(参加レポート)NewsPicks 京都紅葉の宴2018 オフ会 Part 5 : 佐山展生さん講演

前回、インテグラル・スカイマーク代表取締役佐山さんのキャリアの歩みを紹介した。
https://note.mu/np0/n/n09f8d0fe0de2

今回は佐山さんが精力込めて取り組むスカイマークの再生(定時運航率日本一への軌跡)から、気になった点を紹介する。

本題に入る前に、佐山さんの当日の多忙な動きを紹介。
当日朝のフライトでなんと北海道に行かれ、午後のフライトで京都のNewsPicks京都紅葉の宴に駆けつけた。
なぜ北海道行ったかというと、プロ野球日本ハムファイターズの感謝デイが行われるから。
日本ハムファイターズの繋がりで言うと、19年3月からファイターズジェットをスカイマークは就航させるそう。

本題に進むと、佐山さんとスカイマークの接点は、代表取締役を務めるインテグラルが、2014年12月に当時のスカイマーク社長西久保氏を訪問したのが最初。
インテグラルは、M&A先から要請を受けて動き出したことはなく、自分たちから話を聞きに行ってスキームを作るそうで、それを佐山さんは「適正な欲があって、ちょっかい出しに行く」とうまく形容していた。

スカイマーク民事再生までの経緯は、今回のレポートからは省くが、経営支援要請していたANAとの交渉決裂が2015年1月にあり、破産手続き準備を進めていた所にインテグラルが支援に入り、民事再生へと舵を切った。

その時の決断について、スカイマークへの支援を全ての投資ファンドや事業会社が断っていた状況で、なぜインテグラルが支援に回ったのかは、再生できる勘があったと。
逆説的に、再生までの道筋を説明でき、納得を得られる案件だと誰もがやるが、そうでなく勘で決断することもあると。
同じよう様なケースとして、孫正義氏が決断した、ソフトバンクのボーダフォンの事業買収を例に挙げた。

そして、現在もスカイマークの代表取締役を務めることに関し、投資ファンドの責任者が、通常投資先に張り付くことはなく、表には出てこない駆け引きがあると含みを持たせた。

続いて、スカイマークの再生の副題になっている定時運航率について。
佐山さんは、オペレーション品質を示すKPIとして定時運航率の推移と取り組みを紹介。
2015年9月にスカイマークの各スポンサーより出資金振込みがあり、新体制発足後すぐに佐山さんが始めた取り組みとして、さやま便り(電子社内報)というのがある。
これは2015年10月から毎週佐山さんがスカイマーク全従業員にメッセージを発信。
毎回3時間ほどかけて、その週に考えたことや、会社に関係するイベントを紹介し、経営者が何を考え、何をしてるのか示していた。その中で当初から重点的に発信したメッセージとして、定時運航率日本一を目指すというもの。

この取り組みが効を奏し、定時運航率はワースト時の2011年度80%(運航会社8社中8位)が、インテグラルが経営関与始めた2015度年89%(11社中7位)から、2017年度93%に改善し12社中1位に輝いた。
これは冬に雪が多く遅延や欠航しがちな北海道の空港に就航する航空会社が少ないことを考慮すると偉業である。

このさやま便りの効果を示すエピソードとして対比されたのが、最近まで社外取締役を務めたヘアカットを手掛けるQBハウスの話。佐山さんは、今年9月にIPOするまで社外取締役として、QBハウスの国内外の店舗をたくさん回ったが、一度も関係者だと指摘されたことがなかった。
このことから、どんなに従業員に良いことを本社でしていても現場まで伝わらないと実感。
さやま便りを始めた当初は、その効果を期待していなかったが、現場への経営者のダイレクトなメッセージを伝える手段として重要だった。

さて、スカイマークの再生に関して、気になった点をピックアップして紹介したがいかがだっただろうか。

最後にたくさんされていたクスッと笑う小噺を1つ。民事再生の記者会見前日にふとスカイマーク搭乗経験ないことに気づいた佐山さんは、神戸←→東京を一往復した。案の定、記者からはスカイマーク搭乗経験を聞かれたが、胸を張って答えた。何回搭乗したかまでは聞かれず卒なく対応した。

次回(最終回)は佐山さんの結び言葉、メッセージ。

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