なにをどうして、どうやって
雨はひっそりとその身を隠すように世界を湿らせていた。空気は湿気のせいで淀み、重苦しい雰囲気が僕を包んでいた。何を、なんのために、どこへ、どうやって進めればいいんだろう。
やらなくちゃいけないことは多かった。それは洗濯から別れ話まで限りなくあった。いや、あるような気がしていた。
でも、何もする気になれない。もう何が正義で何が悪なのかわからなかった。幾人かの恋人の顔が浮かんだ。
どうしてそう何人もと付き合わなくてはならなくなったのだろう。そんなの成り行きだ。3人の顔が浮かんだ。
それぞれに特徴はあった。顔が好みの女の子。胸の大きい子。小柄な子。どれも一長一短だった。
ソファに深くこしかけて、身を沈める。何をどうして、どうやって、どこへ…。みんな大好きと言ってくれる。
結果的にはうそなんじゃねぇの。自問自答しても好転しない。僕は、自分の信じたかった道を歩みたかっただけなのに。
誰も傷つけはしたくないのに。
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