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#007 一人ひとりにあわせて

「どの子にも絶対にいいところがある」
私たちはこのことを強く信じています。子どもたちのいいところを見つけたとき、私たちは宝物を見つけたような気持ちになるのです。私たちが日々出会う放課後ならではの子どもの成長物語。その一部をご紹介いたします。


70歳を迎えられても元気に勤務されているスタッフのAさん。以前から、地域で子どもを見守る活動をされていて、「地域の子どもたちが自分の孫のようにかわいい」と愛情たっぷりに子どもに接してくれていました。

その昔、税理士をされていたAさんの特技は「そろばん」。電卓などない時代、商売道具は「そろばん」だったそうです。アフタースクールのプログラムの取り組みを知って、低姿勢で「私、そろばんなら教えられます・・・」と言ってくださったのがはじまりでした。

 「まずは、玉の動かし方からやってみましょう!」ということで、夏休みに数回そろばんプログラムを実施しました。スタッフの家から集めてきたそろばん2つでスタートしたプログラムは、初回は2人、次に4人と、少しずつ人数が増えていきました。

次第に子どもも保護者も積極的になり、自分でそろばんを用意して、「毎週火曜日はそろばんの日」に。参加者も10人を越え、まるで小さなそろばん教室のようです。子どもたちも、学校から帰って来るなり、そろばんを用意して待っています。

とても優しい人柄のAさん、毎回手書きのワークシートを用意して、子どものレベルに合わせて、スモールステップで教えてくれます。しかも、このワークシートは子ども一人ひとりに応じて、全て違うシートなのです。すごい!

そんな思いのこもった手づくりのそろばんプログラムだからこそ、子どもたちもやる気をみなぎらせているのだと思います。回数を重ね、子どもたちの手つきもかなり様になってきました。

経験を重ねてきたからこそ輝ける仕事がアフタースクールにはあります。これは、放課後の仕事の大きな魅力の一つなのだと思います。

出典『子どもたちの物語 エピソード1 一人ひとりにあわせて』


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