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保健師は地域のデザイナーだったんだ。【2022年の気付き】

はじめまして。
北極ペンギンと申します。デザインを勉強している保健師です。ペンギンと呼んでください🐧

ペンギンのファーストキャリアは行政保健師です。その後、病棟看護師に転職し、紆余曲折あり(省略しすぎ)、2022年5月からグラフィックデザイン、ウェブデザインの勉強を始めました。

普段note は基本読む専門です。今回は「2022年デザインを勉強してペンギンが気付いたこと3つ」を拙文ではありますが、書き留めておきたいと思います。

デザインを勉強して気付いたこと

デザインの本当の意味

デザインを学べば、正しく情報を届けられるのではないか。そう考えてデザインの勉強を始めました。保健医療の現場で働く中で、「言葉だけでは伝わらない」と感じることが多くありました。デザインで魅力的な見た目の媒体をつくることができれば、伝わり方が変わるのではないかとデザインを勉強し始めた時は考えていました。実際にデザインを学び、デザインは単に見た目をよくすることだけではなく、もっと奥深いところにあるのだと気付きました。

「常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する。」この一連のプロセスが我々の考えるデザインであり、その結果、実現化されたものを我々は「ひとつのデザイン解」と考えます。
公益財団法人日本デザイン振興会

デザインは単に魅力的な見た目をつくることだけではなく、課題に対して計画〜解決策の実現まで全ての過程だったのです。課題の分析や情報の整理・ターゲット設定などの計画のデザインがブレていると、成果物として良い見た目のデザインは作れないんだと気付きました。

保健師は地域のデザイナー

今まで考えていたデザインよりも、デザインはもっと広く大きい意味であると気付いたとき、デザインをより身近なものに感じました。「課題を見つけ、計画を立てて実行する。」ん!?それって、ずっとやってきたことなのでは??

「常に住民を中心に考え、健康課題を見出し、その健康課題を解決する計画を行い実現化する。」

日本デザイン振興会のデザインの定義の言葉を一部置き換えると、保健師の活動そのものではないか。保健師は、地域住民とともにその住民の力や地域の様々な組織(医療介護の施設のみならず、企業や町内会など団体など)の力を借りて、住民や地域そのものを支えていく(課題を解決していく)役割の一つ。そう考えたときに、「保健師は地域のデザインをしている!」「保健師は地域のデザイナーなんだ!」と気付きました。

保健師活動にデザイン思考のエッセンスを

デザイン思考は「ユーザーの持つ本当の課題(ニーズ)を定義し、解決策を見いだすマインドセット」です。ロジカル思考では、課題の原因を起点に論理的に解決していくのに対し、デザイン思考はユーザーに共感し課題を深掘り、得られた真のニーズを起点に考えていきます。(どちらが良いということではなく、その課題にあった思考法を選択していくのが良いのだと思います。)

保健師は地域の健康課題を明らかにする際、「地区診断」という手法を用います。地域では様々な保健医療福祉関係の職種、そして専門職に限らず多くの人たちが、住民の健康を支えています。そんな中で保健師の強みの一つが地区診断なのではないでしょうか。保健師の活動は地区診断に裏付けされた健康課題に対してのアプローチと言えるかと思います。そのアプローチを考える際に、デザイン思考のエッセンスを取り入れられそうとペンギンは考えました。

住民のニーズも時代と共に変化し、「乳幼児健診をしてもらえてありがたい」「患者会があって助かる」「公的機関がやっているから安心」という機能の価値や公的機関ブランド(ちょっと皮肉な言い方になってしまってすみません。)では、ニーズは満たされなくなってきているのではないかと思います。もっと「何が得られるのか」「どんな体験ができるのか」というところに住民の求めている価値は変化してきているのではないか、デザイン思考で保健師の活動にUXの視点をとり入れていけるといいのではないかと考えました。

今年11月、島根の王子保健師(?)川岡さんのONE DOORのデザイン思考研究会でプレゼンさせていただき、参加メンバーの皆さんと乳幼児健診の本当のニーズについてデザイン思考で考える機会をいただきました。日頃の業務の中で得られた住民の生の声からニーズが深掘りされていく過程を体感して、保健師活動にデザイン思考のエッセンスを取り入れることの可能性に気付きました。これについては、今後もっと深めて考えていきたいと思っております。

ONE DOORについてはこちら。

デザイン思考研究会の内容は、ななさんがグラレコにしてくださいました。

おわりのあいさつ

長くなってしまいましたが、「2022年デザインを勉強してペンギンが気付いたこと3つ」でした。

2022年はデザインを勉強して見える世界が大きく変わりました。2023年も大きな変化が起こりそうな予感です。ペンギンは空は飛べないけど、海では飛んでいるように泳ぐことができます。ペンギン自身も自分の海を見つけられるように2023年動いていきたいと思います!

2022年出会ったみなさん、たくさんの刺激をいただき本当にありがとうございました。来年以降も引き続きよろしくお願いします。それでは、良いお年を〜!!

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