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秋の虫の声。外人は雑音にしか感じないと聞くけれど・・・

夏が終わりかけのニュージーランド。

夜に聞こえてくる涼やかな虫の声に、秋の訪れを感じます。

いいですよねー、秋の虫の声。

楽しかった夏休みが終わってしまう切ない感じ。なぜかそんな記憶を僕は思い出して、なんとなく懐かしい気分になります。


ところで

「日本人は虫の鳴き声を心地よく思うが、
 外国人は虫の鳴き声を雑音にしか感じない。」

という話を聞いたことありますか?


一説によると、秋の虫の声を風柳に思うのは、日本人特有の感覚らしいのです。


僕はその話を昔聞いて、

「そーか外国人はこの趣がわからないのか・・」
(日本人でよかった)

と妙に納得してたんですが、、

さて、それは本当なのか。


というのも、実はこの数日、コオロギの鳴き声に悩まされてます。


部屋に入ってきて、どこかにいるんですが、

コオロギってこんなにうるさいの??

ってくらい爆音なのです。


***


最初は2週間ほど前。

夜、寝ようと思ってベッドルームに入ると、

クローゼットから

コオロギらしき虫の声が聞こえました。


(そーか、もうすぐ夏も終わりか。。)


別に虫の声は嫌いじゃないから

そのまま気持ちよく寝れると思ったんですが、

僕が秋の虫に期待する声よりも、明らかに音がデカいのです。


ギンギンギー

ビンビンビー

ジージージー

なんだかわからないけど、とにかく部屋中に響きます。


(これはいかんぞ。とても眠れん。。)


捕まえることにしました。


ところが、僕がクローゼットに近寄ると、

そいつはピタっと泣き止みます。


けどクローゼットを離れてしばらくすると、

また鳴き出す。

(こいつ気配が読めるのか。。。)


次は、もっと慎重に、そろっと近づく。

しかしまたピタっと止まる。

手ごわい。。


とりあえずクローゼットの中を手当たり次第探しますが、

ものがいっぱいで、簡単には見つかりません。。


なんとなく聞こえてた音の位置を頼りにしますが、

正直、上なのか下なのかすらよくわからない。

今、鳴いてほしいんだが。。


…と、その夜は、コオロギとの格闘が始まりました。


クローゼットから逃げて、
ベッド下にでも入ってしまったらさらにやっかいで、

けど、全然鳴かないから、どこにいるか全くわからず、

かかってる服のポケットとか、荷物の中とか、1個1個慎重にチェックしながら、、

結局、クローゼットの中身をほぼほぼ全部出しました。


その結果、やっと見つかった時には

ほぼすべての荷物をクローゼットから出し終わってました。

そして見つけたコオロギは、たった1匹。。


「え、たった1匹でこんな爆音出すん??」


コオロギってこんなだったっけ・・?

びっくりでした。


そいつを確保して、外に逃がしました。


***


1匹退治して安心してたんですが、

数日後、こんどはリビングルームに。。


そいつがこの2日間、夜になると爆音を響かせます。


今度のは近寄っても泣き止みません。

しかし奇妙な術を使います。


音は明らかに部屋の角にあるデスク周辺から聞こえてきます。

おそらくデスクの脇の壁のあたりにいる。


しかし、そのデスクに近寄ると、音が変わります。


デスクの上で耳をすますと、なぜか音が小さくなる。

一方、デスクの下に頭を入れると、あきらかに下でもない。


けれど、デスクから離れると、やっぱりデスクの方向から「爆音」が聞こえる。


んん?

なんだこれー・・・


と思いながら、

デスクとソファーの行ったり来たり繰り返す僕ですが、

角度によって強まったり弱まったり、きっと壁に反射してですが、どこなのかよーわからない。


1時間近く探しましたが無理でした。

僕には見つけられません。


こうなったら天下の宝刀、スプレーを出すしかない、と手に持ちましたが、発射する対象すら定まらず、適当にまき散らすものの、まったく効果ありません。


もしかしたら僕は、この敵に近づけてすらいないのかもしれない。

・・ってことで、そいつは、まだ退治できていない。


***


冒頭に書いた

「日本人は虫の鳴き声を心地よく思うが
 外国人は虫の鳴き声を雑音にしか感じない。」


ですが、

これ、本当に感覚の違いなんでしょうか。


もしかして、いやきっと、、単なる虫の違いじゃね??

って。


だって僕の部屋にいるコオロギ、

たった一匹で本当に爆音ですもん。


こんなの

「雑音どころか、騒音以外なにものでもない!」

って、、日本人の僕だって普通に思います。


(日本のコオロギってこんなだったかなあ。。)


・・・という海外生活してみて初めてわかったこと。

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