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【 流山本町×TX沿線つながる・高めるプロジェクト 】に参加したときの話@machimin

先日は流山駅にある観光案内所兼コミュニティスペースmachiminでスタッフを始めるまでの話を振り返りました。

今回はmachiminでの出会いから派生して参加させていただいた、【 流山本町×TX沿線つながる・高めるプロジェクト 】でのイベントを振り返りたいと思います。

はじまりは「ほみちゃん」との出会いから

私が初めてmachiminを訪れたときは、月に一度の”合同アトリエ”と呼ばれるイベントの日で様々な方がそれぞれの想いでイベントを開催されていました。

粘土を使ったワークショップをされる粘道の大野さん

店舗のないコーヒー屋/移動カフェを商うNomad Coffeeの尚さん

https://www.instagram.com/nomadcoffee.n/

訪問看護の仕事をしながら「もしバナゲーム」と題して”人生最後をどう在りたいか”についてのワークショップをされる方

読む人を成長させる本棚をつくるという百日紅と太陽という本屋さん

プレーパーク流山の運営に携わる滝口さんによる「公園相談室」(こちらはアトリエではなく、流山市のみどりの課と協定締結をした「公園をまちのお庭に」という活動についてmachiminでお話できる場です)

https://www.instagram.com/playparknagareyama/

2022年10月のmachimin初回訪問では、どなたが何をやっている方かを判別することに精一杯でmachiminの中で佇んでいたところ、「どこから来たんですか」と声を掛けてくださった方がいました。
「流山おおたかの森です。どちらですか?」と答えると、「私もおおたかです」と答えてくださり、お名前をお聞きすると「ほみちゃんです」とおっしゃっていました。
ほみちゃんとお話をしていたところ、お会いする約束していたmachimin代表の手塚さんがいらっしゃいました。

その日はmachiminという場で自分なりの活かせることをもって参画してみたいと思いから、訪問していました。
手塚さん、ほみちゃん、岡田さん(machiminスタッフの方)を前に、はじめましての自己紹介していると、長々と話しながら自分で何を話しているのか分からなくなりました。
手塚さんからの「…でmachiminで何がしたいの?」という質問に、「…」(私は何がしたいんだっけ?)とうまく言葉にできず。
machiminという場が、関わる人の好きなこと得意なことを活かしてまちづくりに参画していく場であるとした点はイメージを持ちつつも、自分が何をできるかまでは全くイメージを持てていませんでした。(考えが足りていませんでした)
私が言葉につまっていると「絵を描けるよね」と手塚さん。
手塚さんは書籍にもあるように、会う予定の方の事前情報をSNS含めて確認されます。私は趣味で描いているイラストをSNSに載せておりました。

その会話の流れの中で、「11月に行うオープンハウスで絵を描いてほしい」とほみちゃんからお話がありました。
「どんな絵ですか?紙ですか?サイズは‥」などと色々確認すると、「完璧じゃなくていいよ」とほみちゃんからの言葉。
「私でよいのでしょうか」とはっきりせずにいると、「描き方など確認していないで、やってみたらいいじゃない」と岡田さんの言葉。
「はい…やってみたいです。」という流れで絵を描かせていただくことになりました。

会話の終盤で、ほみちゃんが市議会議員の近藤みほさんだということに気づきました…。

ほみちゃんこと近藤さんが源氏名でmachiminにいた経緯は、以下の記事をご確認ください。

流山本町のツアーで北から南へ

約1ヶ月後に絵を描くことが決まり、「流山本町の昔の景色などを描いてほしい」という点と「イベント当日は来訪された方のお話を聞き、絵を描き足していってほしい」という点をお伝えいただいていました。
そして近藤さん(ほみちゃん)から生まれも育ちも流山の渡辺じんじ市議会議員を紹介いただき、machiminで待ち合わせをして流山本町を案内していただくことになりました。

流山駅前にある案内板

私は流山市に住んでいながら、お恥ずかしいことに市議会議員の方がどなたかを存じ上げず、どのような仕事をするのか知りませんでした。
私はじんじさんに「市議会議員さんはどのようなお仕事をしているんですか」とこどものような質問を投げかけてしまいました。
困った様子もなく、「決まったことだけするというよりは街の人の声をきいて、まちづくりに反映していけるように日々色々なことをしています」とお話してくださいました。
お話にあるようにじんじさんと流山本町を回っていると、いたるところで住民の方との挨拶が行き交っていました。会話の内容は世間話もありながら「江戸川付近の草がのびている」など街の人のさまざまな声を聞いている様子でした。
流山本町についてお聞きしながら、普段お話を聞く機会のない市議会議員さんのお仕事の様子を見学させていただいているようでした。
流山本町のツアーでは北から南まで、本町の見どころを2時間ほどで自転車で案内いただきました。

流山はみりん醸造5代目秋元双樹と小林一茶のゆかりの地です
野田の醤油、流山のみりん

千葉県の野田市にキッコーマンの醤油工場があることをご存じの方も多いかと思いますが、千葉県流山市にはキッコーマンのみりん工場があります。かつて流山市には天晴みりん、万上みりん(現在のキッコーマン)の2つのみりん工場がありました。流山は古くから米の生産地であり酒造技術がありました。そして江戸川の水運により江戸と結ばれていたことで、みりんづくりで栄えました。(流山史跡ガイドHP参照


1859年創業の呉服屋ましや 
ましやの蔵の中には美しい着物がありました

流山本町には歴史的な建物や街並みが残り呉服屋さんも目に止まります。昔は利根運河からの荷物を載せた馬が江戸川を使い江戸へ物資を運ぶ中継地として流山が使われていました。江戸で得たお金で着物を買うことで、流山には呉服屋さんが増えたそうです。(はしもとあやさんHP参照

今上落は千葉県流山市にある利根川水系の総延長6,700mの一級河川
江戸川を散歩していた切り絵行灯作者の飯田さん

江戸川沿いを案内していただいていたときに、切り絵作家の飯田さんがご夫婦でお散歩されていました。
飯田さんは1995年から独学で切り絵を始められ「風景は写真や絵でも残せるけれど、切り絵にすることで古い街並みに合ったレトロ感が出る」と感じ、切り絵で流山の歴史・文化を表現され続けています。(Ryutetsu Area walking lab.HPより抜粋)

machiminの切り絵ギャラリー
切り絵で描かれた流鉄線

流山本町には富士信仰のため根郷地域の鎮守さまとして、1644年に創建されたと伝えられている浅間神社があります。本殿の裏手には約8mの富士塚があり、登ることもできます。富士登山が出来ない人の為に、富士山の溶岩を使って本物そっくりな手造りの「流山の富士山」を造ったそうです。(流山市観光協会HP参照)登ってみると中々の高さと傾斜でスリルがあります。

富士塚の頂上から本殿を見下ろした様子
浅間神社の富士塚

また流山本町には歴史ある建物を活かしたお店が点在しています。旧流山商店街にある万華鏡ギャラリー&ミュージアムは築130年の古民家で、国登録有形文化財であり、1階には葉茶屋 寺田園 という日本茶カフェが併設しています。2階の万華鏡ギャラリーでは流山市在住で、世界的に活躍する万華鏡作家・中里保子さんの作品を中心に、万華鏡作品を展示・販売しています。万華鏡の美しさはもちろん、万華鏡の形の多様さに驚かされます。万華鏡は手に持ってくるくる回す筒型のデザインだけじゃないんです。

築130年の古民家
万華鏡×葉茶屋寺田園のシフォンケーキとほうじ茶セット

閻魔堂は、江戸時代(1603年~)の閻魔大王像を祀るお堂です。閻魔堂には義賊(金持から金品を盗んで貧乏人に分け与える盗賊)と呼ばれた金子市之丞の墓があります。金子市之丞はねずみ男のモデルにされたという話もあるそうです。この話を聞くとどこか身近に感じる金子市之丞の存在です。

閻魔堂にある金子市之丞の墓
赤城神社の大しめ縄

どんっと迫力のある大しめ縄が目を引く赤城神社。毎年10月に氏子や地元住民が協力して一日で造りあげるそうです。大しめ縄行事は流山市指定無形民俗文化財に指定されています。私が足を運んだ10月は造り上げられたばかりの大しめ縄が飾られていました。
洪水で群馬県にある赤城山の一部が流れてきて、赤城神社のある場所に止まったという説があり、神社は小さな小高い山の上に位置します。この一説は流山の地名の由来となっています。

赤城神社の本殿へ向かう道 緑がきれいです

ここには紹介しきれないほどの流山本町の魅力ある場所をじんじさんのツアーで案内していただきました。そしてご紹介いただいた場所をすぐにイラストにすることを進めました。

【 流山本町×TX沿線つながる・高めるプロジェクト 】スタート

ほみちゃんとの出会いから約1ヶ月の間にmachiminのスタッフとしてのスタートとイベントの準備を並行して進めながら、気づけばイベント当日の2022年11月11日になっていました。

イベントの内容としては流山本町の大きなマップとイラストを用意し、住民の方や来訪された方の「流山本町の好きなところ、良くなって欲しいところ」をヒアリングして付箋で貼っていくという形です。
そして昔の流山駅前にあった焼き鳥屋さんを再現し、machiminの縁側で焼き鳥を食べながら話ができるというスタイル。
※プロジェクトの概要は以下の記事を参照ください。

縁側の大きなマップと流鉄線
マップには事前に準備していたイラストを貼ります
流山に住んで60年以上、市議会議員あおのさんのお話

イベントへは街の人はもちろん、近藤さんやじんじさん以外の議員さんも沢山訪れました。
イラストを描くというミッションはあるものの、私自身もヒアリングをしなければ絵にしていくことができません。
イベントがスタートして間も無く、市議会議員のあおのさんのお話をお聞くことができました。流山のまちづくりについて、あおのさんのキャリアや幼いころの思い出の話にいたるまで様々なお話を聞きました。
切り絵作家の飯田さんもいらっしゃいました。飯田さんも生まれも育ちも流山。「流山駅前には大きなテレビがあってね」「おでん屋さんもあったよ」など、お話を聞くまで知らなかった流山の景色が浮かびます。
皆さんに聞いた話を元にイラストを描いていきます。

流山駅前にあったおでん屋さんや大きなテレビ
時間を追うごとに人で賑わい始めます

焼き鳥を縁側で食べるというスタイルが街の人を呼び込み、私と同じような子育て世代の住民の方も足を運んでくださっていました。皆さん焼き鳥だけでなく、イベントの様子も覗かれていきます。近藤さんやじんじさんがイベントの紹介をし、街の方が想いを付箋にのせていきます。その際にイラストについての話題があがることもあり、「そこにいる井上さんが描いたんです」と紹介される度に、ドキッとしながらご挨拶をしていました。

平日にmachiminにいるとお客様の年齢層は高めなのですが、週末のmachiminは30代くらいのご家族など様々な年齢層の方が行き交います。結婚を機に移住してきた若い子育て世代も多く、本町の魅力や要望を付箋で書き込んでいく様子が印象的でした。中には「ベビーカーを安心して押せるようになってほしい」などリアルな声も届きます。
付箋にのせられた想いもどんどんイラストに描いていきます。イベントに参加した時点で私は、今以上に流山本町のことを何も分かりませんでした。分からないからこそ、皆さんの言葉ひとつひとつが新鮮で、知らなかった場所や、その場所で培われた文化や歴史の話を聞くことがとても楽しかったです。また趣味で描いていたイラストがこうして多くの方の目にとまり、街の風景を少しでも感じ取ってもらえたなら本当に嬉しいことだと感じました。



振り返りの様子 楽しそうに話しています

街の人の声が届いた先に描かれる未来

今回イベントはきっとmachiminという場で行われたことで生まれたエネルギーがあったように思います。
machiminは観光案内所兼コミュニティスペースであるため、日常的に政治家の方が訪れる場所ではありません。
街の人や観光で訪れる人がいる風景が日常です。machiminという場であることで、machiminだから足を運ぶことができた街の人の声が届きやすくなったように思いました。改めて市議会議員さんに意見を伝える機会の少ない方もmachiminであれば足を運ぶことができます。「焼き鳥」があれば、尚更足を運びたくなります。
手塚さんがおっしゃっていた「ナチュラルな政治参加の場」という表現がイベントを終えるころには、腹に落ちる心地がありました。
私自身この場に参加させていただいたことで、市議会議員さんがどんな取り組みをしているのかの活動の一部を見ることができました。そしてこうして届けられた街の人の声が、一般質問として議会で取り上げられている様子を見ました。この体験はイベントに参加していなければ経験しなかったことであり、machiminに来ていなければ始まらなかった出来事です。
どこか遠くで起きていたことだった"まちづくり"が、目の前で活動から形作られていく様子を見たことは、私自身にとって大きな経験となりました。流山市のこと、街のことを自分ごとで捉える一歩を踏み出する機会をいただいたように思います。

マップに絵や付箋が溜まっていきます
街の人の様々な声が届きます
イベントでの縁側の風景です

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