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私は虚無の淵に立っている・・・~哲学エンジニアのライフヒストリー(1)~

SPA! 2023年8月29日・9月5日合併号において、佐藤優さんがインテリジェンス人生相談で興味深い回答をしていた。

虚無の淵に立っていると感じる相談者に対して、それはキリスト教からは距離のある日本人にとって当たり前のことであり、そう感じることはむしろ西洋哲学的な思考をしていると回答していた。

日本人が意識していない考え方を西洋哲学の論理で解明したのが西田幾多郎の『善の研究』であり、有と無が分かれる前の根源無が「虚無の淵」なのである。そして、有と無が分かれる前に根源有を想定するのがヘーゲル哲学であり、ひいてはキリスト教に強い影響を受けた西洋哲学の考え方であると哲学的な背景を佐藤さんは説明している。

西田幾多郎:Wikipediaより引用

佐藤さんは幼い頃からプロテスタント教会でキリスト教の価値観を叩き込まれていたため、虚無の淵に立つという経験をしたことがないと語っている。同志社大学神学部在籍中には、同級生が神を信じられなくなって、「無の深淵」に傾斜するハイデガーの存在論に惹かれるケースがあったという。ハイデガーを東洋哲学的に読み込むアプローチは古くからある方法論ではある。

キリストの降誕

そこで、佐藤さんは、西洋哲学的な思考をしている相談者に対して、哲学書を読むことが問題解決につながるかもしれないが、あまりに不安が強い場合は専門家に頼るようにと締めくくっている。

長い前置きになったが、私のライフヒストリーと重なるところが多くて実に興味深い内容であった。

次回からは、私のライフヒストリーについてお話していきたい。


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