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急性期での初回介入時に離床する意義を考える

おはようございます🌞

本日も臨床BATONにお越しいただきありがとうございます!
382日目を担当する、理学療法士のシミーです!

私の記事では、臨床10年の経験をもとに、患者様のことをどのような視点で考えていくのかということをメインにお伝えしています。How towよりも、考えるという部分にフォーカスした内容になっております。私自身が臨床で理解できなかった経験からどのように考えていけば解決の糸口が見えてくるのかということをお伝えしていきます!興味がある方は是非最後まで読んでください。


本日は急性期における初回介入時のアプローチについて考えていきます。
皆さんは初回介入時にどのようなアプローチをしていますか?

私自身、新人の頃は最初に何をすればいいのか迷ったまま時間が経過してしまった経験があります。

そして介入の回数を重ねるごとにアプローチの意義が明確になり、効率的な内容に変わっていくという経験をした方もいるのではないでしょうか。
これは、評価とアプローチが結びつかなくて起こる現象です。さらにはアプローチという構造を理解できていなかったからです。

ここを結びつける思考をどのように身につけていくのかが、初回介入時に迷わないために必要なのです。
今回は急性期での初回介入を例にして、思考を深めていくための内容となります。


○アプローチの位置づけ

私たちが使うアプローチという言葉は治療手段全般のことを言っています。

アプローチは、ゴールやそれに対しての目標が決定した上で考えることになります。要は目標に対して適切な手段が選択できているか?ということです。

評価から得られた情報から目指す状態(目標)に向けて逆算ができているかが重要です。

カーナビで例えてみましょう。
カーナビを使用するときには

①現在地の表示

②目的地の入力

③目的地までのルートを表示

④自分に合ったルートの選択

⑤ルートの確認

⑥ナビゲーションに従ってスタート

という流れがあります。これを臨床に置き換えてみます。

①患者様の状態を把握(評価)

②患者様がどうなりたいかを把握(最終ゴール)

③どのような回復過程があるかを仮説する(期間や状態)

④どのように回復するかを選択する(なにを優先するか基準を出す)

⑤回復する過程で必要なステップを決定(短期ゴールの設定)

⑥アプローチを開始

というように置き換えられます。

③ と②はわかりやすいのですが、③はわかりにくいと思います。

③は回復していく過程を複数仮説することです。早く回復するようにスピードを重視するか、疲労しすぎないように疲労度を重視するかなどです。カーナビでは料金のかからない一般道優先か、早く到着するために高速道路優先か、途中に経由したい場所があるので遠回りの道を優先するというようなルートの選択肢です。

④は③で出した選択肢の中からどれを選ぶかということです。これに関しては本人や家族の想いを知らないといけないのでセラピストが決めるわけにはいきません。

⑤は決定したルートにおけるステップアップする目標を決定します。ここが目標設定になります。

⑥はその目標を達成するために必要なことを身につけるための手段を実際に進めていくのです。

アプローチと言われるのは⑥ですので、そこまでの①~⑤ができていなければ効率的なアプローチにはなりません。たまたま、アプローチの効果が出てもそれが良いか悪いかもわからないのです。

○評価とアプローチを結びつける

評価とアプローチを結びつけるためには、ゴールを決定することが必須となります。ゴールとは、究極を言うと「人生が豊かになること」です。人それぞれ価値観や人生観は違うので、その人にとっての「豊かな人生」を探します。簡単に決まるようなものではないのですが、これを患者様と共に考え、それに向かって歩んでいくことでその方に合ったリハビリテーションを提供できるのです。

少し話が逸れてしまいましたが、目指すことが決まっていなければ評価とアプローチは結びつかないのです。

○急性期で離床を優先する意義

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