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【堀江貴文×佐藤航陽×光本勇介】 お金2.0時代の生存戦略  <アカデミア講義レポート>

2017年は仮想通貨やC2Cサービスなど、従来の「資本主義」では捉えられない新しい「価値主義」経済が飛躍した年でした。今後それがどんな広がりを見せていくのか。価値主義時代をリードする三人の起業家がアカデミア講義に登場し、新しい時代の生存戦略を語りました。

登壇したのは、言わずと知れたホリエモンこと堀江 貴文氏、
「お金2.0」の著者の佐藤 航陽氏、
株式会社バンクの代表取締役 光本 勇介氏です。

この豪華三名をゲストに迎え、自身も企業の枠にとらわれず幅広い活躍を見せている価値主義の体現者、幻冬舎の箕輪 厚介氏がモデレーションを行いました。

会場には約50名のHIUメンバー、約150名のアカデミア受講生がつめかけ、価値主義の最先端を走ってきた3人の話に聞き入りました。

熱気にあふれた講義の直後、NewsPicksアカデミア アンバサダーの中村さん・福田さんに感想をお話ししてもらいましたので、今回のレポートでは、彼らの心に触れたポイントを中心にお届けします。

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NewsPicksアカデミア アンバサダー 中村大樹、福田一孝


―― 本日の講義はいかがでしたか。

福田 今後の大きな流れ、トレンドを知るきっかけになりました。これまでの経済は株式市場が中心でしたが、お金の調達手段が大きく変わると感じました。

―― 光本氏が言っていましたが、2017年はメルカリの躍進に代表されるようにいろいろなモノに価値がつきはじめた年でした。2018年はモノについた価値が流動していく年になるだろうと予想されていましたね。

登壇:光本 勇介氏 株式会社バンク 代表取締役兼CEO2017年6月に目の前のアイテムを瞬間的にキャッシュに変えられるアプリ「CASH」をリリース。10月31日、インターネット総合事業を展開するDMM.comに70億円で事業を売却。


―― 中村さんはどんな感想を持ちましたか?

中村 これまでも価値主義が重要という事は言われてきて、それは感じていましたけど、今日の場によって、その流れが更に加速すると思いました。

―― お金2.0を加速させるためには、「人気」と「流動性」を上げることが大事と堀江氏が言っていましたが、この講義自体が「流動性」を上げるための一手段ということでしょうか。

中村 そうですね、ここからまたお金2.0の考え方が広がっていくのかなと思います。

福田 今、がんばって自身の「価値」を上げたとしても、現状ではそれをリセールする場がないですからね。市場への参加者を集めて、「流動性」を上げていくということが今必要なのだと私も理解しました。

中村 「流動性」は本当に大事です。佐藤氏や堀江氏は、いつも先回りして思考されていますが、実は、先回りする人はいつの世も五万といるのですが、失敗している人が多いのも事実です。世の中の流動性を高めていかないと、先回りして実行したとしても、早すぎて失敗してしまうことがあるのです。

―― 堀江氏は、今我々が話しているような価値主義について、6、7年前から話しをしていましたけど、一般の人には理解されなくて、「堀江さんはわからないことを言う、十分説明していない」と批判されていたそうです。時代がようやく堀江氏に追い付いてきたということでしょうか。(笑)

福田 堀江氏は、流動性を上げるためにマスに価値主義を広げていく必要があるとも言っていました。一方でお茶の間に広がった瞬間にもうそれは時代遅れになるとも。起業家は新しいサービスがマスに広がった時点で、先を見据えて既に動き出している。そんな風に、マスへの拡大と、新しい試みのスタートがシームレスに続いていくものなのかなと思いました。

中村 堀江氏は「歴史に投資」しているとも言っていましたが、それも“マスの先の先”を行っているからこその行動かもしれません。

―― 堀江氏が250年続いた老舗の醤油家に投資をしているという話ですね。25年前に作られた醤油を1本5万円で売り、お客さんにマグロ寿司に一滴たらして食べてもらう。すると凄くありがたがられると。(笑) そういう、過小評価されているが故に“買える歴史”はいくらでもあって、そういったものを探し出して文脈を捉え直し、価値を可視化することが大事だということでした。

登壇:堀江 貴文氏 SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。

中村 一方で、これから何が本当に価値となるのか、それが課題になるのではないかと思います。

福田 堀江氏は価値を再定義する天才かもしれないですよね。出版業界はビジネスチャンスのかたまりとも言っていました。特にマンガ。これまで本を作って売って、それで終わりになっていたおもしろいコンテンツは、いくらでもマネタイズ可能。切り口を考えられれば無限大だと。

―― 出版不況と言われて久しいですが、箕輪氏はそこに風穴を空ける存在になりそうですね。

モデレーター:箕輪 厚介氏 幻冬舎編集者。「多動力」堀江貴文、「ネオヒルズジャパン」与沢翼、「悪意とこだわりの演出術」藤井健太郎の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得。NewsPicksアカデミア立ち上げを行った。


―― 今日の話を受けて、どんな点を今後の活動の参考にしたいですか。

福田 やはり価値の可視化がキーワードになると思います。これまで価値がどのくらいあるのかがわからなかったものが、わかるようになった。世の中に埋もれている埋蔵金が可視化されるようになった。これは大きなことだと思います。たとえば、受験生が「数学のここが分からないので、そこだけ教えて欲しい」というときに、タイムバンクでそれが買えるというような、受験生にとっての価値が可視化され、やり取りされるようなビジネスが生まれるのではないでしょうか。

―― 先日メルカリが発表したスキルシェアリングの考え方ですね。中村さんは今日の話を受け、取り入れたいと思ったことはありますか。

中村 そうですね。具体的なビジネスプランは記事にできないのですが・・〈オフレコ話〉・・、やはり自分の価値が何なのか深掘りしつつ行動し、オリジナルの価値を高めていきたいと思いました。

―― 堀江氏は、価値を上げるために、社会にとって役に立たないことをやりきることが大事、役に立つことはいずれに機械に置き換わると言っていましたね。

中村 「ウサイン・ボルトは必要なのか?」という命題もおもしろかったです。ボルトは最速で走れる人類だけれど、車より早くは走れない。でも、人々を感動させることができる。それがボルトの価値だと。

―― 一方で、新しいエコシステムを作る人がまだまだ少ない。今後数年はエコシステムを作る人のニーズが高まると佐藤氏が言っていました。 そういった分野でのビジネス・チャンスはまだまだありそうです。

登壇:佐藤 航陽氏 メタップス代表取締役CEO時間市場の創出を目的に「タイムバンク」を今秋にリリースした。アカデミア書籍「お金2.0」の著者。


―― 最後に、資本主義から価値主義への転換にあたって、どうしても資本主義に片足を突っ込んでいる状況の中、そこから脱却できずにもがき苦しんでいる方から、アドバイスを求める声がありました。
佐藤氏は、周囲の人の影響を受けないようにしている、友達がほとんどいないし、会社でもほぼ耳栓をして瞑想していると言っていました。(笑)
堀江氏も光本氏も、同じような環境で育ったIT系の人とはあえて付き合わないようにしていると言っていました。
それについて、中村さんはどう思いますか。

中村 これは本当にそのとおりで、僕も資本主義からの脱却はキツかったです。僕の場合、変わるために半年かかりました。そのために必要だったのは、逆説的ですが、それなりのお金でした。書籍購入やセミナー参加費など自己投資にかけるお金があることで、勢いもつくし精神的にも支えになりました。その上で新たな環境に飛び込むことが重要だと思います。僕の場合は、「イノベーター」や「アーリーアダプター」が多く集まる場所(HIU、BOOKLABTOKYO 等)に出入りしたことが良かったです。

―― そうして試行錯誤され、中村さんも今の考え方に行き着いたんですね。最後にひとことお願いします。

中村 佐藤氏も言っていましたが、価値主義へのシフトは2018年に大きく加速すると思います。シフトはしているものの、市場形成の本質は変わっていないと思います。そのため、1970年代からの証券市場の成り立ちについて学ぶことは、価値主義における市場形成を行う上で参考になると思います。

―― 価値主義の時代を先読みして、行動していきたいですね。今日はありがとうございました。

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語り:中村 大樹(ナカムラ ダイキ)NewsPicksアカデミア アンバサダーCommunity Manager/時間投資家【Twitter】https://twitter.com/daikitweet

福田 一孝(フクダ カズタカ)新興国ビジネスでの事業立ち上げのエキスパート。インド、シンガポール、香港、韓国に計14年間駐在し、東アジアから中東までをカバーする。現在、オリンパス株式会社で、グローバルリーダシップ開発、多国間異動などHR設計にも参画し、昨今では欧州、米国との業務がメインとなる。

聞き手:Akiko YamaguchiNewsPicksアカデミア アンバサダーhttps://newspicks.com/user/1583791


※本稿は2017年12月18日に永田町GRIDで行われたNewsPicksアカデミア講義の模様をレポートしたものです。

#NewsPicksアカデミア #堀江貴文 #佐藤航陽 #光本勇介 #お金2 .0 #価値主義 #仮想通貨

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