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『一期一会』...詩画集message from spirits


いつものカフェ 友人と語らうひと時


カウンター席から見るお決まりの風景に

今 ちょっと変化が…


朝から強い風が吹き荒れていたあの日

窓ガラスの向こうに 突然現れた美しい姫君…



かなり長い間 強風に飛ばされないよう

必死にしがみついていたっけ


でも 一段と強い風が

口笛のような音と共に吹き抜けた瞬間


あっと思う間もなく

その姿は幻のように消えてしまった


美しい姫君との 切ない一期一会...🍀

noZomi

・・・

「一期一会」

・・・

僕が小学校3〜4年生の頃の夏休み。 
いとこ達と一緒に、遠い親戚の家に泊まりに行った時の思い出…


人見知りが激しかった僕は、口数が少なく、
自分から知らない人と話をするなんて事は、全く出来ない子供だった。


ある日、親戚の家から少し歩いた場所にあった駄菓子屋さんに、子供達5人で立ち寄った。


僕以外は、店番をしていた高校生くらいの女の子にすぐに懐いて、お喋りを始めた。

僕はと言えば...
いつものように皆んなの後ろに隠れるようにして、所在無さげに黙って立っているしかなかった。


でも店番の女の子は、そんな僕にも他の皆んなと区別する事無く、笑顔でいろいろと話しかけてくれた。

名前を聞いてくれたり、学年を聞いてくれたり、
気付けば彼女はその時、他の誰よりも、僕といろいろな話をしてくれていた。


彼女には、いつも寂しさを抱えていた僕の心が見えていたのだろうか...



皆んなと平等に僕を扱ってくれる大人に会ったのは、その時が初めてだった。(その頃の僕から見れば、高校生はもう立派な大人)


とても嬉しかった。


大人というものは、こういう場面では往々にして、僕の事を透明人間よのうに
「そこには居ないモノ」
として扱うのが常だったので…


一緒に居たいとこたちにとっても、誰かと楽しそうに話をする僕の姿が、余程珍しかったのだろう。

旅の最終日。

出発する前のわずかな時間、いとこたちが叔母の許しをもらい、
その女の子に僕がさよならを言えるようにと、駄菓子屋さんまで連れて行ってくれた。


いとこたちは彼女に、ここで初めて見た自分達が知らなかった僕の姿について、少し興奮しながら伝えていたっけ...

ちょっと恥ずかしかったけれど、皆んなの気持ちが嬉しかった。

彼女もとても嬉しそうに、その時も僕といろいろな話をしてくれた。



優しい人だった。

最後に 「また来てね」と笑顔で言ってくれたけれど...


それ以来、その親戚の家に行く機会が再び訪れる事はなかった。

もう、一生会う事は無いだろう。


あれから随分と長い月日が流れてしまったし、
あの場所がいったい何処だったのかも、今となってはわからない。



寂しがりやだった小さな僕の心に、
ほんのひと時、暖かな陽の光が差し込んだ。


そんな『一期一会』の想い出話...🍀

      noZomi hayakawa

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