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言葉を使わない言語だから

進学した中学の入試で、こんな問題があった。

あなたには文通をしているアメリカ人の友達がいます。
届いた手紙には、「このたび、両親と一緒に日本を観光することになったので、日本の素晴らしいところを教えてほしい」と書いてあります。
都道府県名を1つ挙げて、その都道府県の魅力的だと思うところとその理由を手紙の返信として、200字以内で記述しなさい。

という問題。

私は地元のことは全く考えず、親戚が住む富山か大阪のどちらを書くべきか悩んでいた。

結局、富山の冬の間の手仕事について記述したはず。

その後も度々、その問題を思い出しては、地元のいいところってなんだろうと考えるようになったが、ピンと来る答えが見つけられずにいた。


ある時、日本に留学してきた友人に影響されて、大学を卒業した後は、海外でデザインの勉強をしてみてもいいのかもと、留学を視野に入れていたとき、こんなブログ記事を読んだ。

筆者が海外の総合大学に留学した際に、オランダ美術史の講義をとっている芸術学科ではない学生がいた。筆者は、「なぜ君は、芸術学部じゃないのにオランダ美術史のようなマイナーな講義を取っているのか」と尋ねた。

すると、その学生は「僕の母はオランダにルーツがあるんだ。だから僕はアメリカ人だけど、オランダのことを勉強するのは当然のことだと思う。まだオランダには行ったことないけど、いつか訪れるつもりだよ。」と答えた。その答えを聞いて、筆者はハッとしたそうだ。

私も記事を読んでハッとした。

地元の良いところも言えないのに、海外に行くのはどうなんだろうと思うようになった。その時に、私は日本がどのような国なのか表現できるようになったら、その絵を持って海外へ旅に出ようと思った。

きっとその方がいちから語学を勉強して、自分の国がどんな国なのかを言葉で説明するよりも、速く的確に伝えられると思うのだ。

しかし、一体いつになることやら…

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