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哲学史の見取り図~ヘレニズムとヘブライズム~

このnoteにおいて、ずっとギリシャの目的論的世界観について話してきました。

そのヘレニズムの哲学に対して、ヘブライズムの哲学を対置してお話ししていくつもりです。

ヘブライズムとはユダヤ教に端を発してキリスト教に至る宗教を背景に持つ思想です。西洋哲学は中世以降、ヘブライズムの影響が徐々に大きくなっていきます。

ヘブライズムは自己理解を論理的に表明するために、ヘレニズムの枠組みを用いて、とりわけプラトンとアリストテレスの哲学を借りて神学を打ち立てていきました。

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しかし、徐々にその枠組みを脱して、ヘブライズム独自の理論的枠組みを構築するに至り、ついにニーチェの「神は死んだ」のニヒリズムに至ります。

一言で説明するならば、ヘレニズムは善の優位性の思想、ヘブライズムは存在の優位性の思想ということになります。

善の優位性の思想から、今までお話ししてきた目的論的世界観が展開しました。善のイデアや不動の第一動者という目的に憧れて万物が動いていくという世界観です。

存在の優位性の思想が、これから説明するヘブライズムのキーワードとなります。そこから、機械論的世界観や超越論的世界観というヘブライズム独自の世界観が展開していきます。

その変遷についてこれからお話していく予定です。これからの連載についてまずはこの簡単な見取図をお話ししました。

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