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生命誕生と胎教

「体内環境とその後の子どもの性格」

遺伝子科学、脳科学、子どもの能力に関わるものとして、優秀な両親のDNAを受け継ぐ子どもの能力は本当に高いのか、また、生後の環境によって能力(脳力)は大きく左右されるのか、こうした人間の知的発達について多くの論議が巻き起こります。しかし、こうした脳の発達に関係する仮説として、新たに体内環境(両親の胎児に対する愛情と理性的関わり)が加わってきました。極論からすると、両親のDNA+体内環境+生後環境が整えば、かなり優秀な人間になると考えられます。しかし、ここまでくると、人の命という根源的なものに立ち返る必要が出てきそうです。優秀な人間とは、具体的にどのような人を指してそう言うのか、この定義は難しそうです。

衝動的な殺傷事件が目立ちます。見ず知らずの人から急に殴られる、刺される、近年、このような通り魔的な事件が後を絶ちません。被害者の年齢も幅広く、一つに特定することは困難です。精神科医の中には、事件を引き起こした被疑者に対し、全員の精神鑑定と生まれ育てられてきた環境を調査すべきだと主張する方がいます。母親の妊娠から出産、そして、育てられた環境を調査すると、被疑者に歪んだ心の発達の経緯が見られると言いうのです。多くは「望まれない命」から、虐待や育児放棄が始まると言われるほど、妊娠期からの親子環境は、子どもの性格に大きな影響をもたらしていると断言しています。そしてこの幼児虐待や育児放棄は、その後、子どもに受け継がれていくという仮説があり、今、この仮説がにわかに信憑性を帯びてきています。こうした悪しき繋がりを、断ち切れない鎖のようだと形容もされています。

もし、社会に蔓延する虐めや虐待、体罰も含めこれらをなくすと願うならば、こうした母親の妊娠期から親子を保護しなければ真の解決は難しいのかも知れません。妊娠期に必要な事は、その前に、新しい命を生み出す側の心構えがとても重要だと言えるでしょう。今頻発する多くの育児放棄、虐待がこうして目立つようになってきた背景には「できちゃった婚」など、生命に対する半ば軽視とも言える結婚に対する考え方や価値観など、私たち心の変化や社会の変化があるのかも知れません。

こうした社会だからこそ必要とされる胎教は、胎児が育つ環境を整える事を最優先しなければなりません。つまり、安全、安心、安泰、愛情、信頼を夫婦・母子・父子・家庭内で保つことです。そして、誕生後は、心を作り上げていく準備として、「ことばの教育環境」を整備することです。幼児教育の重要性が問われるのです。人の誕生を追っていくと、今、社会で起きている人間関係のトラブルの原因がわかります。親子関係が前述した関係で希薄になっていることを考えると、やはり、昨今の事件は、人対人のコミュニケーション能力の低下と言う見方がされてきます。其の原因こそ、妊娠期から幼児期の環境だと言えるのではないでしょうか。胎教と幼児教育は一体化されるもので、今後の親子関係や人間関係に大きな影響を及ぼすものと考えられます。教育改革という言葉が声高に叫ばれていますが、こうした部分から見つめ直して頂きたいと切に願います。

2014/4/26


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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