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12-twelve-

Sports & Music cafe「12-twelve-」11/1 OPENから0から1へと丁寧に作り上げる怒涛の二ヶ月。お店のオープンに至って、ずっと僕のことを応援してくれてる方々から「またどうして..」「グランシアタ公演は大丈夫なの..」「そっちに向かったか..」などなどいい声だけじゃなくて、様々な声を聞きました。きっと不安に思われた方もいらっしゃると思います。ご心配おかけしました。年末から少しずつ営業をスタッフに任せれるようになり、ようやく本格的に腰を据えグランシアタ公演に向け日々準備を進めています。

「できるわけがない」と否定されればされるほどやりたくなる性分なのは小さい頃からアイも変わらず。また「ミュージシャンだから。ミュージシャンなのに。表に立つ人が経営?」だとか"イメージ(見え方)"を気にしない。イメージを作られる側じゃなくて、長い目を見据えイメージを作る側に。できる方法を探し目先の成果や見え方でなく、しっかりその先を描き模索、日々軌道修正できるのは沢山の方々のお力添えやお気持ちのお陰です。時々よろけてしまうこともありますが今日も前を向いて一歩ずつ進めています。


開店してまだ二ヶ月ですが、僕にとって1日1日が7日ぐらいの濃さで、色んな経験・体験をさせていただきました。少し時間も経ち、やっと自分の言葉で落とし込めそうかなと思い、改めて、なぜ「12-twelve-」オープンに至ったのか。オープンから今日までの歩みをnoteに書きたいと思います。

一つずつの出来事に思い入れや背景(ストーリー)がありますが、一つずつ書き綴っているとグランシアタ公演までかかりそうな予感がするので、掻い摘んで書きます。是非、最後までお付き合いください。

※店名の意や経緯は上記ツイート内に記載しています。

お店を引き継ぐことを決めたのは、8月下旬。ずっと描いているコンセプトでお店を開く構想はあったものの、理想とする空き店舗が見当たらず、億劫になっていた中、月に一度必ず、お酒を飲み交わすTETSUYAさんからお話がありました。「これまでステージに立ち歌ってきた大切な場所、居場所の一つだった場所。to-PLUS(前)を場所を引き継いで一緒にやらないか。お店の運営、コンセプト、決定権、金銭面管理は全て慎吾くんに任せる。」というお話をいただき、即決。

僕はこれまでお店の経営をしたことはない。カフェ・ファミレス・ドンキホーテ・カラオケ・パチスロなどなどこれまでやってきたアルバイト経験と、これまでやってきた音楽活動の経験のみ。

様々な面の不安はあったものの、やると決めた以上はやる。腹を括る。そしてグランシアタの準備も含めて全部、徹底的にやり尽くす。まずは、コンセプトを再度固める事業計画書・開業資金書などの作成から取り掛かる。鍵の受け渡しは10月1日。オープンまであと一ヶ月と迫っている中での準備開始。



お店はホコリまみれ。独特の油のこびり付いた異臭が店内中に充満し、床も真っ黒。居抜き物件とはいえ、流石に焦る。何から手をつければいいのかわからない。困った..。頭の整理を含め優先事項を書き出しオープンまでのロードマップを作成。

12-twelve- OPENまでのRoad Map

まずは床の全面掃除、キッチン周りの掃除、従業員の面接・契約書作成・シフト作成、粗大ゴミ回収、音響機材の手入れ、保健所の申請、電話・ネット回線開通、お酒や食材の仕入れ、看板作成、メニュー作成、オペレーション準備、資金繰りの準備..などなど、あれだけ張り切っていた僕もどれだけ徹夜をしても一人では途方もない作業量。そして何より全部がハイカロリー。そんなことを見兼ねたのか、11月から働く予定のアルバイトの皆、大分トリニータのサポーターの皆が毎日仕事終わりやお休みを返上して毎日お掃除をお手伝いに来てくれました。



ある日、一人で粛々と作業をやっていた時「間に合わんやろ!!みんなでやるぞー!」と仲間が集まってくれ、窓や床を掃除してくれてる姿を横目に僕は今しなくてはいけない事務作業を。一つずつの気持ちが心底嬉しくて、次第にパソコン画面が涙で見えなくなり「何オープン前から泣よんの。まだ泣くのは早いよ(笑)」とみんなから笑われた恥ずかしい夜が昨日のことのようです。また「お店に飾って欲しい」と沢山のトリニータグッズも贈呈してくださった方々もいらっしゃったり、オープン前から愛情を注いでいただき、何とかプレオープンに間に合わせることができました。手伝ってくれたみんな、本当にありがとうございました。

2022.11.01 OPEN

10/27・30のプレオープンを経て、無事11/1に本格オープン。お店の門出にと写真に収まりきれないほどの沢山のお花を賜り心から感謝致します。ただのミュージシャンだった僕が、"社会”を日々勉強させて貰っているのはこうしたお力添えのおかげです。

12-twelve- 店内
カウンター下もロゴをペンキで塗っていただきました

オープン初日から沢山の方々にお越しいただきました。音楽ライブイベントも開催し、毎回満員御礼。出店も出店させていただいたり、カタールW杯 日本戦時にはずっと思い描いていた景色を作ることができて本当に感銘深かった。

通常営業としては、お昼はお味噌汁専門ランチ。夜はバー営業。夜はお酒と軽食がメイン。所在地である府内町は、飲食店が多数あり、どこも当然美味しい。いわゆる"ちゃんとした職人"のお店ばかり。そこに勝負をしても負ける。ただ"味噌汁"と"おでん"と"からあげ"は全力で拘る。最初は負けててもいい。試行錯誤、勉強し少しずつクオリティを上げ研究。そして何よりも接客。接客のあれこれを細かいところまで落とし込みました。

日替わりランチ「エスニック風 鶏の味噌汁ランチ」(月曜)

オープンしてしばらくするとイベント時以外はお客さんの入りが悪くなっていった。開店して間もない自力のない「12-twelve-」はノーゲスト時には店頭に出て声掛け。「そら、波もあるよ。どんと構えてこう^^」と2ヵ月前の自分に言ってやりたいが、当時は従業員の生活を支えなくてはいけないのに、場所を守らないといけないのに。と心底ヘコみ、自身でお金を払い無理矢理お酒を流し込み、何とかその日の従業員のバイト代分の売り上げは作ったと納得させようとしたことが多々あった。


いやいや、このままじゃダメだ。半年ももたないぞ。もう一度、いや何千回、いや何万回とコンセプトを振り返る。その為には何をしないといけないのか。どうしないといけないのか。どうなりたいのか。何のためにやってんだ。一つずつの問題点と対峙する。僕は向いていない。と自身を責め立てる夜を何度も越えた。

こうした色んな壁にぶつかりながらも、いつも近くで支えてくれたのがスタッフのみんなでした。これまで自身の活動は分業制の委託事業で進んできたこともあり、正式に人を雇うというのは初めての事。性格もわからない。どう接すればいいのかわからない。何を考えているのかわからない。

大分トリニータのサポーターの従業員にとっては向くべき方向・意義はある程度見えるけれど、サポーターでもミュージシャンでもない子にとってはどこを向いて、何のために仕事をすればいいのか最初はわからなかったと思う。それでも「中村慎吾の12-twelve-でなく、来てくれるお客さまにとっての12-twelve-だけでなく、従業員それぞれの12-twelve-になるように」とひたすらに伝え続け、言葉だけでなく一番身体を張り道標を示し続けた。


オペレーション(接客)・SNSの更新の徹底、お店のコンセプトに一緒に立ち返り、いただく一つ一つの声に、一つずつの繋がりや接客の在り方をみんなと本気で真摯に向き合い対峙し続けてきた結果が少しずつ実ってきたのか、オープンから一ヶ月経った12月に入り少しずつ状況が変わってきました。

僕がいてもいなくても何も言わずとも、お客様を気持ちよく迎え入れるためにと手が空いたらやることはないかと掃除をしてくれたり、どうしても暇な時には、早上がりをしカウンターでお客様としてお金を払ってご飯を食べてくれていたこともあった。

「少しでもいい方向に向かうように。」なかなか結果がついてこない時も、それぞれのこうした気持ちにすごく救われた。この子たちの気持ちに応えれる自分に、どんなことをしてもこの子たちを守らないと。この気持ちを繋げていく。と改めて腹を括った瞬間でした。

そして、少しずつ昼も夜も常連と言えるお客様が来てくれたり、僕がいるとかいないとか関係なくお店自体にお客様が少しずつ付いてきて、週末は満席になりことも増えた。
これはみんなと一緒に繋いで対峙してきた立派な結果。

スタッフの誕生日には当日告知にも関わらず、たくさんの方がお祝いに駆けつけてくれ喜んでいる姿を見ていると「12-twelve-」のコンセプトをブレず、大切にやってきてよかったぁ..と感動しました。次の日はお酒の二日酔いなのか、この素敵な夜の二日酔いなのか。わからないぐらい心地よく、また頑張る糧をいただきました。

お越しいただいたお客様、スタッフのみんなのお陰様で何とかオープン年、2022年を終えることができました。支えていただき、心から感謝です。

2023年になりまだまだ詰める課題点は山ほどありますが、お店はひと段落。口酸っぱく何度も書いていますが、コンセプトを忘れず、音楽とスポーツを地域により深く根を張るための「12-twelve-」にするための本業との両立。

決して足が速い方ではないけど、亀のように1日1mmでも前に進み続ける才能だけはあると思います。

博堂村の大塚初代ママがよく当時僕に言ってくれました。
「結局、最後は人だよ」と。
ママ今だったら何が言いたかったか少しだけわかる気がしてます。

うまくいくこと。いかないこと。どんな壁が待ち受けているのか。2023年もおもいっきり楽しみ挑戦していきます。これまでと変わらず自身の活動も全うしていく中で、「12-twelve-」を皆さんに愛していただけるように。これからも変わらずに、変わり続けます。

改めて本年も何卒よろしくお願いいたします。

次の記事でグランシアタ公演のことを書きます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。




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