言います。
その正常歩行の中に「倒立振り子モデル」と呼ばれる要素があります。
本来は、重力を利用することで推進力が生まれ、エネルギー消費の少ない効率的な歩行を可能にしています。
みなさんがイメージしやすいのは…
☑︎ ブランコ
☑︎ 振り子時計
☑︎ メトロノーム
この辺りを想像しやすいと思います。
この動きを倒立(逆さま)させた振り子の運動を「倒立振り子モデル(下記図)」と呼びます。
この振り子運動が歩行にどう影響するのでしょうか?
次に説明します。
倒立振り子モデルとは?
これは、人がエネルギー消費を少なく歩行するためには必要な要素です。
先ほども伝えたように、重力を利用することで推進力が生まれ、その推進力を使うことで人は効率的で楽な歩行を行うことができます。
下記の図を見ながら歩行との繋がりを簡単に説明します。
これは、位置エネルギーを運動エネルギーに繰り返し変換することで、最小限の運動で前方に進むことができます(推進力)。
イメージしやすいように「ジェットコースター」で考えてみましょう。
これを歩行で考えると、「2本の足が交互に、重心を上記の図のように上下に移動させて、位置エネルギーを運動エネルギーに変換することを繰り返している」と言えます。
脳卒中後の歩行では、この重心の移動が上下に動かず、一定の高さの場合、位置エネルギーを運動エネルギーに変換できないため、筋肉を使って足を前に移動させるため、非常に疲れやすい歩きになってしまいます。
そこを踏まえて、ロッカーファンクション(ロッカー機能)を考えましょう。
ローカーファンクションとは?
ローカーファンクションとは…
「足部を軸にして効率よく重心を前方に移動するための戦略」です。
この戦略は以下の流れで歩行に反映されています。
この戦略は『足関節、足部を軸に、下肢全体が倒立振り子のように前方に傾くことで、上半身は直立を保ったまま、効率よく重心を前に移動できる』ことを指しています。
そして、この囲いの図の中では「膝関節はさほど動いていない」が「股関節と足関節の角度は大きく変化」していることがわかります。
重要なのは…
と言うことです。
特に、歩行の中で関節の位置と各関節が反応する運動方向で重要になる相が「立脚中期(下記の図)」です。
立脚中期の始まりでは…
☑︎ 床反力ベクトルは「足関節後方/膝関節後方/股関節前方」
☑︎ 関節の運動方向は「股関節は伸展方向、膝関節は伸展方向、足関節は背屈方向」
立脚中期の終わりでは…
☑︎ 床反力ベクトルは「足関節前方/膝関節前方/股関節直上〜後方」
☑︎ 関節の運動方向は「股関節は屈曲方向、膝関節は屈曲方向、足関節は底屈方向」
つまり、立脚中期では始まりと終わりでは働く筋肉が入れ替わることを意味しています。
※ 床反力ベクトルとは?
→地上で身体に重力がかかり、身体が姿勢を保持している場合、床からの反作用として床反力が生じ、ベクトルとして表される。
ここが、獲得できれば歩行の効率性は上がり、膝関節のトレーニングが行きてくるわけです。
次に、脳卒中後の歩行はどのようになるのか、原因と改善策を探りましょう。
振り子運動が使えない理由は何?
脳卒中後遺症の特徴として「倒立振り子運動」は起きず、股関節、膝関節、足関節の位置が変わらない状態で歩くことが多く見られます。
このような歩容では、床半力ベクトルが常に膝関節は常に曲がる力が加わるが、関節上は伸ばした方向に動いているため「骨や靭帯などの組織に負担がかかり反張膝といった症状」が出現してしまいます。
これは、膝関節が過度に曲がる現象(膝折れ)と常に膝関節が曲がっている歩行でも同様で、膝関節の位置関係は変化がしにくく、膝関節の組織への負担は強まります。
+ロッカーファンクションのように効率的な重心の前方移動も得られ難くなります。
このように、立脚相(以下図)を通じて、床半力ベクトルと各関節の位置関係が変わらない要因として『麻痺側に加重した際に股関節、膝関節、足関節が同じ位置関係で、同じ筋活動の組み合わせでしか体重を支えることができていない』と考えられます。
自主トレーニングの方向性(治療の考え方)
歩行時に膝関節の動きに問題を感じる、指摘された場合、基本的に目指したい方向性は以下です。
☑︎ 歩行時の股関節/膝関節/足関節の位置が変化する
☑︎ 常に膝関節は適度に伸ばす力で体重を支えることができる
☑︎ それらの変化、支えの時に上半身がブレずに直立位を保っていられる
それを獲得するために、次回は自主トレ指導を行います。
終わりに
ここまで、読んで頂きありがとうございます。
最後に、脳卒中後遺症の改善に向けた自主トレメニュー(有料500円)を紹介します。
「病院でやっていたリハビリ」と「本来回復に必要なリハビリ」
がズレていることが非常に多いです。
よく聞くのが「原因は筋肉」という話。
筋肉トレーニングも必要ですが、よくよく考えると根本的な問題って脳じゃないですか?
だって脳の損傷なんですもん・・・
脳の回復に必要なリハビリしないといけないじゃないですか。
そこをピックアップした自主トレを提供しています。
なぜ自主トレで回復するのか・・・
根本的な問題である脳の問題に対して「脳と手足の神経の繋がりを作るリハビリ」を根源に作った自主トレメニューだからこそ「改善する」がついてきます。
根本的な問題に着目したメニューなら回復も見込めると思いませんか?
今よりも10歩も20歩も先の自分になるためにも、使えるものは何でも利用しましょう。
内容は大きく分けて3つです。
☑︎ 病態、症状の理解
☑︎ 病態、症状の原因
☑︎ 自主トレメニュー
となっています。
病態を理解することで、なぜ自分がこのような状態になり、どこに問題があり、どこを気をつけることでその症状が緩和するのか、図や写真を使いながら分かりやすく解説しています。
全く動かせない方から、症状が軽いけどうまくいかない方まで、必要な機能的要素と脳科学的な知見を併用したメニューになっています。
根本的な問題の解決をテーマに、最高の技術と知識をフル活動させて作った自主トレメニューです。
販売してから既にnote経由を合わせて50件以上、おかげさまで好評を頂いています。
500円で購入できますが、安価で買えるような自主トレメニューではないです。
一人でも多くの方が麻痺のない生活に少しでも戻れるように願いを込めて作りました。
ぜひ、使って見てください。
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