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無印老人日記

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齢73歳。日進月歩ならぬ日退月歩。老いの兆候が次から次へとやって来る。 1時間で読めた朝刊に休み休み2時間もかかるし本を読んでも1時間も続かずすぐページを閉じてネットサーフィン… もっと読む
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記事一覧

面白くて情けなくて言葉を失う       映画『はりぼて」

面白くて情けなくて言葉を失う 映画『はりぼて」 富山のローカルTV局チューリップTVが制作したドキュメントフィルム。 平成から令和にかけて富山市議会で露見した議員政務活動費の不正使用問題を執拗に追う。 議会のドンで自民党最大派閥の長老議員の議員報酬お手盛り値上げ案の提出から政務活動費の不正使用問題へと広がっていく。審議を司る議長にも不正が発覚して辞任し新たな議長に代わるが、その議長にも同様の不正が発覚し不正はないと思われる少数派閥の議長に交代。やれやれこれで一段落と思った

凄すぎて言葉が見つからない 藤井新名人誕生

「凄い!」を超えたようなことに出会うと言葉が見つからない。 昨日、藤井聡太六冠が史上最年少名人と七冠を達成した。 将棋を知らないのにミーハーな私は、彼が棋士デビューから29連勝して以来ずっと彼のニュースを追っかけている。将棋はわからないので、もっぱら勝負の結果と彼のコメントや師匠や名だたる棋士たち(この方たちだってめっちゃ凄い)のコメントが楽しみである。 昨日の勝利直後の会見も面白かった。 記者が色んな質問をするが、彼が答えて口を開くまでの時間が異様に長い。困ったよう

無印老人日記

幸せと関係の距離感 人間年老いていくら春秋を重ねても同じような失敗を何度も何度も繰り返す。それでも少しはわかってくることもある。 そのひとつが関係における距離感。 自分と他者との人間関係。 家族恋人友人などいくら親しく近い関係でも近づき過ぎると関係に亀裂ができる。お互い完全に理解し合い一心同体という状態は瞬間的にしかあり得ない。 幸せな関係には、近づき過ぎず距離感を持って、感謝と敬意と思いやりを持ちながら互いに依存せずに自立すること。 自分と自分自身との関係、自分

「転倒の日」に想う

老人は歩いていて思わず心浮き立ちスキップすることは無い。 スキップしたらコケるかギックリ腰になる危険性が高い。 今日10月10日はテン・トウの日と言うらしい。 年寄りは転ばぬようにという日らしいが、まんざら笑い事でもなく思えるのが寂しい。 道で若者が颯爽と歩いているのを見ると輝いているようで羨ましい。 自分が若い時は若いということに気づかなかった。 年寄りから見て輝いているとは思いもよらなかった。 失って初めて若さも美しく輝いて見える。 と言っても、老人は醜く暗いとも思