科学技術の進化とその陰に潜む危険な要因が我々に牙を剥いて来る

映像の世紀(バタフライ・エフェクト)のスタートは御巣鷹山に墜落した日航のジャンボ機の事故から始まりました。このニュースを見たのは新日鉄㈱名古屋の保養所のTVから流れるテレビでした。ほぼ全員が死亡し、墜落するまでの9分間に行われた機長と管制官の通信は衝撃的でした。機長がシミュレーター訓練で経験してこなかった現象が起き、圧力隔壁の損傷で尾翼が破壊されていたが機中の人には分からずに、必死に機体をコントロールしようとする乗務員の焦りが募っていた。
人間の空へのあこがれが①飛行船の爆発・炎上、②大量・高速移動を実現した最新ジェットであったコメット機の金属疲労破壊、③スペースシャトル・ディスカバリー号のOリングの弾力性の不足⇒液体燃料の漏出が機体を木っ端みじんにしてしまった。
科学技術の発展が大型鋼板を使った世界最大の客船タイタニック号を産み出した。①鋼板の接合は溶接工法ではなくリベット止め、②鋼板の低温脆性への認識不足、③大西洋は巨大な氷山がうようよしていたが事前に察知する技術がなかった、④マルコーニが発明した無線通信が被害を縮小した。その陰で自然の猛威を軽んじていた経営者は救出用ボートの数を減らしていたことに大いなる反省があるが。
東日本大震災で想定以上の大きさの津波が万里の長城を凌ぐ防潮堤を根元からえぐり取られて、損壊した。復興工事でそれを凌ぐ防潮堤を造ったが成果は確認しようがない。
最近、中電の浜岡原発の防潮堤の高さが不足していると22mから28mへかさ上げするとニュースリリースが流されていた。18mの工事が終わり、22mへかさ上げする直前に浜岡原発を見学した。中電㈱の役員に「浜岡原発探訪記」なる一文を贈呈した。

チェルノブイリ原発事故と福島第一のメルトダウンと汚染物質のまき散らし

人間は木の枝⇒薪炭⇒石炭⇒石油をその危険性を手なずけながら、科学技術を発展させて来た。原子力はナチスドイツの勢力を抑えるためにアインシュタイン等の提案に基づき原子爆弾を完成させ、広島・長崎で実証試験を敢行した。誰かが言った言葉に科学技術(原発も)は永続的にブラッシュアップが必要で、アイゼンハワー大統領はブラッシュアップの名目で原子力発電所建設を推進した。日本も米国の指導宜しく、欠陥設備の改善に努めながら建設に邁進した。然し、柳田邦夫氏の至言のように「僅かな欠陥が複数重なれば、取り返しのつかない大事故を引き起こす」の意味を今一度噛み締めては如何でしょうか?
確か「原発の安全性は5重の防護対策を打っていてあのような事故を想定する必要性はない」と政府や電力事業者や多くの科学者が述べていたはず。


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